『
総務の森』コラムをご覧のみなさま
こんにちは!
合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。
プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
→
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/
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HR総研様の『
人事白書2014』の2箇所(育成関連および
人事
戦略関連)で、弊社サービスをご紹介いただきました。
→
https://www.hrpro.co.jp/hks_kyosan.php
併せてご覧いただければ幸いです。
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本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第168号(2014年11
月13日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。
<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>
============================================================
(前略)
先日 の『変化促進研究会』では、「タレント(talent; 優秀な人
財)と見なされる人々が共通して持つスキル」など、タレントにつ
いて書かれた部分を扱いました。
その中で、「単純作業をしている人物・チームの
業績評価は、比較
的やりやすいけれど、多くの要因が関係してくる管理職(例えば、
他者に働きかけ、その相手に現場で結果を出してもらう立場の人な
ど)の
業績評価については、どのように考えるのが適切だろう?」
といった話題も出ていました。
今回は、この辺りに関連した私見をいくつかご紹介できればと思い
ます。
■業績を支える5つのP
現在、『変化促進研究会』で扱っている、Claudio
Fernandez-araoz著 『It's Not the How or the What but the
Who: Succeed by Surrounding Yourself with the Best』には、
図表1で示したようなアイディアが書かれています。
図表1の内容を踏まえると、例えば、COO(Chief Operating
Officer:最高執行責任者)のような役割を担う人物は、その組織
独自の知識や多くの関係者とのつながりが求められるため、移籍や
転任には困難を伴うけれど、
CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)のように、異な
るビジネス環境であっても、「専門知識や技能」といった「特定の
定まった機能」が求められる人物であれば、より移籍や転任が容易
であることが理解しやすいのではないでしょうか。
(※自分自身の
キャリア開発について考える場合には、「さまざま
な技術開発が進み、大抵の『知識』は、誰でも簡単に入手できるよ
うになると共に、急速に廃れるようになってきている」という状況
に配慮が必要かもしれません。)
では、冒頭でご紹介していたような疑問、「管理職の
業績評価」に
ついては、どのように考えればよいのでしょうか?
図表1:業績は個人単独で生み出せない!
(業績を生じる「5P」の例)
■CEOが組織の業績に影響を及ぼす状況とは?
第9期『変化促進研究会』で扱っているテキストでは、「管理職の
業績評価」という話からもう少し焦点を絞って、「
CEO(Chief
Executive Officer:最高経営責任者)が、組織の業績に及ぼす影
響」に関する記述がありました。
「管理職の
業績評価」について考える際の参考になると思うのです
が、テキストに書かれた情報だけでは詳細が不明であったため、別
途、元の論文を当たってみました。その一部を自分なりにざっくり
整理したところ、次のような内容が含まれていたと理解しました。
------------------------------------------------------------
a) 従来、「組織の業績について考慮する際、
CEOの発揮するリーダ
ーシップは重要か?」という問いがあり、「リーダーシップ支持
派」は「組織のミッション、戦略、構造、文化などを左右する
CEOは、組織の業績に大きな影響を及ぼす」とし、他方、「リー
ダーシップ懐疑派」は「組織内政治、既存のシステム、
固定資産
への過去の投資、組織の慣例、競争圧力、参入障壁など、数多く
の要因が組織改革や戦略の変更、
CEOの活動を妨げるため、
CEOの
組織業績への影響は限られたものに止まる」として議論を繰り広
げてきた。
b) 「組織の業績」に影響を及ぼす外部要因として「年度」(金融
市場の状態やビジネス・サイクルの段階などといったマクロ経済
を反映する条件)と「産業(業界)」(切り替えに要する
費用、
固定資産への投資などといった市場勢力図を反映する条件)の2
つ、内部要因として「企業」(業界における、その組織に特有の
競争的優位性などを反映する条件)と「(CEOの)リーダーシ
ップ」(特定の
CEOが率いる組織の業績が、平均的業績と一線を
画しており、その組織の業績に影響を及ぼす取り組みに関わる意
思決定を、その
CEOが行ったなどといった条件)の2つを取り上
げ、42業界、531社、19年分のデータを用いて調査を行った。
c) 調査結果によると、例えば、「通信機器を扱う業界では、
CEOの
リーダーシップが組織の業績に21%の影響を及ぼす」が「食肉を
扱う業界では、2%の影響に止まる」など、「業界によって、
CEO
のリーダーシップが組織業績に及ぼす影響の大きさが異なる」こ
とが明らかとなった。
→コンテクスト(状況、前後関係)抜きで「リーダーシップは重
要か?」といった議論を繰り返すのではなく、「リーダーシッ
プが重要となるコンテクスト」に意識を向けることが重要!
