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シリーズ「よい社風の確立で仕事のできる人の集団を作る!」
<第437回>[(第14話)「函館で大人気のハンバーガーチェーン“ラッピ”の社風!」]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「よい社風の確立で仕事ので
きる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人
事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】人気ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」はなぜ函館なのか!
【3】大手の真逆をいく経営戦略!
【4】独自のサーカス団員制度で顧客生涯価値(LTV)を高める!
【5】編集後記
===========================
ハンバーガーの王者マグドナルドにはたくさん集客してたくさん売る経営スタイルが
定着している。だから店舗運営は「効率化」がキーワードだ。食材も大量仕入れで価
格を下げ、工場で調理して各店舗に配送する。注文するや1分もしなううちにトレー
にハンバーガーと飲み物が乗る。お客様は急いで食べ、すぐさま帰るから回転率が高
く効率がいいわけだ。
函館だけで16店舗を運営する「ラッキーピエロ」と言うハンバーガーチェーンがある。
連日のように行列ができるそうだ。地元函館では「ラッピ」の愛称で親しまれている。
「ラッピ」は注文を受けてから調理に入るから少々時間がかかる。お客様は「待って
も食べたいほど美味しい」と誰も不平不満を言う人はいない。
函館は人口27万5千人の商圏だ。決して大きくはない。函館にはマグドナルドが5店舗、
モスバーガーが3店舗、その他が各1店舗で全部で10店舗ある。しかし、「ラッピ」は
16店舗もあり、年間180万人を呼び込む圧倒的な強さだ。
今回は「ラッピ」と言う函館だけにあるハンバーガーチェーンの「地域一番」に君臨
する社風について採り挙げる。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
ナショナルチェーン店のキーワードは「効率化」、つまり効率的な接客と価格を提供
していますが、ラッキーピエロは「効率化」の競争はしません。お客様の心に触れる
部分をうまく表現して地域のみんなに愛される経営を目指しています。
王 一郎
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【2】人気ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」はなぜ函館なのか!
「ラッピ」の王一郎社長は神戸まれの中国人だ。1942年生まれで72歳になる。1969年
に旅行で函館を訪れたのを機に函館が好きになり、移住したと言う変わり者だ。商売
の才覚を発揮していろいろ特徴のあるパブを7店舗まで増やしたが、成功とまでは行
かなかった。
王社長は食材の宝庫である北海道の地の利を生かすことを考え、1987年にハンバーガ
ーショップ、「ベイエリア1号店」をオープンした。45歳のときである。この「ベイ
エリア1号店」が本店と言う位置付けになっている。現在娘の王未来(みく)氏が副
社長として社長の参謀格も努めている。
【3】大手の真逆をいく経営戦略!
大手は前述したように「効率化」を優先する経営だが、「ラッピ」は大手の真逆をい
く戦略を採っている。
□ いかにも多すぎるメニューの数々
北海道ならではのジンギスカンバーガーやホタテバーガーも人気だ。パスタもある。
だがミートソースだけだ。後は何をトッピングするかで7種類のパスタになる。カレ
ーのルーも販売している。おなじみさんは鍋を持参でカレーのルーを買いにくる。
カツ丼やラーメンもある。結局全部で100以上のメニューになるが、何をトッピング
するかで種類を増やしているからそれほどコスト高にはならないように一応工夫され
ている。
□ 仕入コストを惜しまない
通常レストランや大手ハンバーガーチェーンの原
材料費は35%程度だが「ラッピ」は
50%を若干越えている。しかも食材の85%は地元北海道産だ。王社長は売上が増えて
いけば高原価は許されると考えている。
まず「美味しい」こと、次に「安全である」こと、そして「楽しく食事ができたり、
驚きや感動がある」ことで売上は増やせると考えている。まったくその通りだ。
□ 回転率も機にしない
大手チェーンはお客様に直ぐ食べて、一息つく間もなくお帰り頂き、次のお客を迎え
る。回転率は「効率化」の生命線なのだ。
だが「ラッピ」はお客からの注文を受けてから調理し始める。少々お待ち頂くことを
お客様に承知して頂いているのだ。お客様も「待っても食べたい」と待つことを苦に
しない。むしろお待ち頂くことが「ラッピ」の「ブランド」にもなっているのだ。
これら三つの戦略が「ラッピ」の地域一番作りの社風になっているのだ。
【4】独自のサーカス団員制度で顧客生涯価値(LTV)を高める!
