◆事例:忘れた頃に行う
懲戒処分の効力
勤務態度不良の
従業員に対して
懲戒処分を行うため、関係者に実情を聞いて
いるうちにかなりの時間が経過してしまいました。今からでも
懲戒処分は可能
ですか。
◇回答----------------------------------------------------------------
事実関係の調査等に必要と考えられる期間を大幅に超える場合や調査終了後
相当期間処分結果を出さないでいた場合には
懲戒権の濫用とされることがあり
ます。
調査が終了次第、できるだけ速やかに
懲戒処分を行ってください。
■解説----------------------------------------------------------------
懲戒処分を行う際には、必ず事実関係の把握をしなければなりません。その
ため、書類の調査はもちろんのこと、本人をはじめ上司、同僚、部下等関係者
からも状況を聞く必要があります。
これらの調査は相手の都合もあり時間がかかることは否めません。
懲戒処分
を行う事由は「事実関係」そのものにあるので、多少時間を掛けてでもしっか
り行っておくべきです。拙速はトラブルの元になります。
では、いくらでも時間を掛けていいのかというと、これまた限度があります。
就業規則に
懲戒処分までの期間の定めがないからといって、いつでも後から懲
戒処分ができるとなれば、その間、
従業員は大きな不安を持ったまま就労せざ
るを得ません。これではあまりに
従業員に不当を強いることになってしまいます。
相当な期間内に
懲戒権の行使がなかった場合、そのことを
懲戒権濫用の判断
材料にするとの判例があります。(山形地裁酒田支部H9.2.20)
併せてこの判例では、
懲戒権行使までの期間が相当であるかどうかの判断基
準として、事実関係や
懲戒処分選択のための調査期間、処分に伴う業務引継ぎ
に要する期間等を認定しています。
極めて妥当な内容であると思いますが、これらのことから判断すると、調査
を進められる状況にあるのに進めていなかったり、いたずらに期間を引き延ば
したりしたような場合は、
権利の濫用とされる公算が大といえます。
いずれにせよ、
懲戒処分を行うのであれば、調査が終了した段階で速やかに
行うべきです。
就業規則に処分事由がきちんと記載されていれば、処分までの
時間はかからないはずです。処分保留のまま、いつまでも業務に就けておくこ
とは、本人はもちろんのこと、周囲の
従業員も「何で放っておくんだろ?」等、
不信感を持ことにもなりトラブルの種になるだけです。
必要な処分はメリハリつけてためらわずに行わなければなりません。その根
拠となるのはきちんと整備された
就業規則です。
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勤務態度不良の従業員に対して懲戒処分を行うため、関係者に実情を聞いて
いるうちにかなりの時間が経過してしまいました。今からでも懲戒処分は可能
ですか。
◇回答----------------------------------------------------------------
事実関係の調査等に必要と考えられる期間を大幅に超える場合や調査終了後
相当期間処分結果を出さないでいた場合には懲戒権の濫用とされることがあり
ます。
調査が終了次第、できるだけ速やかに懲戒処分を行ってください。
■解説----------------------------------------------------------------
懲戒処分を行う際には、必ず事実関係の把握をしなければなりません。その
ため、書類の調査はもちろんのこと、本人をはじめ上司、同僚、部下等関係者
からも状況を聞く必要があります。
これらの調査は相手の都合もあり時間がかかることは否めません。懲戒処分
を行う事由は「事実関係」そのものにあるので、多少時間を掛けてでもしっか
り行っておくべきです。拙速はトラブルの元になります。
では、いくらでも時間を掛けていいのかというと、これまた限度があります。
就業規則に懲戒処分までの期間の定めがないからといって、いつでも後から懲
戒処分ができるとなれば、その間、従業員は大きな不安を持ったまま就労せざ
るを得ません。これではあまりに従業員に不当を強いることになってしまいます。
相当な期間内に懲戒権の行使がなかった場合、そのことを懲戒権濫用の判断
材料にするとの判例があります。(山形地裁酒田支部H9.2.20)
併せてこの判例では、懲戒権行使までの期間が相当であるかどうかの判断基
準として、事実関係や懲戒処分選択のための調査期間、処分に伴う業務引継ぎ
に要する期間等を認定しています。
極めて妥当な内容であると思いますが、これらのことから判断すると、調査
を進められる状況にあるのに進めていなかったり、いたずらに期間を引き延ば
したりしたような場合は、権利の濫用とされる公算が大といえます。
いずれにせよ、懲戒処分を行うのであれば、調査が終了した段階で速やかに
行うべきです。就業規則に処分事由がきちんと記載されていれば、処分までの
時間はかからないはずです。処分保留のまま、いつまでも業務に就けておくこ
とは、本人はもちろんのこと、周囲の従業員も「何で放っておくんだろ?」等、
不信感を持ことにもなりトラブルの種になるだけです。
必要な処分はメリハリつけてためらわずに行わなければなりません。その根
拠となるのはきちんと整備された就業規則です。
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