d) a)で触れたように、これまでの議論は、「リーダーシップは重
要か?」という問いに基づいたものであったが、その問いを「リ
ーダーシップが重要なのは、どのような状況か?」に変更して調
査した結果、リーダーシップ支持派と懐疑派の対立は消失した。
結果概要は、図表2の通り。(中略)
図表2:CEOが組織の業績に影響を及ぼす状況とは?
e) 「組織の業績」に影響を及ぼす4つの要因については、「企業」
(32.8%)、「産業(業界)」(15.5%)、「(CEOの)リー
ダーシップ」(13.5%)、「年度」(5.2%)といった割合が得
られた。(…リーダーシップの13.5%という数値は平均値であっ
て、業界によっては、40%前後を示す場合もあった。)
[ 出典:Noam Wasserman, Nitin Nohria, and Bharat N. Anand,
“When Does Leadership Matter? The Contingent
Opportunities View of
CEO Leadership”, Working Paper No.
01-063, January 2001 (Boston: Harvard Business School,
April 2001). →Later published as Ch. 2 in The Handbook
of Leadership Theory and Practice, 2010. の内容を基に、合
同会社5W1Hにて作成 ]
------------------------------------------------------------
あなたは、a) ~ e) をご覧になって、どんなことを考えられたで
しょうか?
私の場合には、a) やb) といった話に関しては詳しくなく、特にニ
ューズレターを通してお伝えできるようなものはないかもしれませ
ん。ただ、c) ~ e) に関しては、多少お伝えできることもあるよ
うに思いますので、次段でご紹介しようと思います。
■コンテクスト × 適切な質問 × レバレッジ
まずc) については、「コンテクストに配慮することの重要性」に
関する話と解釈しました。
すると、冒頭の「『業績』は『個人』単独では生み出せない」とい
う話と繋がるだけでなく、ニューズレター第139号「システム思考
と動的な質問力; コンテンツだけマネても役に立たない理由」で
ご紹介していた、「『コンテンツ』だけで『価値』は生み出せない」
という図、「適切な『コンテクスト』で、適切な『質問フレーズ』
を用いてはじめて、『質問力』が効力を発揮する」という主張との
類似性が頭に浮かびます。
図表3:コンテンツだけで価値は生み出せない!
続いて、d) です。d) に関しては、「適切な質問を選ぶことが大切」
と解釈しました。何年も「フレームワーク質問力(R)」の研修など
を実施してきていると、「質問をする」こと自体はできていても、
その質問が「自分の個人的な好奇心を満たすだけの質問」であって、
会話/対話の目的達成に役立たず、「質問力があるとは言えない」
という演習実施状況に何度も遭遇します。
「質問が適切かどうかを吟味する」ことなく、頭に浮かんだ質問を
そのまま発しているだけでは、対人関係も場の雰囲氣も悪くなって
しまいかねません。
そういった事態を避け、「課題解決に役立つ思考法と共に、望まし
いコミュニケーションの在り方について学ぶ」のが上記研修となっ
ています。
例えば、d) で出ていた質問フレーズの例で、「リーダーシップは
重要か?」というものがありますね。 弊社の「フレームワーク質
問力(R)」研修のような場面であれば、私はその質問フレーズを発
した人に、「それを尋ねて、その後、あなたは何をどうするの?」
と質問するかもしれません。
やはり、「リーダーシップは重要か?」という質問を選ぶか、「リ
ーダーシップが重要なのは、どのような状況か?」という質問を選
ぶかというのは、関係者や成果に大きな違いをもたらすのではない
でしょうか?