お店では「スーパースターの○○様がご来店です」と大きな声が響くことがある。
「ラッピ」には独自のサーカス団員制度なる差別制度(?)があるのだ。
□ 準団員 → 還元率3%
□ 正団員 → 還元率4%
□ スター団員 → 還元率5%
□ スーパースター団員 → 還元率6%
4万8千円の購入に達するとランクが一つずつ上がるシステムだ。そしてスーパースタ
ー団員は現在3,000人近くいて、このお客様で売上全体の7割を稼いでいると言うのだ。
例えば月4,000円食べてくれるお客様が一年間(12ケ月)きてくれて、向こう40年間通
ってくれると仮定しよう。
4,000円×12×40年=192万円 となる。これを顧客生涯価値(LTV:Life Time
Value)と称する。「ラッピ」は超常連客をどうやって増やすかに命を懸けているの
だ。例えば各店舗にはいろいろな特徴を作り、いかに口コミしてもらうかを考えてい
る。中にはメリーゴーランドを設置している店舗まである。このお店は子供連れでご
った返す。
【5】編集後記
「ラッピ」は、例えば東京原宿へは進出しない。地域位一番を目指す戦略を変えるつ
もりはないからだ。ちなみにトヨタ自動車の機関誌に「ラッピ」のことが紹介されて
いる。業種・業態は違うが、トヨタも地域一番を戦略に掲げているからだろう。
地域一番の片鱗は自動車学校にも現れている。校長は「皆様、合格おめでとうござい
ます。ささやかではありますが・・・」と言いながら「ラッピ」のお食事券を提供す
る。合格すると「ラッピ」のお食事券がもらえることを口コミで知ってきてくれる生
徒もいる。知らないできた生徒ももちろん大喜びだ。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
<今回は、テレビ東京のカンブリア宮殿も参考にさせていただいた>
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3223898301@jcom.home.ne.jp
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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シリーズ「よい社風の確立で仕事のできる人の集団を作る!」
<第437回>[(第14話)「函館で大人気のハンバーガーチェーン“ラッピ”の社風!」]
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「よい社風の確立で仕事ので
きる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、人
事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】人気ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」はなぜ函館なのか!
【3】大手の真逆をいく経営戦略!
【4】独自のサーカス団員制度で顧客生涯価値(LTV)を高める!
【5】編集後記
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ハンバーガーの王者マグドナルドにはたくさん集客してたくさん売る経営スタイルが
定着している。だから店舗運営は「効率化」がキーワードだ。食材も大量仕入れで価
格を下げ、工場で調理して各店舗に配送する。注文するや1分もしなううちにトレー
にハンバーガーと飲み物が乗る。お客様は急いで食べ、すぐさま帰るから回転率が高
く効率がいいわけだ。
函館だけで16店舗を運営する「ラッキーピエロ」と言うハンバーガーチェーンがある。
連日のように行列ができるそうだ。地元函館では「ラッピ」の愛称で親しまれている。
「ラッピ」は注文を受けてから調理に入るから少々時間がかかる。お客様は「待って
も食べたいほど美味しい」と誰も不平不満を言う人はいない。
函館は人口27万5千人の商圏だ。決して大きくはない。函館にはマグドナルドが5店舗、
モスバーガーが3店舗、その他が各1店舗で全部で10店舗ある。しかし、「ラッピ」は
16店舗もあり、年間180万人を呼び込む圧倒的な強さだ。
今回は「ラッピ」と言う函館だけにあるハンバーガーチェーンの「地域一番」に君臨
する社風について採り挙げる。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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ナショナルチェーン店のキーワードは「効率化」、つまり効率的な接客と価格を提供
していますが、ラッキーピエロは「効率化」の競争はしません。お客様の心に触れる
部分をうまく表現して地域のみんなに愛される経営を目指しています。
王 一郎
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【2】人気ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」はなぜ函館なのか!
