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<第239回伊右衛門というメガヒットを生んだマーケティング!

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      シリーズ「マーケティング活動に威力を発揮するコンピテンシー!」

    <第239回>[(第2話)伊右衛門というメガヒットを生んだマーケティング!]

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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「マーケティング
活動に威力を発揮するコンピテンシー!」と題して様々な角度から鋭く分析した
良質の記事を紹介していきます。きっとお役に立てると思います。中小企業の経
営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思いま
す。

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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論「伊右衛門というメガヒットを生んだマーケティング!」
1.サントリーとは!
2.惨敗続きの飲料!
3.失敗から学んだもの!
4.福寿園と提携したブランド戦略!
5.常識の否定こそが勝ち組への王道!
【3】今日のポイント

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サントリーには大企業になった今でもベンチャー精神が受け継がれています。創
業者鳥井信治郎翁の「やってみなはれ。やってみな分からしまへんやろ」という
言葉です。「ベンチャー精神」こそがすばらしいコンピテンシーなのです。

今は“やってみなはれ”といわれる前にやるという風土が根付いています。



【1】心に刻んでおきたい言葉

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伊右衛門は絶対に失敗しない、大ヒットするという確信があった。

      沖中直人

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【2】メルマガ本論

[(第2話)伊右衛門というメガヒットを生んだマーケティング!]


1.サントリーとは!

水と生きるSUNTORYは、1921年(昭和10年)に創業者鳥井信治郎翁が大阪に設
立しました。サントリーグループは酒類、食品事業、花、健康食品など新規事
業にも取り組んでいます。

サントリー株式会社のグループ企業は172社。グループ全体の社員数は19,500名、
連結の売上げ規模は1兆4千億弱、連結の経常利益は600億弱の優良企業です。
海外への進出も目覚しく、グローバル企業として躍進を続けています。



2.惨敗続きの飲料!

清涼飲料の約3割を占めているのが無糖茶市場です。このカテゴリーは1981年に
サントリーが発売した「烏龍茶」によって確立されました。

その後この市場は自動販売機設置台数トップの日本コカコーラが一位、「お~い
お茶」の伊藤園が二位。一方サントリーは惨敗、出すお茶はことごとく不発、主
力の烏龍茶までが落ち込んでいきました。

2001年に満を持して烏龍茶に続くメガヒットを狙ってプーアル茶をベースにした
塾茶を開発しました。ところがこれがまたしても不発、一年で生産中止に追い込
まれたのです。

茶飲料のプロジェクトチームを率いる沖中直人課長(当時)は、「今度の新商品
を外したら、チーム全員で切腹ものだな」と。このときプロジェクトチームは社
内で干される寸前だったのです。



3.失敗から学んだもの!

失敗しても「やってみなはれ」に救われるのがサントリーの社風です。沖中課長
は、塾茶失敗の原因を徹底的に分析し、社内で発表しました。

(1)商品コンセプトでは消費者の視点が欠落していました。(Products)
(2)マーケティングでは季節感を無視していました。(Place)
(3)デザインは商品コンセプトが一目で伝わりませんでした。(Place)
(4)広告・宣伝では営業部門などとの連携が不十分でした。(Promotion)
(5)商品に見合った価格設定ではありませんでした。(Price)

マーケティングミックスといわれる4Pに問題があったわけです。

失敗から学んだ新商品「伊右衛門」が3月発売開始と同時に予想の2倍も売れ、
一時出荷できない状態になりました。うれしい悲鳴とは正にこのことでした。



4.福寿園と提携したブランド戦略!

失敗した塾茶を出すに当たって市場調査を怠ったわけではありません。膨大な
データを集めても解釈を誤れば全てが水の泡となるのです。つまり、数値デー
タの裏にある消費者の潜在意識を見誤ったというわけです。ここがポイントに
なります。

ブランドイメージと消費者が緑茶をよく飲むシーンの研究が足りなかったこと
に気づきました。男性なら仕事机の上に置き、自分のステータスを示すスーツ
やネクタイと同じ意識でお茶を飲んでいることが分かりました。

そこで、茶葉の調達を江戸時代から続く福寿園に委託し、ネーミングも福寿園
の創業者「伊右衛門」にしたのです。このネーミングには関係者も驚いたと言
います。

デザインは真ん中がくびれた竹筒のイメージ。そして発売前からテレビコマー
シャルで消費者はもとより、コンビニやスーパーの関係者に認知させる戦略を
採りました。

「伊右衛門」というこのお茶は、安らぎ感を重視し、香りも甘みも急須で入れ
たお茶の忠実な再現にもこだわりました。



5.常識の否定こそが勝ち組への王道!

「伊右衛門」開発段階で、製法について社内で反論がありました。失敗した塾
茶の製法である「非加熱無菌充填」方式を応用したのですが、従来のコストの
安い「過熱充填」を採用すべきだという意見に押されそうになるシーンがあり
ました。

加熱充填方式では「伊右衛門」独特の甘みとコクを維持できない上、真ん中が
くびれた竹筒ボトルには充填が不向きであるとして反対論を説き伏せました。

「烏龍茶以来、無糖茶は加熱充填」という常識を否定したことも勝ち組への王
道になりました。

(今回の参考文献:日経ビジネス2004年12月13日号、他)



【3】今日のまとめ

1.サントリーには「やってみなはれ」というベンチャー精神の風土が根付いて
  いること。

2.失敗に学ぶマーケティング活動が重要であること。

3.マーケティングは数値データの分析だけでは判断を誤る危険性があること。

4.消費者が持つブランドイメージを探り、そのブランドイメージを再現し、先
  手必勝の広告宣伝活動が功を奏すること。

5.過去の成功体験や常識を否定したやり方に挑戦すること。

コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒ 3223898301@jcom.home.ne.jp


【4】編集後記

大正製薬のメガヒット商品といえば「リポビタンD」。何と41年間にわたって
売上げに貢献してきました。「ファイト一発、リポビタンD」も色あせて売上げ
が落ち、今や目玉商品扱いにされています。手をこまねいているわけではありま
せんが、次のヒット商品が生まれないのです。

売れる商品を生み続けることの難しさを痛感させられます。

=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=



次回に続く



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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
        彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから 3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
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