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シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」
<第236回>[(第42話)理念経営という名の人活経営で成長を続ける京セラ!]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「理念経営という名の人活経営で成長を続ける京セラ!」
1.京セラとは?
2.稲盛流理念経営の真髄!
3.稲盛和夫名誉会長はなぜ影響を与え続けるのか!
4.非常識こそ宝の山!
5.アメーバ経営で会社も社員も成長する!
【3】今日のポイント
【4】編集後記
===========================
稲盛名誉会長や京セラのことは今さらと思うかも知れませんが、理念経営の威力
を是非紹介したいと思い、採り挙げることにしました。
何時の世も企業の不祥事は付きません。時として、一流の大企業までもが不祥事
を引き起こしています。トヨタも例外ではありません。
不祥事のたびに
コンプライアンスが叫ばれ、法令が強化されます。いたちごっこ
の繰り返しです。京セラはそんなこととは無縁の会社であり続けてほしいと思い
ます。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
京セラは創業者の稲盛によって、短期間に異常に成長した。当社は絶えず新しい
ものにチャレンジし、常に成長し続ける。私はこのDNAを引き継がないといけ
ない。
西口泰夫
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第42話)理念経営という名の人活経営で成長を続ける京セラ!]
1.京セラとは?
1959年(昭和34年)、稲盛名誉会長が
資本金300万円、社員わずか28名で
「京都セラミック
株式会社」として創業を始めました。
現在、
資本金1,157億円、
売上高1兆円突破、連結税引き前利益1,200億円を誇
る超優良企業です。グループ企業は184社を数え、アメーバ経営(独立採算制)
で運営しています。
事業も多岐にわたり、電子デバイス、情報機器、通信機器、ファインセラミッ
ク、光学機器など手広く展開しています。「選択と拡大」を経営戦略に据えて
いるのです。
2.稲盛流理念経営の真髄!
「
従業員の物心両面の幸福を追求し、人類、社会の進歩発展に貢献する」。
これがよく知られた京セラの経営理念です。しかし稲盛名誉会長は“準理念“と
言ってもよいような心に残るキーワードをいくつも発信してきました。例えばそ
の一つに「高い目標と強烈な思いが企業を伸ばす」というのもあります。
従業員の物心両面とありますから、給料だけでなく心の幸福も合わせて追求する
わけです。心豊な人格を形成しなければ真の幸福とはいえないという考えです。
人類とは顧客をはじめ全ての
ステークホルダーと考えれば分かりやすいですね。
当然社会への貢献ですから「企業の社会的責任(CSR)」を果たしていくとい
うことです。40年も前に掲げられた理念ですから、その先見性の高さをうかが
わせます。
バブル崩壊後、厳しい経営環境が続きましたが、どんなときでも成長を続ける会
社というのがあります。一体なにがどう違うのでしょうか。稲盛名誉会長の言葉
を借りれば「経営理念が末端までどれだけ浸透しているか、その差だ」というこ
とです。
どこの会社も経営理念は掲げているでしょう。しかし、「仏造って魂入れず」に
なっている会社が多いのです。高い目標を掲げても、崇高な理念を掲げても社員
全員が強烈な思いを持って実行しなければ何の変化も起きないのです。
3.稲盛和夫名誉会長はなぜ影響を与え続けるのか!
「会社の寿命30年説」というのがあります。伊藤謙介氏が社長を命じられたの
がちょうど京セラ創業30年という節目の年でした。「企業が伸びるか廃れるか、
それは君ら次代の経営者次第だ」と強烈なメッセージを稲盛名誉会長からもらい
ました。
伊藤謙介氏は社長時代、「京セラフィロソフィ手帳」を作成し、自ら陣頭指揮に
立ち、全社員への徹底研修に乗り出したのはそのためです。「人間として何が正
しいか」を物事の判断基準に置くことが明記されています。
稲盛名誉会長は鹿児島の出身、そして西郷隆盛の思想的影響を色濃く受けていま
す。曲がったことは大嫌い、「人間として正しいことが経営においても正しい」
と考えています。企業不祥事が発生するたびに法改正の繰り返し、そしてコンプ
ライアンスが叫ばれます。
どれほど立派な法律を作っても法の網をかいくぐって悪事を働こうと思えばでき
るでしょう。稲盛名誉会長は法律ではなく、人間として正しいかどうかを判断の
よりどころにしているのです。
こうした稲盛名誉会長の後姿を見ている人たちは、信頼して尊敬の念を持ってい
るのです。だから他社の人も含めて稲盛名誉会長から大きな影響を受けるのです。
アメーバ経営という明快な採算管理とフィロソフィ教育、この二つを軸に拡大と
利益の二兎を追い求めてきたのでした。
4.非常識こそ宝の山!
