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惣菜を求めて行列のできる小さなスーパーの原点は!

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     シリーズ「第二創業の実践の中で仕事のできる人の集団を作る!」

  <第452回>[(第12話)「惣菜を求めて行列のできる小さなスーパーの原点は!」]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性に
ついて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは「第二創業の実践の中で仕事
のできる人の集団を作る!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介
していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】7000万円の借金を抱えてスーパーを開店!
【3】料理が得意な妻の発案で惣菜、これが当たる!
【4】60社以上もの経営者が勉強に訪れて!
【5】編集後記

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今、倒産するスーパーは多い。お客様が店まで買いにきてくれないのだ。なぜならお
年よりは足腰が弱っていてお店まで行けない。だから宅配便に頼らざるを得ない。一
人住まいのお年よりも多く料理を作るのさえもわずらわしいのだ。

そんな中、開店前から惣菜を求めて行列のできる小さなスーパーがある。そこは仙台
の奥座敷、秋保温泉にある。人口は4000人。年商は7億円ほどだ。お店の名前は「スー
パーさいち」で、79歳の老夫婦が経営している。従業員は40人ほどだ。

今、惣菜の市場は8兆円に膨らんでいる。「スーパーさいち」もかつてどん底の時代
があった。だがひょんなことから惣菜を始めた。これが当たった。もし惣菜に気付
かなかったならとっくに倒産していただろうと老夫婦は考える。

今回は惣菜で「第二創業」を成功させた「スーパーさいち」を採り挙げる。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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「悔いのないように、できることは何でもやろう」と夫婦で約束した。


       佐藤啓二


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【2】7000万円の借金を抱えてスーパーを開店!

佐藤啓二氏は配達業を営んでいた。しかし競争が厳しい。値引き、値引きで利益なき
繁忙が続く。いつしか借金は7000万円に膨らんだ。こんなことをやっていては一家破
滅だ。

遡ること35年前、佐藤夫妻は小さなスーパーを始めた。開店したばかりのときはお客
様がきてくれた。上々の滑り出しのように思えた。一ケ月もしないうちにお客様の足
は途絶えた。車で仙台市内のスーパーに買いに行くほうが安いからだ。負けじと値段
を下げた。しかし、大手に比べて仕入量が少ないからバイイングパワーなど発揮でき
ない。

利益が出るはずもなかった。人件費を抑えるため、やむなく子供たちを店に駆り出し
てレジを打たせたりした。子供の学校からの集金も滞るばかりだった。正に風前の灯
だった。



【3】料理が得意な妻の発案で惣菜、これが当たる!

野菜がしなびたり、腐れば廃棄だ。売れ残りは頭の痛い問題だった。そんな時専務の
妻(澄子氏)が「おひたしにしてパッ策詰めしたら売れないかしら」と言い出した。
試してみた。「悔いのないようにやれることは何でもやろう」と約束していたから。
そしたら夕方を待たずに全部売り切れた。35年も前に惣菜にして販売するビジネスは
まだなかった。近所のお客様から「これ、助かるっちゃ」と感謝された。

「スーパーさいち」の一番人気は「おはぎ」だ。一個100円。糖度を抑えてしかも保
存料は使っていない。賞味期限はたった1日だ。玉子焼き、キンピラ、煮物など、こ
れまで開発したメニューは500種類にも及ぶ。「我が家の惣菜のほうが旨い」と皮肉
を言われたこともある。しょっぱすぎるの甘すぎるのと言った批判も浴びた。妻は恥
ずかしがらずにお客様に問い合せて意見を吸収し、信頼を勝ち取っていった。

35人の惣菜部門を専務である妻が取り仕切る。ベテラン従業員に100点挙げてもいい
ほどの味付けでもあえて80点と言う。そう言わないと頑張らなくなるのが怖いのだと
言う。妻は3時に起きて仕込みに入る。社長の啓二氏は5時に起きて店の前の掃除から
始める。100m先のバス停まで掃除する。「常にきちっと」がモットーなのだ。掃除
が終われば陳列の仕事が待っている。

9時開店だが、開店前から長蛇の列ができる。お客様は地元の人たちだけではない。
うわさを聞いて全国から来てくれる。厨房ではモニターを見ながら棚が空になる前に
補充の準備に追われる。夕方5時半には全ての惣菜を半額にして売り切る。夫妻は6時
に夕食の時間を迎える。ここでも夫婦の会話は仕事の話しが多い。



【4】60社以上もの経営者が勉強に訪れて!

埼玉県を中心にドミンナト展開している大手スーパーヤオコーではおはぎの習得のた
めに社員を派遣した。教えを請うスーパーがあれば快く受け入れる度量がある。学ん
だとおりの製法でヤオコーの各店舗でもおはぎを販売している。

これまで60社以上が「スーパーさいち」を訪れて勉強しているそうだ。中には観光バ
スを仕立てて勉強に来る集団もある。佐藤夫妻はバスに乗り込んで講演をやる。みん
な小さな奇跡がほしいのだ。

500種類ものメニューに挑戦してきた妻は「お客さんと競争だっちゃ」と経験談を話す。
今、フルーツの盛り付けを再び陳列すべく挑戦している。「フルーツは売り場の華だ
から」と。

NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で「プロフェッショナルとは」と質問され
た。社長の啓二氏は「目標を決めたらまっしぐらに突き進む人」、専務の妻は「お客
さん一人ひとりを喜ばせることのできる人」と答えた。シンプルな答えだが、実はこ
れが難しい。



【5】編集後記

スーパー開店から35年の歳月が過ぎた。妻は心臓発作の持病を抱えている。開店して
間もない頃が一番どん底だったが、そんな時妻が倒れた。医者に「安静」と言われた
のに3日で退院して店に出た。すごい根性の持ち主だ。

今ペースメーカーを入れているが、それでもへこたれない。キンピラ作りの達人、小
野寺敏夫氏を惣菜の責任者にすべく指導を始めたが、期待通り伸びてくれるか試練の
時を迎えている。佐藤夫妻は生涯現役を目指している。敬服だ。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=

今回はNHKの「プロフェッショナル、仕事の流儀」も参考にさせていただいた。


第二創業に挑戦したい企業様からのご連絡をお待ちします。


コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp



次回に続く。



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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
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