「ラッピ」の王一郎社長は神戸まれの中国人だ。1942年生まれで72歳になる。1969年
に旅行で函館を訪れたのを機に函館が好きになり、移住したと言う変わり者だ。商売
の才覚を発揮していろいろ特徴のあるパブを7店舗まで増やしたが、成功とまでは行
かなかった。
王社長は食材の宝庫である北海道の地の利を生かすことを考え、1987年にハンバーガ
ーショップ、「ベイエリア1号店」をオープンした。45歳のときである。この「ベイ
エリア1号店」が本店と言う位置付けになっている。現在娘の王未来(みく)氏が副
社長として社長の参謀格も努めている。
【3】大手の真逆をいく経営戦略!
大手は前述したように「効率化」を優先する経営だが、「ラッピ」は大手の真逆をい
く戦略を採っている。
□ いかにも多すぎるメニューの数々
北海道ならではのジンギスカンバーガーやホタテバーガーも人気だ。パスタもある。
だがミートソースだけだ。後は何をトッピングするかで7種類のパスタになる。カレ
ーのルーも販売している。おなじみさんは鍋を持参でカレーのルーを買いにくる。
カツ丼やラーメンもある。結局全部で100以上のメニューになるが、何をトッピング
するかで種類を増やしているからそれほどコスト高にはならないように一応工夫され
ている。
□ 仕入コストを惜しまない
通常レストランや大手ハンバーガーチェーンの原材料費は35%程度だが「ラッピ」は
50%を若干越えている。しかも食材の85%は地元北海道産だ。王社長は売上が増えて
いけば高原価は許されると考えている。
まず「美味しい」こと、次に「安全である」こと、そして「楽しく食事ができたり、
驚きや感動がある」ことで売上は増やせると考えている。まったくその通りだ。
□ 回転率も機にしない
大手チェーンはお客様に直ぐ食べて、一息つく間もなくお帰り頂き、次のお客を迎え
る。回転率は「効率化」の生命線なのだ。
だが「ラッピ」はお客からの注文を受けてから調理し始める。少々お待ち頂くことを
お客様に承知して頂いているのだ。お客様も「待っても食べたい」と待つことを苦に
しない。むしろお待ち頂くことが「ラッピ」の「ブランド」にもなっているのだ。
これら三つの戦略が「ラッピ」の地域一番作りの社風になっているのだ。
【4】独自のサーカス団員制度で顧客生涯価値(LTV)を高める!
お店では「スーパースターの○○様がご来店です」と大きな声が響くことがある。
「ラッピ」には独自のサーカス団員制度なる差別制度(?)があるのだ。
□ 準団員 → 還元率3%
□ 正団員 → 還元率4%
□ スター団員 → 還元率5%
□ スーパースター団員 → 還元率6%
4万8千円の購入に達するとランクが一つずつ上がるシステムだ。そしてスーパースタ
ー団員は現在3,000人近くいて、このお客様で売上全体の7割を稼いでいると言うのだ。
例えば月4,000円食べてくれるお客様が一年間(12ケ月)きてくれて、向こう40年間通
ってくれると仮定しよう。
4,000円×12×40年=192万円 となる。これを顧客生涯価値(LTV:Life Time
Value)と称する。「ラッピ」は超常連客をどうやって増やすかに命を懸けているの
だ。例えば各店舗にはいろいろな特徴を作り、いかに口コミしてもらうかを考えてい
る。中にはメリーゴーランドを設置している店舗まである。このお店は子供連れでご
った返す。
【5】編集後記
「ラッピ」は、例えば東京原宿へは進出しない。地域位一番を目指す戦略を変えるつ
もりはないからだ。ちなみにトヨタ自動車の機関誌に「ラッピ」のことが紹介されて
いる。業種・業態は違うが、トヨタも地域一番を戦略に掲げているからだろう。
地域一番の片鱗は自動車学校にも現れている。校長は「皆様、合格おめでとうござい
ます。ささやかではありますが・・・」と言いながら「ラッピ」のお食事券を提供す
る。合格すると「ラッピ」のお食事券がもらえることを口コミで知ってきてくれる生
徒もいる。知らないできた生徒ももちろん大喜びだ。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
<今回は、テレビ東京のカンブリア宮殿も参考にさせていただいた>
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次回に続く。
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