製造業ではどこも不良の発生に悩まされています。不良率何パーセント、歩留ま
り何パーセントと目標を掲げて日夜カイゼンに努力しています。
京セラの現場はカイゼンよりも「カンペキ」を狙います。つまり、歩留まり100
パーセントです。そんなことできるわけないと誰もが否定するでしょう。2001年
の年明けに、「全工場で歩留まりを100パーセントにせよ」と命令が下りました。
そして自動車部品事業部の工場では、約十ヶ月後の11月には歩留まり100パー
セントを現に達成しています。
経営戦略として「選択と集中」が叫ばれているとき、京セラは「選択と拡大」と
いう戦略を採り続けています。
歩留まり率にしても経営戦略にしても業界の非常識こそ「宝の山」なのです。つ
まり、「世間の非常識がわが社の常識」というわけです。
5.アメーバ経営で会社も社員も成長する!
ヤシカ、キンセキ、三田工業など多くの会社を
吸収合併しました。いわゆるM&
Aです。傾いた会社の支援要請に応えたといったほうが正解でしょう。
建て直しの切り札は「アメーバ経営」です。アメーバは単細胞の生物です。関連
事業部、関連会社をアメーバに見立てて、徹底した家計簿経営を推進するのです。
「入るを図って出(いずる)を制す」とは松下幸之助翁の遺訓ですが、アメーバ
単位で採算計算をやり、ムダを削除していくわけです。A事業の赤字を他の事業
が穴埋めしたり薄めてくれるという甘えた考えは一切通用しないのです。ここか
ら将来の幹部候補が続々育っていくのです。
(今回の参考文献:日経ビジネス2004年9月27日号、他)
【3】今日のまとめ
1.理念経営は、掲げるだけでは機能しないこと。末端まで浸透させ、全員参加
の経営になって初めて機能すること。
2.「人間として正しいことが経営においても正しい」という信念を持って経営
すれば、不祥事など起きるわけがないこと。
3.アメーバ経営は小集団の組織が独立採算制で運営するもので、経営者意識を
持ったリーダー育成にも適していること。
4.「選択と集中」という戦略もあるが、京セラは「選択と拡大」の戦略で、売
上げ比率が最も高い事業でも20パーセント台に留まっていること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
一代で大企業に育て上げた立派な経営者は多いですね。しかし、最終章で後継者
選びに失敗し、破綻した企業は数え切れません。ダイエーの創業者、中内功氏は
息子を後継者に選び失敗しました。
本田宗一郎翁は息子を後継者にしませんでした。もし息子を後継者にしていれば、
恐らくホンダは傾いていたことでしょう。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く
***********************************************************************
発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
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シリーズ「人活経営でパワーは倍増できる!」
<第236回>[(第42話)理念経営という名の人活経営で成長を続ける京セラ!]
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「人活経営でパワ
ーは倍増できる!」と題して様々な角度から鋭く分析した良質の記事を紹介して
いきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「理念経営という名の人活経営で成長を続ける京セラ!」
1.京セラとは?
2.稲盛流理念経営の真髄!
3.稲盛和夫名誉会長はなぜ影響を与え続けるのか!
4.非常識こそ宝の山!
5.アメーバ経営で会社も社員も成長する!
【3】今日のポイント
【4】編集後記
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稲盛名誉会長や京セラのことは今さらと思うかも知れませんが、理念経営の威力
を是非紹介したいと思い、採り挙げることにしました。
何時の世も企業の不祥事は付きません。時として、一流の大企業までもが不祥事
を引き起こしています。トヨタも例外ではありません。
不祥事のたびにコンプライアンスが叫ばれ、法令が強化されます。いたちごっこ
の繰り返しです。京セラはそんなこととは無縁の会社であり続けてほしいと思い
ます。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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京セラは創業者の稲盛によって、短期間に異常に成長した。当社は絶えず新しい
ものにチャレンジし、常に成長し続ける。私はこのDNAを引き継がないといけ
ない。
西口泰夫
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【2】メルマガ本論
[(第42話)理念経営という名の人活経営で成長を続ける京セラ!]
1.京セラとは?
1959年(昭和34年)、稲盛名誉会長が資本金300万円、社員わずか28名で
「京都セラミック株式会社」として創業を始めました。
現在、資本金1,157億円、売上高1兆円突破、連結税引き前利益1,200億円を誇
る超優良企業です。グループ企業は184社を数え、アメーバ経営(独立採算制)
で運営しています。
事業も多岐にわたり、電子デバイス、情報機器、通信機器、ファインセラミッ
ク、光学機器など手広く展開しています。「選択と拡大」を経営戦略に据えて
いるのです。
2.稲盛流理念経営の真髄!
