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<第167回>サントリー流顧客至上主義に学ぶ!

        <第167回>仕事のできる人の行動特性に学ぶ!

       ==■「サントリー流顧客至上主義に学ぶ!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持
ち腐れとなり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。

「仕事のできる人の行動特性に学ぶ!」と題して分かりやすく解説してい
きます。

コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営
トップ・管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す
学生さんにも是非ともお読みいただきたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】一味違う顧客を感じる感性!
【2】顧客よりも顧客を知っているからヒットが生まれる!
【3】同族、非上場ゆえに顧客にだけ目を向けられる!
【4】今日のまとめ
【5】編集後記

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【1】一味違う顧客を感じる感性!

一世を風靡したウイスキー「オールド」は「ダルマ」の愛称で親しまれ、
ロングヒットを続けました。

しかし年々出荷量が減り続け、ここ25年で皮肉にも25分の1になった
のです。顧客が減り続ける怖さをいやというほど味わったのです。

生き残るためには顧客を絶対的なモノサシにするしかないことに気付きま
した。

ビール事業は参入依頼の赤字続きでしかも万年4位。2006年度は悲願の黒
字浮上間違いなしでした。プレミアムモルツが倍々ゲームで伸び続け、顧
客の支持を得たのでした。経営会議で担当常務が「どうにか黒字に・・・」
と報告したとたん、「目先の黒字にこだわるな。今は将来への投資を優先
せよ」と佐治社長からかん高い声が飛んだのです。

短期的な利益は二の次にして長期的な成長を狙えという意味でしょう。そ
して佐治社長は、「感性が鈍ったとき、自分は社長を辞める」とまで公言
しているのです。トップから第一線の社員まで顧客を感じる感性を常に磨
こうとしているのです。顧客至上主義なるコンピテンシー強く意識してい
る証です。


【2】顧客よりも顧客を知っているからヒットが生まれる!

サントリーでは、定量でデータ、数値データだけで顧客の真意を掴むこと
はできないと考えています。一つの事例があります。

ウーロン茶では圧倒的なシェアを取っていますが緑茶では失敗ばかり重ね
ました。顧客のニーズを捉えきれないのです。イエスかノーで回答できる
質問、回数を問う質問などを何度繰り返しても顧客の心は分からなかった
のです。

「お茶ってなんですか」、「お茶を飲んではいけないという法律ができた
らどう反論しますか」、「日本人だなとしみじみ思える瞬間はどんなとき
ですか」。突然このような質問を受けたらどう皆さんは答えるでしょうか。

実はこの質問をWEB上で公開し、回答を集め、開発されたのが伊右衛門
です。日本人の緑茶に対するこだわりは想像以上であることが分かったの
でした。伊藤園の「お~いお茶」に次ぐシェアを獲得したことはご承知の
通りです。急須で入れたくらい高い品質の緑茶飲料を世に送り出したから
です。

顧客を感じるためには質問の仕方、質問の内容からして他とは全く異なる
必要があるのです。今サントリーは「顧客よりも顧客のことを知っている、
知ることができる」という大きな自信に満ちているのです。


【3】同族、非上場ゆえに顧客にだけ目を向けられる!

サントリーは同族経営が100年以上も続いています。鳥井家と佐治家が創業
家で、ほとんど交代で社長をやってきたようなものです。にもかかわらず
同族企業にありがちな会社の私物化や不祥事とは無縁です。とにかく顧客
に忠実であることを最優先する顧客至上主義なるDNAが引き継がれてい
るからでしょう。

そしてこれほどの大企業にして非上場です。買収にさらされる心配もなく、
株主価値云々とも無縁でいられるから目を向けるのは顧客、そして社員、
取引先ということになるわけです。

「社長、今度はこれで行きますから」。「まあ、しゃあない。しっかりや
ってくれ」。これがサントリーの決済のシーンだそうです。「これでいき
のすから」とは「不退転の決意ですから、こうやらせてください」という
意味に受け取れます。自由闊達な風土が続く限りゴーイングコンサーン
(半永続)は確実でしょう。


【4】今日のまとめ

1.ウイスキー「オールド」の売れ行きが年々落ち込むことから顧客が消
  えていく怖さを思い知ったこと。

2.生き残るために顧客を絶対的なモノサシにしなければならないと認識
  し、顧客至上主義に舵を切ったこと。

3.トップ自ら「顧客が何を求めているかを体感、感知する感性を磨け」
  と檄を飛ばし続けていること。

4.それに答えて第一線の社員はありふれた調査はやめ、顧客を感じるた
  めの調査方法を常に追い求めていること。

5.第一線の社員たちは「顧客よりも顧客を知っている、知ることができ
  る」という自信を深めていること。


【5】編集後記

確かにPOSデータを追い、売れ筋と死に筋を識別して売り上げ増につな
げている業界は多くあります。しかし、ヒット商品を生み出したりロング
ヒット商品を維持するには顧客を知る感性を磨き、知らない間に味を改良
することなどが重要です。

全社を挙げて顧客至上主義なるコンピテンシーを磨いている会社はやはり
強いですね。




次回に続く
次回は、「車内販売員から正社員に抜擢された女性の接客術に学ぶ!」を
解説します。

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