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“会社法”等のポイント(56)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第112号/2007/9/15>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(56)」
 3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(39)」
 4.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 今日(原稿作成中の9/13)の宮崎は、
午前中から降り続いていた雨が、午後になって激しさを増し、
時折雷鳴がとどろいています。
臨時国会開会直後の「安倍首相の突然の辞任・入院」という事態に直面し、
混乱が予想される今後の政局を、あたかも暗示しているかのようです。

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

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 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(56)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第3回目は、「株式と新株予約権との異同」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■株式と新株予約権との異同に関する次の1~5の記述のうち、
 正しいものはどれか。
1.募集株式の引受人が、金銭以外の財産を出資の目的とする場合においては、
  当該財産の価額に関して、
  裁判所の選任に係る検査役の調査を受ける必要があるときがあるが、
  新株予約権者が、株式会社の承諾を得て、
  募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みに代えて、
  金銭以外の財産を給付する場合には、
  そのような検査役の調査を受ける必要はない。
 □正解: ○
 □解説
  前段については、会社法第207条第1項・第2項・第4項、
  後段については、同法第246条第1項、を参照のこと。
2.譲渡による株式の取得について株式会社の承認を要することは、
  株式の内容として株式会社登記事項となり、
  また、譲渡による新株予約権の取得について株式会社の承認を要することは、
  新株予約権の内容として株式会社登記事項となる。
 □正解: ×
 □解説
  前段については、会社法第107条第1項第1号・第108条第2項第4号、
  同法第911条第3項第7号・第915条第1項により、正しい記述といえます。
  一方、後段については、
  前半の記述は正しい(同法第236条第1項第6号)のですが、
  当該定めは株式会社登記事項ではない(同法第911条第3項第12号)ため、
  後半の記述は、誤りとなります。
3.取得条項付株式を募集する場合も、取得条項付新株予約権を募集する場合も、
  その株式または新株予約権の内容が、定款で定められる必要がある。
 □正解: ×
 □解説
  取得条項付株式についての記述は、
  正しい(会社法第107条第2項第3号・第108条第2項第6号)のですが、
  取得条項付新株予約権においては、その内容を定款で定めることまでは、
  要求されていません(同法第236条第1項第7号・第238条第1項第1号)。
4.取得条項付株式の取得と引換えに他の種類の株式を新たに発行する場合には、
  当該株式会社資本金の額が増加するが、
  取得条項付新株予約権の取得と引換えに株式を新たに発行する場合には、
  当該株式会社資本金の額は増加しない。
 □正解: ×
 □解説
  前段のような場合には、当該株式会社資本金の額は、
  増加しません(会社法第445条第1項、会社計算規則第38条第1項第2号)。
  一方、後段のような場合には、当該株式会社資本金の額が増加する場合が、
  あります(会社法第445条第1項、会社計算規則第41条・同附則第11条第3号)。
5.取締役会設置会社以外の株式会社においては、
  募集株式が譲渡制限株式である場合に、
  申込者の中からその割当てを受ける者を決定することも、
  募集新株予約権の目的である株式が譲渡制限株式である場合に、
  申込者の中からその割当てを受ける者を決定することも、
  定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらなければならない。
 □正解: ○
 □解説
  前段については、会社法第204条第2項、
  後段については、第243条第2項第1号、を参照のこと。

★次号(2007/10/1発行予定の第113号)では、
 「株式会社における役員等の選任および解任」について、ご紹介する予定です。

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 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(39)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
 第3回目は、「復代理」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■Aが、Bに売買契約締結のための代理権を授与した場合における、
 「本人A、代理人B、復代理人C」の三者の法律関係に関する、
 次の1~5の記述のうち、判例の趣旨に照らして、正しいものはどれか。
1.代理人Bが、復代理人Cを選任する行為は、
  代理人の代理行為の一環として行われるため、
  代理人Bは、本人Aの名で、復代理人Cを選任する。
 □正解: ×
 □解説
  復代理人を選任する権限は、当然に代理権の一部とはならず、
  本人の許諾を得たとき等に認められる権限である(民法第104条)ため、
  代理人による復代理人を選任する行為は、代理行為とはいえません。
  よって、同行為を行う際には、同法第99条第1項の規定に従うことなく、
  代理人Bは、自身の名で、復代理人Cを選任します。
2.復代理人は、代理人の権限の範囲内で直接本人を代理するため、
  復代理人Cが選任されると、代理人Bの代理権は停止し、
  復代理人Cの任務が終了すると、代理人Bの代理権は復活する。
 □正解: ×
 □解説
  復代理人Cが選任された場合でも、代理人Bの代理権には何ら影響はなく、
  両者は、同等の立場で、本人Aを代理します。
3.復代理人Cが、委任事務の処理にあたって金銭等を受領した場合には、
  本人Aに対して受領物を引き渡す義務を負うほか、
  代理人Bに対しても受領物を引き渡す義務を負う。
  もっとも、復代理人Cが代理人Bに受領物を引き渡したときは、
  本人Aに対する受領物引渡義務は、消滅する。
 □正解: ○
 □解説
  民法第107条第2項&判例(※最判S51.4.9)を参照のこと。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=26710&hanreiKbn=01
4.代理人Bは、復代理人Cを解任することができる。
  ただし、復代理人Cが、本人Aの許諾を得て選任された者である場合には、
  本人Aの同意がなければ、代理人Bは、復代理人Cを解任することができない。
 □正解: ×
 □解説
  代理人Bは、復代理人Cの解任について、
  一定の義務を負う(民法第105条第2項但書)ため、
  復代理人Cが本人Aの許諾を得て選任された者であっても、
  本人Aの同意を得ずに、復代理人Cを解任することができます。
5.復代理人代理権は、代理人の代理権を前提としているため、
  代理人Bが死亡してその代理権が消滅した場合には、
  復代理人Cの代理権も消滅する。
  このことは、復代理人Cが、
  本人Aの指名に従って選任された場合も同じである。
 □正解: ○
 □解説
  代理権は、代理人の死亡によって消滅する(民法第111条第1項第2号)ため、
  代理人Bの代理権を前提としている復代理人Cの代理権は、
  代理人Bの死亡に伴い、消滅します。

★次号(2007/10/1発行予定の第113号)では、
 「履行遅滞」について、ご紹介する予定です。

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 4.編集後記
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★「みやざき観光・文化検定(※1宮崎商工会議所)」の第1回検定試験は、
 2008/2/17(日)に実施される予定ですが、その「公式テキスト(※2同上)」が、
 宮崎県内主要書店&ファミリーマートで販売中です。
 なお、県外の方で、同テキスト購入をご希望の方は、
 「こちら(※3宮日文化情報センター/47CLUB)」もご利用ください。
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■第112号は、いかがでしたか?
 次号(第113号)は、2007/10/1発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □ご連絡専用アドレス n-tsuru@mbr.nifty.com
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