「従業員の物心両面の幸福を追求し、人類、社会の進歩発展に貢献する」。
これがよく知られた京セラの経営理念です。しかし稲盛名誉会長は“準理念“と
言ってもよいような心に残るキーワードをいくつも発信してきました。例えばそ
の一つに「高い目標と強烈な思いが企業を伸ばす」というのもあります。
従業員の物心両面とありますから、給料だけでなく心の幸福も合わせて追求する
わけです。心豊な人格を形成しなければ真の幸福とはいえないという考えです。
人類とは顧客をはじめ全てのステークホルダーと考えれば分かりやすいですね。
当然社会への貢献ですから「企業の社会的責任(CSR)」を果たしていくとい
うことです。40年も前に掲げられた理念ですから、その先見性の高さをうかが
わせます。
バブル崩壊後、厳しい経営環境が続きましたが、どんなときでも成長を続ける会
社というのがあります。一体なにがどう違うのでしょうか。稲盛名誉会長の言葉
を借りれば「経営理念が末端までどれだけ浸透しているか、その差だ」というこ
とです。
どこの会社も経営理念は掲げているでしょう。しかし、「仏造って魂入れず」に
なっている会社が多いのです。高い目標を掲げても、崇高な理念を掲げても社員
全員が強烈な思いを持って実行しなければ何の変化も起きないのです。
3.稲盛和夫名誉会長はなぜ影響を与え続けるのか!
「会社の寿命30年説」というのがあります。伊藤謙介氏が社長を命じられたの
がちょうど京セラ創業30年という節目の年でした。「企業が伸びるか廃れるか、
それは君ら次代の経営者次第だ」と強烈なメッセージを稲盛名誉会長からもらい
ました。
伊藤謙介氏は社長時代、「京セラフィロソフィ手帳」を作成し、自ら陣頭指揮に
立ち、全社員への徹底研修に乗り出したのはそのためです。「人間として何が正
しいか」を物事の判断基準に置くことが明記されています。
稲盛名誉会長は鹿児島の出身、そして西郷隆盛の思想的影響を色濃く受けていま
す。曲がったことは大嫌い、「人間として正しいことが経営においても正しい」
と考えています。企業不祥事が発生するたびに法改正の繰り返し、そしてコンプ
ライアンスが叫ばれます。
どれほど立派な法律を作っても法の網をかいくぐって悪事を働こうと思えばでき
るでしょう。稲盛名誉会長は法律ではなく、人間として正しいかどうかを判断の
よりどころにしているのです。
こうした稲盛名誉会長の後姿を見ている人たちは、信頼して尊敬の念を持ってい
るのです。だから他社の人も含めて稲盛名誉会長から大きな影響を受けるのです。
アメーバ経営という明快な採算管理とフィロソフィ教育、この二つを軸に拡大と
利益の二兎を追い求めてきたのでした。
4.非常識こそ宝の山!
製造業ではどこも不良の発生に悩まされています。不良率何パーセント、歩留ま
り何パーセントと目標を掲げて日夜カイゼンに努力しています。
京セラの現場はカイゼンよりも「カンペキ」を狙います。つまり、歩留まり100
パーセントです。そんなことできるわけないと誰もが否定するでしょう。2001年
の年明けに、「全工場で歩留まりを100パーセントにせよ」と命令が下りました。
そして自動車部品事業部の工場では、約十ヶ月後の11月には歩留まり100パー
セントを現に達成しています。
経営戦略として「選択と集中」が叫ばれているとき、京セラは「選択と拡大」と
いう戦略を採り続けています。
歩留まり率にしても経営戦略にしても業界の非常識こそ「宝の山」なのです。つ
まり、「世間の非常識がわが社の常識」というわけです。
5.アメーバ経営で会社も社員も成長する!
ヤシカ、キンセキ、三田工業など多くの会社を吸収合併しました。いわゆるM&
Aです。傾いた会社の支援要請に応えたといったほうが正解でしょう。
建て直しの切り札は「アメーバ経営」です。アメーバは単細胞の生物です。関連
事業部、関連会社をアメーバに見立てて、徹底した家計簿経営を推進するのです。
「入るを図って出(いずる)を制す」とは松下幸之助翁の遺訓ですが、アメーバ
単位で採算計算をやり、ムダを削除していくわけです。A事業の赤字を他の事業
が穴埋めしたり薄めてくれるという甘えた考えは一切通用しないのです。ここか
ら将来の幹部候補が続々育っていくのです。
(今回の参考文献:日経ビジネス2004年9月27日号、他)
【3】今日のまとめ
1.理念経営は、掲げるだけでは機能しないこと。末端まで浸透させ、全員参加
の経営になって初めて機能すること。
2.「人間として正しいことが経営においても正しい」という信念を持って経営
すれば、不祥事など起きるわけがないこと。
3.アメーバ経営は小集団の組織が独立採算制で運営するもので、経営者意識を
持ったリーダー育成にも適していること。
4.「選択と集中」という戦略もあるが、京セラは「選択と拡大」の戦略で、売
上げ比率が最も高い事業でも20パーセント台に留まっていること。
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【4】編集後記
一代で大企業に育て上げた立派な経営者は多いですね。しかし、最終章で後継者
選びに失敗し、破綻した企業は数え切れません。ダイエーの創業者、中内功氏は
息子を後継者に選び失敗しました。
本田宗一郎翁は息子を後継者にしませんでした。もし息子を後継者にしていれば、
恐らくホンダは傾いていたことでしょう。
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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