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人活経営でパワーは倍増できる!<日本電産編>

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        シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」

       <第197回>[(第3話)永守流人間改造力!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「永守流人間改造力!」
1.日本電産とは?
2.3Q6Sの意味するもの!
3.なぜ短期間で再建できるのか!
4.私はワンマンではない、リーダーシップが強いのです!
5.永守氏のM&Aの見解は!
【3】今日のポイント
【4】編集後記

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日本電産の永守社長はこれまで倒産寸前の会社を23社ほど買収し、ことごとく
立て直しに成功してきました。

破綻寸前の会社をなぜ短期間での建て直しに成功するのでしょうか。そこには永
守流の人間改造力があるのです。


【1】心に刻んでおきたい言葉

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言われる前にできる人は価値が10倍あるし、言われなければできない人は100
分の1しかない。

       永守重信

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【2】メルマガ本論

[(第3話)永守流人間解像力!]

1.日本電産とは?

1984年(昭和48年)に現在の副社長である小部博志らと三人で日本電産を設立
しました。モーター技術者から起業し1980年代から1990年代のハードディスク市
場の拡大とともに急成長しました。

1990年代後半から経営不振の企業を次々M&Aで傘下に収め、一昨年の10月の
三協精機でちょうど23社目でした。

現在、連結売上高4,500億円、営業利益は450億円です。主力のハードディスク用
スピンドルモーターでは世界市場の70%のシェアを獲得。2010年までに1兆円
企業を目指しています。

2.3Q6Sの意味するもの!

永守社長は経営不振に陥った会社は「3Q6S」で再建可能と豪語し、事実立て
直してきました。

QはQualityの略です。3Qとは「よい人、よい会社、よい商品」という意味で
す。仕事のできるよい社員がいればよい会社になれる。そしてよい会社だからよ
い商品を生み出せる」という単純明快なフィロソフィ(哲学)です。

6Sは「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾け」、「作法」を意味し
ます。5Sをご存知の方は多いと思いますが、日本電産では5Sに「作法」が追
加されているのです。

「作法」とは、私流に言えば「ビジネスマナー」や「接客コンピテンシー」とい
うことになります。落ち目の会社の社員にこれが大きく欠けているのです。

3.なぜ短期間で再建できるのか!

乗り込んでいった再建会社でキーマンたちと例えば食事会をしながら和やかに、
しかし厳しく次のように話します。

「この会社は長らく原価を無視してきた。売価はより安く、コストはより高く。
それを今見直しているところだが、行くところ行くところムダだらけや。普通の
再建の仕方は間違っている。中高年だから切るとか能力がないから要らないなん
て、僕は言わないよ。怠け者には辞めてもらうということだけや」と。

基本的には人員を整理せず、工場や事業の閉鎖なども最小限にとどめるやり方は、
多くの大手ファンドが真っ先に行う大規模なリストラや事業の見直しによる再生
とは一線を画しているのです。

再生の柱は「徹底したムダの排除」と「営業力の強化」、「市場環境の変化に素
早く対応できる体質作り」の三つです。

例えば三協精機の場合はKプロMプロが目玉でした。Kは経費削減プロジェクト、
Mは部材費削減プロジェクトでした。まずは「出ずる」を制する活動です。

6Sを徹底して実践することで、棚やファイル、文房具類が大量に余ります。工
場のスペースも余ります。必要なところだけを照明することで光熱費だって節減
できるのです。

そんなことは頭では誰でも分かっています。分かっていてもなんだかんだと理由
をつけてやらないだけなのです。

永守社長は言っています。「給料の5倍働いて一人前の口を聞いていいし、その
資格がある」と。落ち目の会社では口だけ達者で働かない人が多すぎるのです。

営業力強化の一つはどこよりも試作品を顧客企業に提出することです。これは反
応のよさとして顧客から高く評価されまい。

まずい点を指摘されたらすぐさま改良品の試作を提出します。このスピードが受

注獲得の大きな力になりました。事実、ある顧客は一ヶ月以上も試作品の提出が
早くなったと評価しています。その気になればできるのです。

4.私はワンマンではない、リーダーシップが強いのです!

永守社長はよくメディアの取材を受け、また新聞や雑誌にインタビューの記事も
掲載されます。当然記者たちは「ワンマン経営ですか」と質問を浴びせます。

「私はワンマンではない。リーダーシップが強いのです」とさりげなく答えてい
ます。私は同感です。共鳴します。

なぜならリーダーシップとは「目標に対して社員の共感と支持を獲得し、何を実
行すべきかを決め、会社を成功に導く力」です。永守社長にピッタリではないで
すか。

5.永守氏のM&Aの見解は!

昨年大きなニュースになったのがライブドアがフジテレビに仕掛けた買収、楽天
がTBSに仕掛けた買収、そして村上ファンドの阪神電鉄の株買占めなどでした。
これらに関して敵対的買収の是非論も飛び交いました。

この件に関して永守社長は、これまでどおり「和製TOB」でいくと明言してい
ます。つまり、買収の行動前に相手に通告し、相手企業や社員が歓迎してくれる
形で買収を進めていくと見解を述べています。嫌がるのを無理やり買収してもう
まくいくものではないという考えが根底にあるようです。

(今回の参考文献:日経ビジネス2004年5月24日号)

【3】今日のまとめ

1.3Qとは「よい社員、よい会社、よい商品」の意味であること。また6Sと
  は「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「躾け」プラス「作法」であ
  ること。そして作法とは「ビジネスマナー」や「接客コンピテンシー」であ
  ること。

2.3Q6Sをしっかり行えば企業は立て直せること。

3.再生の柱は「徹底したムダの排除」と「営業力の強化」、「市場環境の変化
  に素早く対応できる体質作り」の三つが重要であること。

4.経営トップのみならず管理者は強いリーダーシップが重要であること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

【4】編集後記

できない理由を真っ先に挙げてやろうとしない社員はどこの会社にもいるもので
す。特に落ち目の会社ほどその人数が多いものです。

永守社長は「物事が実現するか否かは、まずそれをやろうとする人が、できると
信ずることから始まる。自らできると信じたときに、その仕事の半分は終了して
いる」と。ここが人間改造のポイントです。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=


次回予告

次回は、シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」第4話「ギガスケーズデ
ンキの頑張り過ぎない加藤流経営!」を解説します。

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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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