そして、e) です。 この件に関して思ったのは、「『
CEOのリーダ
ーシップ』は組織の業績にとって、唯一重要な要因というわけでは
ないけれど、この調査で取り上げた4つの要因の内で、『最もコン
トロールが容易なもの』であることは確かだ!」ということでした。
例えば、上記でお伝えしていたような「適切な質問」が行えるよう
学習と経験を積んだコーチに、
CEOの定期的・持続的なコーチング
を依頼することで対処することも可能です。
また、「思考の習慣病」や「内省」などについて
CEO自身が学び、
より望ましいリーダーになっていくのを選ぶことも可能です。
e) の内容を踏まえると、「
CEOのリーダー学習」に対して「適切な
投資」を行うことは、「組織業績の向上」を考える上で「非常にレ
バレッジ効果が高い」ように思えるのですが、あなたの組織ではど
のような形でどの程度実施されているでしょうか?
さらに、「『
CEOのリーダーシップ』が望ましい方向に変わって行
けば、『組織の業績』に影響を及ぼす最大要因である『企業』
(32.8%)についても、ジワジワ好影響を及ぼせるようになってい
くことが期待できるのではないか?」とも考えました。
あなたはどのようにお考えになるでしょうか?
さて今回は、先日の『変化促進研究会』から始め、「管理職の業績
評価」について考えるためのヒントになればと、「CEOが組織の
業績に影響を及ぼす状況」に関する研究結果の紹介と、その内容に
関する私見についていくつかご紹介して参りました。
あなたは、どういったことを考えたり、感じられたりしたでしょう
か? 是非、仕事で関係していらっしゃるみなさんと話し合ってみ
てくださいね!
(後略)
============================================================
冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。
●ニューズレター第168号
「リーダーシップは重要か?」と尋ねて、どうするの?
業績を支える「5P」?
→
http://5w1h.hatenablog.jp/entry/168(ブログ版)
→
http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no168.pdf(PDF版)
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出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
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以上、何か少しでも、『
総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。
お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!
高野潤一郎@
合同会社5W1H
P.S.1
参加者募集中です♪
●11月22日(土)~23日(日)
01月22日(木)~23日(金)
フレームワーク質問力(R)
http://www.5w1h.co.jp/pl/saimf.html
●12月7日(日)[ほか、月1回開催]
【 教養醸成の会 】
http://www.5w1h.co.jp/pl/CGG.html
次回は、「日本近代史」をテキストに用います。
●【 早割:12月12日(金)まで 】
2015年2月21日(土)スタート
合同会社5W1H流「コーチング学習プログラム」
http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html
●12月28日(日)~29日(月)
2日間「コーチング漬け」体験
http://www.5w1h.co.jp/pl/two_days_coaching.html
●12月30日(火)
【目標設定】セミナー:舵取りコミットメント(個人篇)
http://www.5w1h.co.jp/pl/i-commit.html
●第10期(2015年1月開始)の
【 変化進研究会 】参加者を募集中です!
http://www.5w1h.co.jp/pl/CLV.html
第10期テキスト
『The Moment of Clarity: Using the Human Sciences to
Solve Your Toughest Business Problems』
●2015年1月16日(金)
チームで人財を育成する
『ファクト・ベイスト・フィードバック』
~現場・面談で学び合い、業績向上につなげるコミュニケーシ
ョン~
http://www.5w1h.co.jp/pl/feedback.html
●その他、今後のイベント一覧↓ です。
http://www.5w1h.co.jp/event.html
P.S.2
もし『図表』を用いた解説も多い弊社発信情報にご興味をお持ち
いただけたようでしたら、下記もご覧になってみてください。
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http://www.5w1h.co.jp/newsletter.html
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「自律共栄の納得人世」の実現に向け、
「人財と組織の育成を支援」する
合同会社5W1H
代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]
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(前略)
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その中で、「単純作業をしている人物・チームの業績評価は、比較
的やりやすいけれど、多くの要因が関係してくる管理職(例えば、
他者に働きかけ、その相手に現場で結果を出してもらう立場の人な
ど)の業績評価については、どのように考えるのが適切だろう?」
といった話題も出ていました。
今回は、この辺りに関連した私見をいくつかご紹介できればと思い
ます。
■業績を支える5つのP
現在、『変化促進研究会』で扱っている、Claudio
Fernandez-araoz著 『It's Not the How or the What but the
Who: Succeed by Surrounding Yourself with the Best』には、
図表1で示したようなアイディアが書かれています。
図表1の内容を踏まえると、例えば、COO(Chief Operating
Officer:最高執行責任者)のような役割を担う人物は、その組織
独自の知識や多くの関係者とのつながりが求められるため、移籍や
転任には困難を伴うけれど、
CFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)のように、異な
るビジネス環境であっても、「専門知識や技能」といった「特定の
定まった機能」が求められる人物であれば、より移籍や転任が容易
であることが理解しやすいのではないでしょうか。
(※自分自身のキャリア開発について考える場合には、「さまざま
な技術開発が進み、大抵の『知識』は、誰でも簡単に入手できるよ
うになると共に、急速に廃れるようになってきている」という状況
に配慮が必要かもしれません。)
では、冒頭でご紹介していたような疑問、「管理職の業績評価」に
ついては、どのように考えればよいのでしょうか?
