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できる人とできない人の差は!(第15話)医療スタッフ!

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          シリーズ「できる人とできない人の差は!」

         <第192回>[(第15話)医療スタッフ!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「できる人とでき
ない人の差は!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介してい
きます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「医療スタッフ!」
1.患者を殴る医者もいる!
2.患者様満足度を意識した医療スタッフ!
【3】職場のコンピテンシーを自己チェックする
【4】今日のポイント
【5】編集後記

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医療事故は相変わらずなくなりません。むしろ増加傾向にあります。

事故が発生するたびに院長たちのお詫び記者会見は恒例になりました。しかし、
決まって再発防止は「管理体制を強化する」です。

やるべきこと、マニュアルで決まっていることも遵守しないで何を持って管理体
制を強化するのでしょうか。


【1】心に刻んでおきたい言葉

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状況を変えたければまず自分たちを変えなければならない。そして自分たちを効
果的に変えるには、まず自分たちの知覚、ものの見方(パラダイム)そのものを
変える必要がある。

    スティーブン・R・コヴィー

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【2】メルマガ本論

[(第15話)医療スタッフ!]

医療機関に限らず仕事のマニュアル化を図ることは大事なことです。

しかし、多くの場合マニュアル化が目的になってしまい、マニュアルを遵守運用
して効果を上げることが置き去りになっているのです。

医師や看護士は厳しい試験に合格した人ばかりです。頭がよくて試験に受かる、
ただそれだけで資格を与えられ、医療行為に携わっているのです。

決め事を守る、人格コンピテンシーを磨くことは全くといってよいほど重要視さ
れていないのです。彼らの良心にだけ頼っているといっても過言ではないでしょ
う。

1.患者を殴る医者もいる!

「平成17年の8月1日に、手術中に患者を殴った医師」のことが大々的に報道
されました。滋賀県東近江市の滋賀病院で30代の男性医師が90代の女性患者
を殴って怪我をさせたとして三ケ月の停職処分になりました。

局部麻酔をしての手術中に「痛い」と声を上げたところ「じっとしとけ」、「だ
まっとけ」と暴言を浴びせ、その上患者の額を殴ったというものでした。

病院側の説明によりますとこの医師は以前から態度が横柄で苦情が複数寄せられ
ていたというのです。

人事院の指針」を盾に取り、この病院では医師の名前や診療科を明らかにして
いませんが、これも問題です。公表すべきです。

【おそまつな医療スタッフ】

診察中や手術中に患者が「痛い」などと騒ぐことは当たり前であり、よくあるこ
とでしょう。子供やお年寄りであればなおさらです。

そのような状況の中で、暴言を浴びせたり殴るなどとはもってのほかとしか言い
ようがありません。

しかもこの医師に対して複数の苦情が寄せられていたにもかかわらず病院側とし
て何の対応も取らなかったことは理解に苦しみます。

医師や看護士は腕がいいことは当然ですが、「顧客は誰か」をしっかりと認識す
るべきです。自分の顧客は「患者様」であるとの認識があればこのような行為は
できないはずです。

「患者を診てやっている」、「手術してやっている」という考えがあるから横柄
な態度が出てしまうのです。

つまり人格コンピテンシー、接客コンピテンシーが磨かれていないのです。自分
の仕事のミッション(使命)も分かっていないのです。

暴言や暴力に至らないまでも患者の切々たる症状の訴えに対して「歳を取ればみ
んなそうなるんですよ」と取り合わない医師は実際多いです。

これでは患者は何のために病院に来たのか分からなくなってしまうでしょう。
「患者様満足度」などみじんも考えていないのです。

このような医療スタッフのコンピテンシー評価は以下のようになります。

【「ビジネスマナー」⇒×、「第一印象度」⇒×、「親蜜性」⇒×、「コミュ
ニケーション力」⇒×、「ホスピタリティ力」⇒×、「専門知識」⇒○、「仕
事の正確さ」⇒△、「誠実さ」⇒×、「思いやり」⇒×、「共感性」⇒×】

今回の医師は以前から問題児であったにもかかわらず、病院側が教育訓練や厳
重注意するなどの処置は取っていませんでした。

患者を顧客と認識できない例は旧国鉄時代の職員にも当てはまります。切符を
売ってやっている。電車に乗せてやっているという横柄な態度でした。JRに
なってこれらが大幅に改善されたことは周知の通りです。

2.患者様満足度を意識した医療スタッフ!

今、患者様満足度を戦略に掲げて絶大な支持を集めている病院が多くなってき
ています。

患者様満足度の高い病院の上位には民間経営の病院が多く並んでいます。公立
病院とは一線を画した経営が随所に取り入れられているのです。

患者への情報開示、得意分野を明確に示した医療、落ち着ける設備など、およ
そ「病院らしくない病院の姿」があるのです。

(1)ホテル並みのホスピタリティを低料金で!

