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シリーズ「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」
<第307回>[(第5話)「92軒の農家を束ねる木内博一社長の全体最適化力!」
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介して
いきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読
みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.農家嫌いのツッパリが農家を継いだ!
2.母に給料を払ってやりたい!
3.仲間の絆で泣きを見る農業から儲かる農業へ!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
===========================
農業人口は年々減少し耕作放棄地も増える一方だ。そして食糧自給率39%とい
うキーワードだけが一人歩きしている。
中国を始めとする外国産の農産物が安さゆえにもてはやされ、「農政はノー政」
だ。高濃度の農薬含有事件は度々発生した。例の毒餃子事件は未だに闇の中。そ
して生活者は国産農産物に走る傾向が強くなった。中国産を始めとする外国産は
不人気で産地偽装が横行する。
そんな中、農業
法人が静かなブームだ。長野県の浅間山の麓には「トップリバー」
という農業
法人があり、都会の若者が集う。三重県には「伊賀の里モクモク手作
りファーム」という農業テーマパークがあり、全国から若者が集う。
若い農業経営者と若手農業従事者が動き出している。今回は千葉県で92軒の農家
を束ねる農業経営者、木内博一氏のリーダーシップ力と全体最適化力なるコンピ
テンシーにスポットを当てることにする。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
立ち止まるな。次へ、次へ。
木内博一
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第5話)92軒の農家を束ねる木内博一社長の全体最適化力!]
1.農家嫌いのツッパリが農家を継いだ!
農家の長男に生まれた木内博一氏。親の背中を見て育ったが農家が嫌でたまらな
かった。友達が遊んでいるとき自分は家の手伝い。農家だけは継ぐまいと子供心
に決めていた。
高校のときはツッパリ。千葉県の田舎から東京の大学へ。しかしやりたいことが
見つからなかった。そして田舎に帰り家業を手伝うことに。
朝早くから夜遅くまで汗水たらして働いて年収はたったの150万円。ニンジンの
間引き作業を手伝いながら母の背中を見て悲しくなった。母が手にするお金は
月額2,000円。そこから子供たちに小遣いを渡していたことを知った。母が自由
にできるお金はゼロだった。
2.母に給料を払ってやりたい!
何とか母に給料を払ってやりたいという思いが強くなった。どうすれば儲かる農
業に改革できるか、木内氏は頭をひねった。
農作物は天候に大きく左右されることは誰でも知っている。大きからず、小さか
らずは商品になるが大きすぎても小さすぎても規格外で商品にはならない。まし
てや曲がったもの、ひび割れが入ったものは価値がない。約4割は廃棄するか総
菜屋に安く売るしかないのだ。これが儲からない大きな要因であることに気付い
た。
商品になった6割も農協を通して売ったのでは毎日変わる市況に左右されて買い
叩かれる。
そこで木内氏は自ら販路を開拓しスーパーに産直売り場を設けてもらって言い値
で販売してもらうようにした。当時はまだ産直は珍しくこれが当たった。スーパ
ーからは品種を増やしてくれとありがたいリクエストが出された。
長いごぼうは店員も扱いが大変だ。お客も長すぎてバスケットからはみ出すのを
嫌った。そこでごぼうを短く切ってパックにしたところ飛ぶように売れた。
ひび割れのニンジン、曲がったごぼうは切り刻んでパック詰めにして売った。総
菜屋の手間が省かれ、価値のないものが言い値で売れることが分かった。
「もったいない」、「常識を疑え」がキーワードだ。木内氏は若い仲間の農家に
呼びかけた。5軒の農家が賛同してくれて会社組織にした。「立ち止まらない。
次へ、次へ」。木内氏はリーダーシップ力なる
コンピテンシーを如何なく発揮し
ていくのだった。
3.仲間の絆で泣きを見る農業から儲かる農業へ!