図表1:業績は個人単独で生み出せない!
(業績を生じる「5P」の例)
■CEOが組織の業績に影響を及ぼす状況とは?
第9期『変化促進研究会』で扱っているテキストでは、「管理職の
業績評価」という話からもう少し焦点を絞って、「CEO(Chief
Executive Officer:最高経営責任者)が、組織の業績に及ぼす影
響」に関する記述がありました。
「管理職の業績評価」について考える際の参考になると思うのです
が、テキストに書かれた情報だけでは詳細が不明であったため、別
途、元の論文を当たってみました。その一部を自分なりにざっくり
整理したところ、次のような内容が含まれていたと理解しました。
------------------------------------------------------------
a) 従来、「組織の業績について考慮する際、CEOの発揮するリーダ
ーシップは重要か?」という問いがあり、「リーダーシップ支持
派」は「組織のミッション、戦略、構造、文化などを左右する
CEOは、組織の業績に大きな影響を及ぼす」とし、他方、「リー
ダーシップ懐疑派」は「組織内政治、既存のシステム、固定資産
への過去の投資、組織の慣例、競争圧力、参入障壁など、数多く
の要因が組織改革や戦略の変更、CEOの活動を妨げるため、CEOの
組織業績への影響は限られたものに止まる」として議論を繰り広
げてきた。
b) 「組織の業績」に影響を及ぼす外部要因として「年度」(金融
市場の状態やビジネス・サイクルの段階などといったマクロ経済
を反映する条件)と「産業(業界)」(切り替えに要する費用、
固定資産への投資などといった市場勢力図を反映する条件)の2
つ、内部要因として「企業」(業界における、その組織に特有の
競争的優位性などを反映する条件)と「(CEOの)リーダーシ
ップ」(特定のCEOが率いる組織の業績が、平均的業績と一線を
画しており、その組織の業績に影響を及ぼす取り組みに関わる意
思決定を、そのCEOが行ったなどといった条件)の2つを取り上
げ、42業界、531社、19年分のデータを用いて調査を行った。
c) 調査結果によると、例えば、「通信機器を扱う業界では、CEOの
リーダーシップが組織の業績に21%の影響を及ぼす」が「食肉を
扱う業界では、2%の影響に止まる」など、「業界によって、CEO
のリーダーシップが組織業績に及ぼす影響の大きさが異なる」こ
とが明らかとなった。
→コンテクスト(状況、前後関係)抜きで「リーダーシップは重
要か?」といった議論を繰り返すのではなく、「リーダーシッ
プが重要となるコンテクスト」に意識を向けることが重要!
d) a)で触れたように、これまでの議論は、「リーダーシップは重
要か?」という問いに基づいたものであったが、その問いを「リ
ーダーシップが重要なのは、どのような状況か?」に変更して調
査した結果、リーダーシップ支持派と懐疑派の対立は消失した。
結果概要は、図表2の通り。(中略)
図表2:CEOが組織の業績に影響を及ぼす状況とは?
e) 「組織の業績」に影響を及ぼす4つの要因については、「企業」
(32.8%)、「産業(業界)」(15.5%)、「(CEOの)リー
ダーシップ」(13.5%)、「年度」(5.2%)といった割合が得
られた。(…リーダーシップの13.5%という数値は平均値であっ
て、業界によっては、40%前後を示す場合もあった。)
[ 出典:Noam Wasserman, Nitin Nohria, and Bharat N. Anand,
“When Does Leadership Matter? The Contingent
Opportunities View of CEO Leadership”, Working Paper No.