千葉県鴨川氏に亀田総合病院というのがあります。太平洋に面した暖色系の明
るいリゾートホテルを思わせる病院です。病院のカルチャーを変えたいとは亀
田信介院長の弁です。

一階のロビーには情報端末があり、「自分を診察してくれる医師はどんな人なの
か」、そのプロフィールを検索できるようになっています。しかしこの程度のサ
ービスはほんの序の口です。これまでの治療経過や投薬履歴が自宅で閲覧できる
プラネットという情報ネットワークが構築されています。

平成15年4月に完成したばかりの新病棟ではホテル並みのサービスを提供して
います。病室は全て海の見える個室。トイレとシャワーがあり、パソコンも常備
され、ベットの上で自分のカルテを見ることができます。

家族はいつでも自由にお見舞いでき、各フロアーには調理設備があり、家族の手
料理を食べることもできるようになっています。

それでいて差額ベット料金は一日1万円というから驚きます。

(2)トヨタ式カイゼンの民間病院

トヨタが直接経営する株式会社トヨタ記念病院も異色です。元々はトヨタの福利
厚生施設として誕生しましたが、当時ははっきり言って評判はよくありませんで
した。

いまは相当カイゼンされ、一般の患者が6~7割も占めています。

医療の質を向上させるためにトヨタ式カイゼン手法を取り入れ、数値目標を設定
して取り組んでいます。

週一回、院長の回診では「病院やスタッフに対して何か不満はございませんか。
何なりとおっしゃって下さい」と院長自ら一人ひとりの患者に語りかけています。
院長にこのように語りかけられる病院は他にありますでしょうか。患者の心は思
わず和みます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今、病院の実に7割が赤字経営です。これだけ高い医療費を払っているのに赤字
とは驚きます。いったい支払ったお金はどこに消えて赤字なのでしょうか。人は
多いが非効率に見えてなりません。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

待ち時間が長いのも大いに問題です。「二時間待って診察3分」という病院は実
際多いでしょう。その上今は、薬は病院近くの薬局でもらい、そこで薬代を支払
います。病院通いは半日ならいいほうで下手をすると一日仕事になってしまいま
す。これが普通の病院の実態であり、サービスです。

前述の亀田総合病院やトヨタ記念病院のような患者様満足度を全スタッフが意識
して働いている病院が多くなり、このような病院が生き残っていくのです。

患者様満足度を意識している医療スタッフのコンピテンシー評価は以下のように
なります。

【「ビジネスマナー」⇒◎、「第一印象度」⇒◎、「親蜜性」⇒◎、「コミュニ
ケーション力」⇒◎、「ホスピタリティ力」⇒◎、「専門知識」⇒◎、「仕事の
正確さ」⇒◎、「誠実さ」⇒◎、「思いやり」⇒◎、「共感性」⇒◎】時代です。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

【3】職場のコンピテンシーを自己チェックする

医療スタッフの「ホスピタリティ力」なるコンピテンシーの現状レベルをチェッ
クしてみることは有効です。

<行動基準の例>

医療スタッフは、「顧客は患者様である」との認識に立ち、患者様におもてなし
の心で接し、安心して療養できるように気配りしてきた。

<正に当てはまる◎>、<どちらかといえば当てはまる○>、<どちらかといえ
ば当てはまらない△>、<全く当てはまらない×> ← どれに印が付きますか。

===================================

患者はいろいろと不安を持って病院を訪れます。第一印象がよく親蜜性が感じら
れ、おもてなしの心で接しられると思わず心が和み安心できます。そうすれば患
者の心に深く刻み込まれ、口コミで評判が広まり、たくさんの患者が来てくれま
す。

職場の皆さんはどれに印が付きましたか。もし<正に当てはまる◎>に印が付い
たなら、皆さんの「ホスピタリティ力」なるコンピテンシーは磨かれているので、
患者様満足度が向上し、病院の繁栄に貢献してきました。

<正に当てはまる◎>以外に印が付いた職場の皆さんは「ホスピタリティ力」な
コンピテンシーを磨く必要があるのです。

【4】今日のアドバイス

1.病院の7割は赤字に悩んでいること。にもかかわらず患者様満足度の向上を
  経営方針に掲げている病院はまだ一握りであること。

2.患者に暴言を吐いたり暴力行為をする医師が実際に存在するということ。こ
  れらの医療スタッフは人格コンピテンシーや社会性コンピテンシーが欠けて
  いること。

3.病院といえどもこれからは顧客である患者のホスピタリティを強く意識しな
  ければ取り残されること。

【5】編集後記

病院経営はさまざまな問題を抱えています。

小児科や産婦人科を閉鎖する病院が多くなっていることも社会的には大きな問題
です。特に地方の病院が深刻な様子です。

薬品メーカーだけが潤っていて、過酷な勤務状態の医師や看護士の報酬が少なく
はないでしょうか。患者様満足度の向上と共にこれらの問題にもメスを入れる必
要があります。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
 

次回予告
次回は、シリーズ「できる人とできない人の差は!」第16話「客室乗務員!」
を解説します。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/

(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから http://www.ss-net.com

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