「木内のやってることは農業じゃない。あれは商業だ」。誹謗中傷する声が父の
耳に届いた。父は何も言わないが涙ぐんでいた。だが信じて付いてきてくれる仲
間がいる。仲間が皆儲かるように、そして自分の農作物よりも仲間の農作物が売
れるように動き回った。特定の仲間だけが儲かっても意味がない。皆が儲かるよ
うに。木内氏は全体最適化力なる
コンピテンシーを如何なく発揮していく。
いま仲間の農家は92軒まで増えた。
全国の農家の平均の2倍以上を稼ぐ。中には年収1億円の農家も出現した。何を
作付けするかは自由だ。種まきがちょっと早すぎやちょっと遅すぎが運不運を左
右することもある。
旬の時期にたくさん取れすぎだほうれん草は工場で加工してパックにして冷凍保
存、年中出荷して利益を生み出す仕組みも構築している。
新規事業を次々生み出す木内氏はアイディアが泉のごとく湧き出す。そして仲間
と相談して実践に移していく。
全国から農業関係者がツアーバスで訪れる。見学者は皆驚いて帰る。全てを見せ
る。全国に仲間が増えてほしいと願っているからだ。
【3】今日のまとめ
1.農家嫌いの元ツッパリが家業である農業を継いだが、あまりにも儲からない
ことに愕然としたこと。
2.母に給料を払ってあげたいという思いが儲かる農業への動機付けになったこ
と。
3.規格外などで廃棄する農作物は約4割も生じること。これをうまく生かせれ
ば儲かる農業になれると木内氏は直感したこと。
4.工場を作り加工して出荷することで付加価値を付けたこと。冷凍しておいて
年中出荷することで安定収入に結びつけたこと。
5.仲間と一緒に立ち止まらず次々新農法、新野菜を開発して、ビジネスに結び
付けていること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演した木内氏は「プロフェッシ
ョナルとは」と聞かれて「信念というんですかね。自分でこうしたいんだってい
うことをしっかり持っていて、なおかつ、その環境であったり、その時代であっ
たり、そういう変化に柔軟な人だと思うんですね」と語ったのが印象的だった。
<この記事はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の放送内容も参考にしています。>
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要
性について、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「優れた経営者の
コンピテンシーを学ぶ!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介して
いきます。中小企業の経営者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読
みいただきたいと思います。
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【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.農家嫌いのツッパリが農家を継いだ!
2.母に給料を払ってやりたい!
3.仲間の絆で泣きを見る農業から儲かる農業へ!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
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農業人口は年々減少し耕作放棄地も増える一方だ。そして食糧自給率39%とい
うキーワードだけが一人歩きしている。
中国を始めとする外国産の農産物が安さゆえにもてはやされ、「農政はノー政」
だ。高濃度の農薬含有事件は度々発生した。例の毒餃子事件は未だに闇の中。そ
して生活者は国産農産物に走る傾向が強くなった。中国産を始めとする外国産は
不人気で産地偽装が横行する。
そんな中、農業法人が静かなブームだ。長野県の浅間山の麓には「トップリバー」
という農業法人があり、都会の若者が集う。三重県には「伊賀の里モクモク手作
りファーム」という農業テーマパークがあり、全国から若者が集う。
若い農業経営者と若手農業従事者が動き出している。今回は千葉県で92軒の農家
を束ねる農業経営者、木内博一氏のリーダーシップ力と全体最適化力なるコンピ
テンシーにスポットを当てることにする。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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立ち止まるな。次へ、次へ。
木内博一
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【2】メルマガ本論
[(第5話)92軒の農家を束ねる木内博一社長の全体最適化力!]
1.農家嫌いのツッパリが農家を継いだ!
農家の長男に生まれた木内博一氏。親の背中を見て育ったが農家が嫌でたまらな
かった。友達が遊んでいるとき自分は家の手伝い。農家だけは継ぐまいと子供心
に決めていた。
高校のときはツッパリ。千葉県の田舎から東京の大学へ。しかしやりたいことが
見つからなかった。そして田舎に帰り家業を手伝うことに。
朝早くから夜遅くまで汗水たらして働いて年収はたったの150万円。ニンジンの
間引き作業を手伝いながら母の背中を見て悲しくなった。母が手にするお金は
月額2,000円。そこから子供たちに小遣いを渡していたことを知った。母が自由
にできるお金はゼロだった。
2.母に給料を払ってやりたい!
