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人活経営でパワーは倍増できる<北海道発:六花亭編>

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        シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」

<第207回>[(第13話)十勝発、地域人財育成で躍進する菓子メーカー六花亭!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。


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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「十勝発、地域人財育成で躍進する菓子メーカー六花亭!」
1.六花亭とは?
2.家業から企業への脱皮!
3.地域密着は児童詩誌「サイロ」の発行とコンサートで!
4.社内新聞で社員との距離が縮む!
5.社員は家族だから!
【3】今日のポイント

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北海道といえば農業と酪農を真っ先に思い出しますが、製造・サービス業の分野
で誇れる企業が帯広市にありました。帯広市に本店、そして札幌市を中心に道内
に直営店63店舗を構えています。

今年3月8日付けの朝日新聞の「働く生活」のコラムに小田豊社長の記事が掲載
されました。コンピテンシーの磨き抜かれた社長です。


【1】心に刻んでおきたい言葉

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美味しいお菓子を作ろう、楽しいお買い物の店を作ろう、みんなの豊な生活を作
ろう。

       小田豊四郎

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【2】メルマガ本論

[(第13話)十勝発、地域人財育成で躍進する菓子メーカー六花亭!]

1.六花亭とは?

帯広市で小田豊四郎氏の叔父が1933年(昭和8年)、和菓子製造と喫茶営業の
「帯広千秋庵」として操業したことに始まります。1937年(昭和13年)叔父が
急死し、現小田豊社長の父である豊四郎氏が経営を引き継ぎ、1977年(昭和52
年)に六花亭と社名変更し今日に至っています。

原点は「お小遣いで買えるおやつ菓子作り」で、道内の販売が中心ですが空港売
店、北海道物産展、さらには口コミで道外の顧客にも人気が出てきて通信販売
行っています。

小田豊社長は58歳。資本金は1億4,000万円、売上高約170億円、経常利益約19
億円の超優良企業です。

2.家業から企業への脱皮!

千秋庵の経営を引き継いだ父豊四郎氏の基本理念は二つでした。一つは「一番よ
い原料でお菓子を作る」、二つ目が「お小遣いで買えるお菓子を作る」でした。

大きな転機は1967年(昭和42年)に商業界主催の研修旅行でチョコレート工場
を見学したことでした。近い将来きっとチョコレートの時代が来ると確信し、日
本で初めてチョコレートを製造しました。発売当初、来店客の反応は鈍かったの
ですが、当時の国鉄が企画した「ディスカバージャパン」のキャンペーンで来た
若者たちの間で「ホワイトチョコレート」が口コミで広がり大ヒット商品になり、
これがきっかけで家業から企業へ脱皮の足がかりになりました。

その後マルセイバターサンドのヒットもあり、量産体制を確立していくことにな
りました。これは息の長いヒット商品で、多い日は40万個、少ない日でも25
万個売れています。これだけで年間75億円の売上げだといいますから驚きです。

1978(昭和53年)、札幌そごうへ出店したのを機会に札幌地区への出店を加速、
各店舗での「接客コンピテンシー」に磨きをかけ、店舗デザインもユニークさが
あり、パッケージや広告デザインも自社で企画し、六花亭のブランドイメージは
一層高まっていきました。

常に最新情報を収集し、かつ社員の知恵を結集して新商品の開発にも力を入れて
います。社員のモチベーションを最高に高めるための施策が充実しているからで
す。

3.地域密着は児童詩誌「サイロ」の発行とコンサートで!

六花亭は伝統的に地域密着に力を入れています。十勝の子供たちに詩の発表の場
を作ってやりたいと父豊四郎氏が社長の時代に児童詩誌「サイロ」を発行しまし
た。もちろんと十勝の小中学校の先生たちの賛同が得られたことは言うまでもあ
りません。現小田豊社長に引き継がれ月1回のペースで発行し、地道な活動を行
っています。子供たちの素朴な言葉でつづられた詩には季節の移り変わりや日々
の生活が豊に描写されます。

1982年(昭和57年)、創業50周年記念事業として開催した「クラシックコン
サート」は大変好評で現在でも時折開催されているそうです。

何のために企業が存在するのかを改めて私たちに教えてくれているような気がし
ます。

4.社内新聞で社員との距離が縮む!

小田豊社長は、日刊社内新聞「六輪」を365日欠かさず発行し社員に配っていま
す。社員から「一日一情報」を寄せてもらい約100人分の声を掲載しています。

メールや紙による投稿は毎日400人分。すべて目を通すそうです。私にとっては
「宝の山」とは小田豊社長の弁。社長に対する批判もありますがコメントを付け
て必ず載せるそうです。社員への叱咤激励も実名入りで載せてしまいます。

この活動で社員との距離は縮まります。先代から続いている伝統の雑巾がけも毎
日欠かしません。店舗でも顧客を気持ちよく迎えるために一時間おきに床に打ち
水をします。「楽をして美味しいお菓子はできませんから」という気持ちの象徴
です。

5.社員は家族だから!

パートを含めて1,300名の社員。小田豊社長は、新人は別として1,200名の顔と名
前を覚えていると言いますから恐れ入ります。

年二回、がんばる社員をみんなの前で表彰しいています。表彰状の文言は全員内
容が異なります。その人向けのオリジナルです。表彰でも社員のコンピテンシー
が磨かれていくのです。

菓子作りは単純な作業が多いが、配合が命。技術や集中力が必要です。十勝の人々
は荒野を開拓して酪農と農業を生業にしてきた人たちが多く、忍耐力や集中力が
維持できる人を集められるのはやはり十勝ならでは。小田豊社長は本店、工場を
札幌に移さない理由がここにあるようです。

正にトップと社員の信頼の絆の強さがモチベーションアップの源泉になっている
のです。

(今回の参考文献:朝日新聞2006年3月8日号、日経ビジネス2006年2月27日号他)

【3】今日のまとめ

1.社員は家族という考えは決して古臭い考えではないこと。

2.商品力、店舗のデザイン、商品のパッケージや広告などとあいまって社員の
  接客コンピテンシーとの相乗効果としてブランド力が向上すること。

3.経営トップと社員の距離を縮める施策、例えば日刊社内新聞は効果的である
  こと。

4.地域密着の施策はいろいろあるが、将来の子供たちの心身の育成にも貢献で
  きる児童詩誌の発行への協力やコンサートの開催といった仕事とは関係のな
  いイベントが地域の人々に好感を持たれること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp

【4】編集後記

愚直なまで社員を大切にする会社、それが六花亭だったように思います。小田豊
社長は父豊四郎氏が作った経営方針「美味しいお菓子を作ろう、楽しいお買い物
の店を作ろう、みんなの豊な生活を作ろう」を大事に守っています。この順番が
逆になってはいけないと自らに言い聞かせながら。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回予告


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発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
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