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【参考】新型コロナウイルスに関する社内案内文例

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業、電力会社、小売企業等で勤務又は請負い、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。
 さらに、文末のように令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、2月26日文書を元に新型コロナウイルスの案内文例を共有します。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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【参考】新型コロナウイルスに関する社内案内文例
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 産業医として、従業員に予防対策の周知をすることは多いですが、「新型コロナウイルス感染症の対応について(最終更新日令和2年2月26日)」を元に、産業医の観点であれば、どういった周知文になるかを例示したいと思います。
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html
 参考にご活用ください。
 なお、行政が発行した文書は、総合的な判断に基づいていると思われます。以下の文は、産業医が会社の従業員に周知する際の、実務的な表現であることをご理解ください。

◎新型コロナウイルスについて
一般的なコロナウイルス(ヒトコロナウイルスHKU1等)は、風邪の原因ウイルスの1つであり、感染力が強く、適切な予防対策を行っていても感染する可能性はあります。皆様も過去に感染した可能性はありますし、基礎疾患がある人にとっては重症化の原因になるものです。あまりにも一般的なウイルスであるため、系統だった疫学的なデータ収集は現在の科学では不可能なため、致死率等の詳細データは不明です。
今回の新型コロナウイルスは、一般的なコロナウイルスと遺伝子の形質が異なり、不明な点が多いため、弊社としても「新型コロナウイルス感染症の対応について(最終更新日令和2年2月26日)」(以下「2月26日文書」という。)を元に、通常より予防的な対策を行いますので、「正しく恐れる」を原則として、対応してください。また、不明な点がありましたら、〇〇〇(産業医等の産業保健業務従事者につながる窓口を案内するとよいでしょう。)にお問い合わせください。
なお、対策については、2月26日文書にもありますように、新型コロナウイルス感染症の今後の感染の広がりや重症度を見ながら適宜見直すこととしています。 
【ポイント】
 最初に疾病というハザードについて説明すると良いでしょう。不明な点が多い場合については、その旨をしっかりと明示し、それに対する企業側のスタンスを示すことが大事です。客観的数値や公表データに基づく情報発信が重要です。
 また、不明な点が含まれる対策の場合、方向転換が必要となることは多々あります。適宜見直すことは、最初に説明しておくことが良いでしょう。

◎三次予防について
 症状がある場合は、適切に医師の意見に基づいて適切な加療等を受けてください。
 ただし、医療機関に感染疑いの方が殺到した場合に、医療体制が滞るリスクから、2月26日文書では次の様に、案内が出ています。皆様も、ご配慮、ご協力をお願いします。
○帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することはお控えください。
○医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。
○次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。
 (解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合
○センターでご相談の結果、新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。マスクを着用し、公共交通機関の利用を避けて受診してください。
○なお、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、 インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください。
【ポイント】
 企業が行う個人の健康管理に関する三次予防は、速やかな社会福祉サービスにつなげることです。医療機関を設置していない会社が三次予防に関与する場合は、医師法への抵触や悪化した場合の責任問題が発生するおそれがありますので、注意しましょう。
行政等の案内を周知し、適切な対応を取るように説明すると良いです。

◎二次予防について
 二次予防については、弊社としては、以下の症状がある場合に、〇〇〇(例としてテレワーク等が挙げられますが、企業ごとに事情が異なりますので、産業医及び衛生委員会の意見を元に、企業ごとに具体的に定めてください。)の対応を取ってもらうための体制整備を行っています。
 2月26日文書においても、次の様に案内されています。決して無理をすることがないように、早目の対応に心がけてください。また、症状が続く場合、症状が増強する場合は、「三次予防について」に基づいて、適切な対応をとってください。
○国民の皆様においては、風邪のような症状がある場合は、学校や仕事を休み、外出を控えるとともに、手洗いや咳エチケットの徹底など、感染拡大防止につながる行動にご協力をお願いします。特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方については、人込みの多いところはできれば避けていただくなど、感染予防に御注意いただくよう、お願いいたします。
【ポイント】
 二次予防は、具体的な対策になるため、産業医及び衛生委員会の意見が最も重要になります。一般的に広まっている方法を導入したとして、それが原因で、身体的だけでなく、精神的や社会的に従業員を不健康にすることになれば、安全配慮義務違反が問われます。例えば、テレワークを導入したが、テレワークのネットワークに構造上入れない人がいて、業務が過少になったり、社内コミュニケーションが取れない事態になった場合は、パワハラの過少な要求や人間関係からの切り離しに該当することになってしまいます。
 産業医及び衛生委員会を活用し、適切な対応及び社内コンセンサスの確保に努めてください。
 また、二次予防で対策が不十分である場合は、速やかに三次予防に移ってもらうように案内することも重要です。

◎一次予防について
 一次予防については、2月26日文書に次の様に、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に、咳エチケットや手洗い等が重要です。厚生労働省のインフルエンザQ&Aでは、外出後の手洗い等、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、人混みや繁華街への外出を控える等が紹介されています。
 弊社では、具体的な対策として〇〇〇(二次予防についてと同様に、産業医及び衛生委員会の意見を元に、企業ごとに具体的に定めてください。)の体制を整えました。ご理解、ご協力をお願いします。
○国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。
【ポイント】
 一次予防は、産業医衛生委員会の意見に基づいて、咳エチケットや手洗い等の一般的な予防対策の周知をおこなうと良いです。注意点として、うがいは浸透圧の関係で真水での実施を控え(粘膜が傷つくおそれがあります。)、生理食塩水でのうがいを勧奨することが大事です。また、マスクはウイルスのサイズのものを通過しますが、ウイルスは人間の飛沫(つば)に覆われていないと乾燥して感染力がなくなりますので、飛沫をブロックするマスクは有効といえます。
 その他、具体的な対策については、二次予防と同様に産業医衛生委員会を活用し、適切な対応を行ってください。
 予防対策は三次から一次に分けた方が、実務上の理解はスムーズになることが多いです。是非、ご参考下さい。

【補足】イベントの開催について、社会医学系専門医の紹介
 2月26日文書では、「イベントの開催に関するお願い」というものが出ていますが、組織に対する安全配慮の考え方を水平展開すると、イベントを開催する場合は、適切にリスクアセスメントを行い、参加者にリスクの提示とそれに対する予防対策及びリスク顕在化時の対応を示し、開催することが必要です。
 専門家として、一般社団法人社会医学系専門医協会による社会医学系専門医制度では、「社会医学は、医学を共通基盤とし、臨床医学が病める個人へのアプローチを中心とするのに対し、実践的な個人へのアプローチを有しながらも、広範な健康レベルを有する集団や社会システムへのアプローチを中心とする特徴を有している。また医学に留まらず、科学全体やさらに経営管理等の人文系にわたる広範な学問体系を応用して理論と実践の両面から保健・医療・福祉・環境とそれらとの社会のあり方を追求する学問である。従って、社会医学を担う上での専門性を維持・向上させるためには、社会医学領域の専門医制度を構築するべきである。」という考えに基づき、感染症対策等に携わる人材を専門医として輩出しています。有効に活用されると良いでしょう。
http://shakai-senmon-i.umin.jp/

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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/

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