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訪問結果をまとめ効率分析をする

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2008年5月19日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL3
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL3.マーケティング
●訪問結果をまとめ効率分析をする
●閑話休題「進歩の思想への疑問」
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●訪問結果をまとめ効率分析をする

 訪問計画に従って訪問が終わったら、営業日報を作成する習慣をつけるこ
とが、完全セールスの決め手です。その営業日報に基づいて、月間のセール
ス活動を分析し、効率面を重視したセールス活動を展開する必要があります。

1.営業日報はセールス行動の締めくくり
 一日のセールス活動が終了したら、必ず営業日報を作成しなければなりま
せん。しかし、多くのセールスマンが日報を書きたがりません。なぜでしょ
うか。その理由を列挙してみると、次の通りです。

●口頭で報告できる
●セールス活動に忙しくて、書く時間がない
●勤務評定の資料になるから書きたくない
●書けというが、活用もされず自分のためになるとは考えられない
●日報が複雑で記入しずらく、面倒である
●書いても、何のコメントもない

 特に、次の二つが、セールスマンの書きたがらない最大の要因です。
●日報が複雑で記入しずらく、面倒である
●書いても、何のコメントもない

 一方、マネジャー自身の指導にも問題があります。それは、「日報を書く
時間があったら、セールス活動をせよ」というように、重視していない例が
あるからです。

 ともかく、いかなる理由があっても、必ず営業日報を書くことにしなけれ
ばなりません。それがセールス活動を標準化し、セールスマンの行動管理を
向上させることになるからです。

 営業日報に書かれる内容は、5W2Hの法則を満足させるものでなければ
なりません。

●いつ(When)
●どこで(Where)
●だれが(Who)
●なにを(What)
●なぜ(Why)
●どのように(How)
●いくら(How mach)

 営業日報の多くは、●いつ ●どこで ●だれが ●なにを、したかまで
は書かれますが、●なぜ、そういうことをしたのか、では、現在において、
●どのように、すべきかが欠けている面が見受けられます。

 いつ、どこで、だれが、なにを、したか、それは、分かっている事実です。
なぜ、そういう行動を起こしたか、という原因を探求し、それなら、どうい
うふうにするか、という計画を立てるためにも、なぜ、どのようにするかは、
忘れてはならない記入事項なのです。

 なぜ、どのように、という記入内容は、判断力や企画力を養うのに適した
方法でもあるわけですから、セールスマンを愛するマネジャーの方は、この
二点に力を入れて営業日報を提出させるように指導する必要があります。必
ず、セールスマンの能力が伸長することは間違いありません。

 営業日報の書き方は、
●要約や結論を、まず書くこと
●箇条書きにして、大見出しや小見出しをつけること
●簡単な内容のものは、一件一葉とする
というのが原則です。

 内容は、なんのための営業日報であるかを確認してから提出するのが当然
です。なにを求めているのか(目的)、どこまでいくのか(受領者・経路)、
いつまでに提出するのか(提出期間)の三点を確認するわけです。

 三点のうちの提出期間ですが、たとえば、遠隔地に出ているセールスマン
については、毎日、提出させても、マネジャーのコメントが翌日にフィード
バックができないので、2~3日分まとめさせるか、あるいは1週間分まと
めさせるかして提出させるようにするのです。

 ただし、販売目標額、達成度、あるいは特別な事項については、毎日、電
話・ファクシミリなどで連絡させるようにしておきます。

 図表を作成して営業日報に添付する場合は、
●作成の目的と内容が違っていないか
●見る人に興味を起こさせるか
●あまりにも雑すぎはしないか
●数字に誤りはないか
を確かめ、理解を助ける文章が必要であれば、これを加えて提出します。も
ちろん、独断や推測に陥っていないか否かを、反省するのは当然です。

 こうした営業日報を有効に活用するためにも、マネジャーは、ただ印を押
すのではなく、必ずコメントをつけなければなりません。コメントを通して、
自分の考えや意見をセールスマンに伝えることにより、マネジャーとセール
スマンとの間のコミュニケーションが良くなるのです。

 したがって、基本的には、セールスマンに対しては、営業日報をマネジャ
ーに提出させた後、帰宅させるようにすべきです。そして、翌日の朝には、
マネジャーのコメントを明示した営業日報がセールスマンに戻るようにしま
す。マネジャーと実際に対話をしなくても、営業日報を通してコミュニケー
ションが交わされていることになるのです。

2.営業日報からセールスマンの効率分析をする
 営業日報から、セールスマン別の効率分析を行います。セールス活動にお
ける効率分析としては、つぎのような指標が挙げられます。
●売上目標達成率
●売上利益率
●回収率
●一顧客当たり平均売上高
●一訪問軒数当たり売上高
●1日当たり訪問軒数
売上高対値引率比率
●クレーム発生率
●新規開拓率
●面談率
●正味面談時間比率

 もちろん、営業日報内に、前記の指標が管理できる項目が設けられていな
ければならないことは、いうまでもありません。そして、それぞれの指標に
ついて、目標値と実績値を、レーダーチャート上にプロットします。このレ
ーダーチャートは、女子事務員でも、セールスマン自身でも作成することが
できます。

 レーダーチャート作成後、目標値と実績値との差の大きい各指標について、
検討・対策を行っていきます。

 指標の中でも、極めて重要なのは、売上目標達成率です。その月の品種別
の売上がプラス・マイナス10%まではやむを得ないとして、ただ合計では、
プラス・マイナス5%を割らないようにするのが販売の常識です。

