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“会社法”等のポイント(62)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第118号/2007/12/15>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(62)」
 3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(45)」
 4.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 早いもので、今年も残りわずか。皆様にとって、2007年はどのような年でしたか?
 
 ところで、年末恒例の「新語・流行語大賞(※)」の一つに、
東国原宮崎県知事の「(宮崎を)どげんかせんといかん」が選ばれました。
 ※)http://singo.jiyu.co.jp/index.html
 この1年、わが宮崎は、知事の積極的なPR活動が功を奏し、
全国的な知名度アップが実感できる“幸せな1年”でしたが、
「(自分自身に関しても)どげんかせんといかん」を痛感した1年でもありました。

 それでは、2007年ラストの今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

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 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(62)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第9回目は、「株式会社の設立の登記」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

株式会社の設立の登記の申請書の添付書面に関する次の1~5の記述のうち、
 正しいものはどれか。
1.現物出資の目的である財産について定款に記載された価額の総額が、
  設立に際して出資される財産の総額の10分の1を超えない場合、
  または、500万円を超えない場合には、
  検査役の調査報告書およびその附属書類を添付する必要はない。
 □正解: ×
 □解説
  株式会社設立時の現物出資において、
  「原則である検査役の選任(会社法第28条第1号・第33条第1項)」
  が省略できるのは、設問肢後段の場合(同法第33条第10項第1号)であり、
  設問肢前段の場合には、「検査役の調査報告書およびその附属書類」
  を添付する必要があります(商業登記法第47条第2項第3号イ)。
2.発起設立の場合において、
  設立に際して発行する株式の数を定款に定めなかったときは、
  これを定める発起人全員の同意を証する書面を添付しなければならない。
 □正解: ○
 □解説
  「会社法第32条第1項第1号、商業登記法第47条第3項」を参照のこと。
3.定款に本店の具体的な所在場所を定めなかった場合には、
  その所在場所を定める設立時取締役の過半数による一致があったこと
  を証する書面を添付しなければならない。
 □正解: ×
 □解説
  設問肢のような場合の決定権は、
  設立時取締役ではなく(会社法第46条~第48条・第93条)、
  発起人にある(先例)ため、
  発起人全員の同意書を添付しなければなりません(商業登記法第47条第3項)。
4.募集設立の場合において、
  発行可能株式総数を定款に定めなかったときは、
  これを定める発起人全員の同意を証する書面を添付しなければならない。
 □正解: ×
 □解説
  募集設立の場合、発行可能株式総数を定款に定めなかったときには、
  発起人全員の同意書(会社法第37条第1項)でなくとも、
  株式会社成立の時までに、創立総会の決議によって定款を変更して、
  発行可能株式総数の定めを設けた旨の創立総会議事録
  を添付すれば足ります(同法第98条、商業登記法第47条第2項第9号)。
5.現物出資がされた場合には、設立時の資本金の額が、
  現物出資の目的である財産について定款に記載された価額の総額
  と一致するときであっても、
  資本金の額が会社法および会社計算規則の規定に従って計上されたこと
  を証する書面を添付しなければならない。
 □正解: ○
 □解説
  設問肢のような場合であっても、資本金の額が、
  「会社法(第445条第1項・第2項)および会社計算規則(第74条)」の規定
  に従って計上されたことを証する書面
  を添付しなければなりません(商業登記規則第61条第5項、先例)。

★次号(2008/1/1発行予定の第119号)では、
 「株式の譲渡制限」について、ご紹介する予定です。

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 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(45)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
 第9回目は「民法第177条と不動産登記」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

民法第177条と不動産登記に関する次の1~5の記述のうち、
 正しいものはどれか。
1.一般の先取特権を有する者は、
  不動産について先取特権の保存の登記をしなくても、
  その不動産につき、未登記抵当権を有する者に対抗することができる。
 □正解: ○
 □解説
  一般の先取特権は、不動産について登記をしなくても、
  特別担保を有しない債権者に対抗することができます(民法第336条本文/
  民法第177条の例外規定)が、
  設問肢の「その不動産につき、未登記抵当権を有する者」は、
  「特別担保を有しない債権者」に該当します。
2.物権でない権利は、登記することができない。
 □正解: ×
 □解説
  不動産賃借権は債権ですが、
  登記することができ(不動産登記法第3条第5号)、
  その登記後は、当該不動産について物権を取得した者に対しても、
  その効力を生じます(民法第605条)。
3.採石権および水利権は、いずれも登記することができる。
 □正解: ×
 □解説
  不動産登記法において、採石権は、
  登記することができる権利として規定されています(同法第3条第9号)が、
  水利権については、その旨の規定がありません。
4.民法に定められている物権は、いずれも登記することができる。
 □正解: ×
 □解説
  「民法に定められている物権占有権所有権、入会権、地上権、永小作権、
  地役権、留置権先取特権質権抵当権根抵当権)」のうち、
  「占有権(第180条)、入会権(第263条・第294条)、留置権(第605条)」は、
  登記することができません(不動産登記法第3条)。
5.根抵当権の一部譲渡の登記は、対抗要件ではなく、効力発生要件である。
 □正解: ×
 □解説
  根抵当権の一部譲渡(民法第398条の13)の登記は、
  同法第398条の4第3項・第398条の17第1項等のような効力発生要件ではなく、
  同法第177条の規定どおり、対抗要件です。

★次号(2008/1/1発行予定の第119号)では、
 「共有」について、ご紹介する予定です。

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 4.編集後記
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★「宮崎といえば・・・焼酎」というイメージが強いと思いますが、
 意外にも、県内唯一の酒造専門メーカー・「千徳酒造(※1)」の醸す日本酒は、
 国内の有名銘柄に決してひけをとらない、とても美味い酒なのです。
 年末年始のご馳走のお供に、
 「蔵の真心 荒ばしり純米生原酒(※2)」などはいかがですか?
 もちろん、私も、予約済みです。
 ※1)http://www.sentoku.com/
 ※2)http://www.sentoku.com/product/065/index.htm
■第118号は、いかがでしたか?
 次号(第119号)は、2008/1/1発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □ご連絡専用アドレス n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
 購読の解除は、「http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
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