何とか母に給料を払ってやりたいという思いが強くなった。どうすれば儲かる農
業に改革できるか、木内氏は頭をひねった。
農作物は天候に大きく左右されることは誰でも知っている。大きからず、小さか
らずは商品になるが大きすぎても小さすぎても規格外で商品にはならない。まし
てや曲がったもの、ひび割れが入ったものは価値がない。約4割は廃棄するか総
菜屋に安く売るしかないのだ。これが儲からない大きな要因であることに気付い
た。
商品になった6割も農協を通して売ったのでは毎日変わる市況に左右されて買い
叩かれる。
そこで木内氏は自ら販路を開拓しスーパーに産直売り場を設けてもらって言い値
で販売してもらうようにした。当時はまだ産直は珍しくこれが当たった。スーパ
ーからは品種を増やしてくれとありがたいリクエストが出された。
長いごぼうは店員も扱いが大変だ。お客も長すぎてバスケットからはみ出すのを
嫌った。そこでごぼうを短く切ってパックにしたところ飛ぶように売れた。
ひび割れのニンジン、曲がったごぼうは切り刻んでパック詰めにして売った。総
菜屋の手間が省かれ、価値のないものが言い値で売れることが分かった。
「もったいない」、「常識を疑え」がキーワードだ。木内氏は若い仲間の農家に
呼びかけた。5軒の農家が賛同してくれて会社組織にした。「立ち止まらない。
次へ、次へ」。木内氏はリーダーシップ力なるコンピテンシーを如何なく発揮し
ていくのだった。
3.仲間の絆で泣きを見る農業から儲かる農業へ!
「木内のやってることは農業じゃない。あれは商業だ」。誹謗中傷する声が父の
耳に届いた。父は何も言わないが涙ぐんでいた。だが信じて付いてきてくれる仲
間がいる。仲間が皆儲かるように、そして自分の農作物よりも仲間の農作物が売
れるように動き回った。特定の仲間だけが儲かっても意味がない。皆が儲かるよ
うに。木内氏は全体最適化力なるコンピテンシーを如何なく発揮していく。
いま仲間の農家は92軒まで増えた。
全国の農家の平均の2倍以上を稼ぐ。中には年収1億円の農家も出現した。何を
作付けするかは自由だ。種まきがちょっと早すぎやちょっと遅すぎが運不運を左
右することもある。
旬の時期にたくさん取れすぎだほうれん草は工場で加工してパックにして冷凍保
存、年中出荷して利益を生み出す仕組みも構築している。
新規事業を次々生み出す木内氏はアイディアが泉のごとく湧き出す。そして仲間
と相談して実践に移していく。
全国から農業関係者がツアーバスで訪れる。見学者は皆驚いて帰る。全てを見せ
る。全国に仲間が増えてほしいと願っているからだ。
【3】今日のまとめ
1.農家嫌いの元ツッパリが家業である農業を継いだが、あまりにも儲からない
ことに愕然としたこと。
2.母に給料を払ってあげたいという思いが儲かる農業への動機付けになったこ
と。
3.規格外などで廃棄する農作物は約4割も生じること。これをうまく生かせれ
ば儲かる農業になれると木内氏は直感したこと。
4.工場を作り加工して出荷することで付加価値を付けたこと。冷凍しておいて
年中出荷することで安定収入に結びつけたこと。
5.仲間と一緒に立ち止まらず次々新農法、新野菜を開発して、ビジネスに結び
付けていること。
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【4】編集後記
NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演した木内氏は「プロフェッシ
ョナルとは」と聞かれて「信念というんですかね。自分でこうしたいんだってい
うことをしっかり持っていて、なおかつ、その環境であったり、その時代であっ
たり、そういう変化に柔軟な人だと思うんですね」と語ったのが印象的だった。
<この記事はNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の放送内容も参考にしています。>
=長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
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彩愛コンサルピア代表 下山明央
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