 したがって、プラス・マイナス10%の品種については、別紙で反省録を
作成するようにします。そして、一品種ごとに、そういう数字が出た理由を
書きます。たとえば、競争会社が新製品を発売したから、あるいは、どこか
が特売品を売ったから、自分の会社のどこに問題があったから、など記載し
ます。

 とにかく、理由がはっきりすれば、今後の留意点も、はっきりしてきます。
来月の販売や訪問については、どこに留意、注意したらよいか、などの対策
を考える資料となるわけです。来月は、自社も特売をしたほうがよいという
結論が導き出されるかも知れません。または、こういう政策を打ち出すべき
だ、というアイデアが生まれるかも知れません。

 このレーダーチャートは、出しっぱなし、出させっぱなしでは意味ありま
せん。営業課長・部長は、これに五日以内に意見を付して返さなければなり
ません。レーダーチャートに「可」とか「否」とか朱書きして、否について
は、どうして駄目なのか、その理由を書きます。場合によっては、セールス
マンに分かるように、こういった事情でわが社はノーだと、詳しく納得いく
まで説明をします。
 
 また、可というのは、課長権限ですぐ実行する、というように、後始末の
責任者と期限も決めておく必要があります。

 さらに、「考」というのは、1ヶ月以内に解答する。しかし、重要な問題
は、「研」として、研究して後、2ヶ月に答えを出す、というように社内で
ルールを決めておくのです。

 レーダーチャートを作成することによって、売った、買ったの成績だけで
はなく、セールスマンがどれだけの洞察力を持っているか、ということが判
断できるようになります。したがって、このセールスマンには、どういう教
育を施さなければならないか、ということも分かってきます。
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●閑話休題「進歩の思想への疑問」

 孝経に「人間の身体というものは、髪の毛から皮膚まで、すべて父母から
いただいたものだ。大切にして少しの傷もつかないようにするのが孝行の第
一歩であって、立身出世して正しい行いをして、名を末代に残し、父母の名
をあげるのが孝行の終極である」と書かれています。

 この中国古代の孝行の教えが、わが国の道徳、思想に影響を与えたのは大
きいものがあります。徳川時代から明治、大正、昭和にかけて、この思想は、
あらゆる人生訓の根本となっていました。とくに、明治、大正の修身教科書
には、この文章が漢文で掲載されているほどでした。

 そして、立身出世することが孝行の最大なものである、という思考法は、
日本人の「進歩の思想」の根幹を築き上げているものです。

 この立身出世志向は、サラリーマンになったら、一生懸命働いて、耐え忍
べないときも耐え忍んで、人より早く課長になり、部長になり、社長になる、
という思考法になっています。

 したがって、この進歩の思想は、誰もが立身出世することはできないので、
そこに競争主義をもたらし、足の引っ張り合い主義を醸成し、しかも、それ
を立身出世するためには仕方がないと正当化していたのです。

 また、孝経の身を立てた後、「正しい事を行って」といったことが書き加
えられていますが、いつの間にか立身出世のためには、いささかの不正も仕
方がない、出世した後、正しいことをすればよい、といった考えに変形され
てしまいました。つまり、エゴイズムを正当化してしまったので、目的のた
めには手段を選ばず、といったことまでに発展してしまいました。

 そのため、この思考法を根幹とする進歩の思想は、事故の進歩発展のため
には、いかなる非人間的なことにも耐え、ただ目的達成のために猛烈に努力
する、といった発想をもたらしました。

 わが国において、進歩の思想が強烈に人心をとらえたのは、足利幕府末期
より豊臣秀吉が天下を統一するまでの戦国時代と、大東亜戦争敗戦後より石
油ショック発生までの高度成長の期間の二回が、その最たるものでした。

 この高度成長期には、進歩の思想が事故の努力によって容易に実現してい
った時代です。まじめに努力すれば、目に見えて企業は発展し拡大していき
ました。また、そこに働く社員たちも、努力することで地位が上昇しました。
特に社業の発展により組織も膨張したので、誰もが年功によって課長、部長、
重役と急速に上昇していくことができたのです。

 ところが、この頃は、自分勤めている会社や同業各社、また、世間一般を
見回してみると、行く先にいくつもの不安が漂っており、経済だけでなく政
治外交面にも、いくたの不安材料が山積みしています。なにか進歩発展して
いくことは、よいことではない、といったような気持ちが漂い出してきたの
です。

 進歩発展の思想は、私たちに限りない夢を与えてくれる、努力し忍耐して
いたら大きな未来が開ける、といった思考法は、人間の価値観につらなり、
また、そうすることによって企業も大きくなり、社会も発展していくのだと
信じ込んでおれば、明るい50歳代、60歳代も開けてくるはずでした。

 しかし、現実は反対となってきました。努力しても発展につらならないし、
また、発展することは必ずしも、明るい未来をつくってくれない、という現
象が各方面に現れてきたのです。

 ましてや、努力しても幸福な50歳代、60歳代には連結しなくなってき
たのです。さらに、70歳代の現状をみてください。幸福な年代と言えるで
しょうか。つまり、進歩発展することは、人間の幸福とはならなくて、かえ
って人間を不幸にすることもある、といった証明が、いたるところに起きて
きたのです。

 今でも、進歩の思想は、続いています。これからの企業、あるいは、これ
からの日本は、どのような思想を持って進んでいくべきか、真剣に考えなけ
ればならない時代になってきていると思います。
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