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~得する税務・
会計情報~ 第51号
【
税理士法人-優和-】
http://www.yu-wa.jp
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事業承継税制と日本の財政
昨年12月13日の自由民主党平成20年度税制改正大綱、本年1月11日
平成20年度税制改正の要綱が閣議決定されました。
事業承継税制に関しては、要綱のその他の項目の備考として、平成21年度
税制改正において、「取引所の相場のない株式等に係る
相続税の納税猶予制
度」を創設すると明示されました。
この制度は、中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)施行日以
降の
相続等に遡って適用するとされています。(平成20年10月予定)
気になるのは、そこで「この新しい
事業承継税制の制度化にあわせて、
相続
税の課
税方式をいわゆる遺産取得課
税方式に改めることを検討する。その際
、格差の固定化の防止、老後
扶養の社会化への対処等
相続税を巡る今日的課
題を踏まえ、
相続税の総合的見直しを検討する。」という文言が盛り込まれ
ている点です。
遺産取得課
税方式
これは、
相続等により遺産を取得した者を納税義務者として、その者が取得
した遺産を課税物件として課税する方式です。
現行制度
遺産取得課
税方式を基本として、
相続税の総額を
法定相続人の数と
法定相続
分によって算出し、それを各人の取得財産額に応じ按分して課税する方式で
す。
現行制度への指摘
富の集中の抑制を図るという考え方からは、現行制度の問題点として、他の
相続人が取得したすべての財産を把握しなければ正確な税額の計算・申告が
できないことや
相続により取得した財産の額が同額であっても
法定相続人の
数によって税額が異なること、今回のような居住や事業の継続に配慮した課
税価格の減額措置により、居住や事業の継続に無関係な他の共同
相続人の税
負担まで軽減されること等が指摘されています。
考えられる遺産取得課
税方式による影響
具体的には、現在の
基礎控除5,000万円+
法定相続人数×1,000万
円の見直し、各
相続人毎の累進課税の適用等が想定されます。
昨今の格差是正への対応という観点から、バブル崩壊後の
相続税の一連の改
正を見直し、
相続税の税収を上げる(平成17年度
決算1.5兆円)ととも
に世論の風潮を変え、本丸の
消費税改正(平成19年度当初予算10.6兆
円)へというシナリオが読めるような気がいたします。
政府目標として、基礎的財政収支(平成19年度当初予算マイナス4.4兆
円)を、2011年度(平成23年度)に均衡させることが掲げられていま
す。しかし、本年12月の政府予算案ではさらにマイナス5.1兆円に悪化
しています。国及び地方の長期
債務残高が対GDP比で148.1%という
先進諸国で最悪の状態でありながら、なおかつそれが悪化し続けているとい
う現況と歳出削減による
社会保障費・公共事業費の減少、そして増税の足音
が確実に近づいていることを真剣に受け止め、経営の舵取りをしていかなけ
ればなりません。
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発行者
税理士法人優和 埼玉本部 飯野浩一(
公認会計士・
税理士)
優和HP:
http://www.yu-wa.jp
E-MAIL:
saitama@yu-wa.jp
TEL:048(769)5501/ FAX:048(769)5510
〒349-0121
埼玉県蓮田市関山1-1-17
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事業承継税制と日本の財政
昨年12月13日の自由民主党平成20年度税制改正大綱、本年1月11日
平成20年度税制改正の要綱が閣議決定されました。
事業承継税制に関しては、要綱のその他の項目の備考として、平成21年度
税制改正において、「取引所の相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制
度」を創設すると明示されました。
この制度は、中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)施行日以
降の相続等に遡って適用するとされています。(平成20年10月予定)
気になるのは、そこで「この新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続
税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。その際
、格差の固定化の防止、老後扶養の社会化への対処等相続税を巡る今日的課
題を踏まえ、相続税の総合的見直しを検討する。」という文言が盛り込まれ
ている点です。
遺産取得課税方式
これは、相続等により遺産を取得した者を納税義務者として、その者が取得
した遺産を課税物件として課税する方式です。
現行制度
遺産取得課税方式を基本として、相続税の総額を法定相続人の数と法定相続
分によって算出し、それを各人の取得財産額に応じ按分して課税する方式で
す。
現行制度への指摘
富の集中の抑制を図るという考え方からは、現行制度の問題点として、他の
相続人が取得したすべての財産を把握しなければ正確な税額の計算・申告が
できないことや相続により取得した財産の額が同額であっても法定相続人の
数によって税額が異なること、今回のような居住や事業の継続に配慮した課
税価格の減額措置により、居住や事業の継続に無関係な他の共同相続人の税
負担まで軽減されること等が指摘されています。
考えられる遺産取得課税方式による影響
具体的には、現在の基礎控除5,000万円+法定相続人数×1,000万
円の見直し、各相続人毎の累進課税の適用等が想定されます。
昨今の格差是正への対応という観点から、バブル崩壊後の相続税の一連の改
正を見直し、相続税の税収を上げる(平成17年度決算1.5兆円)ととも
に世論の風潮を変え、本丸の消費税改正(平成19年度当初予算10.6兆
円)へというシナリオが読めるような気がいたします。
政府目標として、基礎的財政収支(平成19年度当初予算マイナス4.4兆
円)を、2011年度(平成23年度)に均衡させることが掲げられていま
す。しかし、本年12月の政府予算案ではさらにマイナス5.1兆円に悪化
しています。国及び地方の長期債務残高が対GDP比で148.1%という
先進諸国で最悪の状態でありながら、なおかつそれが悪化し続けているとい
う現況と歳出削減による社会保障費・公共事業費の減少、そして増税の足音
が確実に近づいていることを真剣に受け止め、経営の舵取りをしていかなけ
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