01-063, January 2001 (Boston: Harvard Business School,
April 2001). →Later published as Ch. 2 in The Handbook
of Leadership Theory and Practice, 2010. の内容を基に、合
同会社5W1Hにて作成 ]
------------------------------------------------------------
あなたは、a) ~ e) をご覧になって、どんなことを考えられたで
しょうか?
私の場合には、a) やb) といった話に関しては詳しくなく、特にニ
ューズレターを通してお伝えできるようなものはないかもしれませ
ん。ただ、c) ~ e) に関しては、多少お伝えできることもあるよ
うに思いますので、次段でご紹介しようと思います。
■コンテクスト × 適切な質問 × レバレッジ
まずc) については、「コンテクストに配慮することの重要性」に
関する話と解釈しました。
すると、冒頭の「『業績』は『個人』単独では生み出せない」とい
う話と繋がるだけでなく、ニューズレター第139号「システム思考
と動的な質問力; コンテンツだけマネても役に立たない理由」で
ご紹介していた、「『コンテンツ』だけで『価値』は生み出せない」
という図、「適切な『コンテクスト』で、適切な『質問フレーズ』
を用いてはじめて、『質問力』が効力を発揮する」という主張との
類似性が頭に浮かびます。
図表3:コンテンツだけで価値は生み出せない!
続いて、d) です。d) に関しては、「適切な質問を選ぶことが大切」
と解釈しました。何年も「フレームワーク質問力(R)」の研修など
を実施してきていると、「質問をする」こと自体はできていても、
その質問が「自分の個人的な好奇心を満たすだけの質問」であって、
会話/対話の目的達成に役立たず、「質問力があるとは言えない」
という演習実施状況に何度も遭遇します。
「質問が適切かどうかを吟味する」ことなく、頭に浮かんだ質問を
そのまま発しているだけでは、対人関係も場の雰囲氣も悪くなって
しまいかねません。
そういった事態を避け、「課題解決に役立つ思考法と共に、望まし
いコミュニケーションの在り方について学ぶ」のが上記研修となっ
ています。
例えば、d) で出ていた質問フレーズの例で、「リーダーシップは
重要か?」というものがありますね。 弊社の「フレームワーク質
問力(R)」研修のような場面であれば、私はその質問フレーズを発
した人に、「それを尋ねて、その後、あなたは何をどうするの?」
と質問するかもしれません。
やはり、「リーダーシップは重要か?」という質問を選ぶか、「リ
ーダーシップが重要なのは、どのような状況か?」という質問を選
ぶかというのは、関係者や成果に大きな違いをもたらすのではない
でしょうか?
そして、e) です。 この件に関して思ったのは、「『CEOのリーダ
ーシップ』は組織の業績にとって、唯一重要な要因というわけでは
ないけれど、この調査で取り上げた4つの要因の内で、『最もコン
トロールが容易なもの』であることは確かだ!」ということでした。
例えば、上記でお伝えしていたような「適切な質問」が行えるよう
学習と経験を積んだコーチに、CEOの定期的・持続的なコーチング
を依頼することで対処することも可能です。
また、「思考の習慣病」や「内省」などについてCEO自身が学び、
より望ましいリーダーになっていくのを選ぶことも可能です。
e) の内容を踏まえると、「CEOのリーダー学習」に対して「適切な
投資」を行うことは、「組織業績の向上」を考える上で「非常にレ
バレッジ効果が高い」ように思えるのですが、あなたの組織ではど
のような形でどの程度実施されているでしょうか?
さらに、「『CEOのリーダーシップ』が望ましい方向に変わって行
けば、『組織の業績』に影響を及ぼす最大要因である『企業』
(32.8%)についても、ジワジワ好影響を及ぼせるようになってい
くことが期待できるのではないか?」とも考えました。
あなたはどのようにお考えになるでしょうか?
さて今回は、先日の『変化促進研究会』から始め、「管理職の業績
評価」について考えるためのヒントになればと、「CEOが組織の
業績に影響を及ぼす状況」に関する研究結果の紹介と、その内容に
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か? 是非、仕事で関係していらっしゃるみなさんと話し合ってみ
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についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。
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範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
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お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!
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01月22日(木)~23日(金)
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2015年2月21日(土)スタート
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