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日本政策金融公庫

税理士に聞く!中小企業の味方「日本政策金融公庫」の融資制度と審査を通すコツを解説

2022.01.27

新型コロナウイルス感染症の最初の感染者が確認されてから約2年が経ち、各国のワクチン接種が進み経済活動が再開しています。しかし、ここにきてまた新たに変異株が発見されたりし、まだ経済が回復してきているとは言い難い状況です。

中小企業の経営者の中には、経済の先行きが不透明ななか、売上が落ち込んでいる、あるいは、この経済環境をチャンスと捉え、新規事業立ち上げたい、などさまざまな理由で、融資を検討している方がいらっしゃいます。

そんな資金面での支援を必要とする中小企業に、融資を実施している『日本政策金融公庫』をご存じでしょうか? 筆者も税理士として、中小企業の同庫への融資申請のサポートを行っています。今回は『日本政策金融公庫』の融資の概要と、筆者の経験から言える融資審査を通すためのコツをご紹介します。

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日本政策金融公庫とは?

『日本政策金融公庫』とは、国民生活の向上に寄与することを目的とした政策金融機関です。国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業の3つの事業を行っています。

国民生活事業は、個人とともに、個人企業や小規模企業を対象とし、中小企業事業はある程度の規模がある中小企業が対象です。

ただ、厳密に国民生活事業と中小企業事業に区分けされている訳でもなく、借入金額が少ない場合は国民生活事業で対応してくれますし、国民生活事業の借入限度額を超えると中小企業事業で対応してくれます。

小規模企業の場合そもそも借入の際の信用枠は限度額があるので国民生活事業の枠内に収まるはずです。国民生活事業にあたるか中小企業事業にあたるかは、必要としている借入金額を目安に選ぶとよいでしょう。

民間金融機関とどこが違うの?

『日本政策金融公庫』と民間金融機関との違いは、国が株主か民間が株主かです。『日本政策金融公庫』は主に財政投融資を原資として企業に融資しています。国が株主の分、民間金融機関より融資が受けやすいところがあるでしょう。

同庫とのお付き合いのなかで、複数の担当者から「国民の税金から預かったお金ですので、返済可能な無理のない金額でお貸出しします」という言葉を聞きます。融資が受けやすい面もありながら、きちんと事業性もみていることが伺えます。

民間金融機関との融資金額と利率の違いは?

民間の金融機関と『日本政策金融公庫』では、融資金額と利率の決め方が少し異なります。

民間の金融機関の場合、企業の話を聞いて、要望に合わせて融資金額と利率を決めていきます。銀行担当者に提示された利率に対して、交渉をして、実際に引き下げに成功したこともあります。

一方、公庫の場合は、あらかじめ借入限度額や利率が決まっているので、交渉して利率を下げた事例は筆者の経験ではありません。その分、融資が受けやすいということはあるようです。

既存企業の場合は、企業のそれまでの信用力が背景にあるため一概には言えませんが、創業企業の場合、公庫では利率が2%程度のケースが多いです。そこから自治体の利子補給を受けることができ、筆者がいる豊島区の場合、それを利用して利率が1.2%程度になります。また、貸出金額は今後の会社の見込みにもよりますが、開業2年未満の場合、担保や連帯保証が必要ないことが多いです。

日本政策金融公庫が行う「コロナ融資」とは?

『日本政策金融公庫』では昨年の早い段階から、新型コロナウイルス感染症特別貸付(いわゆるコロナ融資)という実質無利子の無担保融資を制度化してきました。融資自体には利子がありますが、特別利子補給制度を利用することで、実質的に無利子になります。また、ご存じのない経営者の方も多いと思いますが、このコロナ融資は開業1年1カ月未満の会社でも、要件に該当すれば申し込みできます。

これまで多くの企業がこの制度を利用してきました。この『日本政策金融公庫』のコロナ融資は、2021年12月に終了予定でしたが、3月まで延長する予定と聞いています。また、まだまだ新型コロナウイルス感染症による影響を受けている会社が多いので、4月以降も延長する可能性があるそうです。これは筆者が公庫の担当者から聞いた話なので、詳しく知りたい方は管轄の公庫に問い合わせてみるとよいでしょう。

日本政策金融公庫の融資の種類は?

『日本政策金融公庫』の国民生活事業と中小企業事業における融資の種類を紹介しましょう。融資によって、利用できる対象や融資限度額が異なります。

詳しくは日本制作金融公庫の融資案内ページで確認したうえで、電話などで問い合わせるとよいでしょう。電話番号はこちらからも確認できます。

国民生活事業の融資の種類

国民生活事業では、大きく分けて、下記の通りの融資があります。

・一般貸付
・セーフティネット貸付
・新企業育成貸付
・企業活力強化貸付
・環境・エネルギー対策貸付
・企業再生貸付

中小企業事業の融資の種類

中小企業事業では、大きく分けて、下記の通りの融資があります。

・新企業育成貸付
・企業活力強化貸付
・環境・エネルギー対策貸付
・セーフティネット貸付
・企業再生貸付

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日本政策金融公庫から融資を受ける手順

融資を受けたいという場合は、下記の手順で進めていきます。これらの手続きは煩雑なので、借入を熟知している(顧問)税理士にお任せするのも一つの方法かも知れません。

1:問い合わせる

電話で問い合わせて、融資を申し込みたい旨を説明しましょう。その際に、必要な書類を確認したり、可能であれば、面談の設定も行います。

なお、国民生活事業については、インターネットから申し込みも可能です。画面の指示通り進めると後日公庫の担当者から電話がきて、融資の手続きが始まります。

2:必要書類を用意する

担当者との面談前に、ホームページの“各種書式ダウンロード”に記載されている必要書類を用意しておきます。国民生活事業はこちらから、中小企業事業はこちらから、ダウンロードすることが可能です。

借入申込書は必ず必要になります。また、必要に応じて、ご経営状況シート、事業の概要、創業計画書も作成します。作成後に郵送やインターネットで送信し、担当者に書類が届いたら面談へと進みます。

3:面談を行う

担当者と面談をし、資料をもとに、企業の財務状況や融資が必要な理由などを説明します。

日本政策金融公庫の融資審査を通すコツは?

最後に、税理士としての経験から、筆者が考える『日本政策金融公庫』の融資審査を通すコツをご紹介しましょう。

1:説得力のある資料を準備する

融資を受けるコツとして、担当者へ企業の財務状況と今後の見通しについて、説得力を持って語れるようにしておくとよいでしょう。

そのために、面談時には、前述した借入申込書などの資料とは別に、下記のような資料を持参するとよいでしょう。

・決算書:
3期分用意するようにしましょう。

・当期の予算書:
予算書にはできれば月ごとの損益計算書、設備投資計画書、キャッシュフロー計算書を記載しましょう。

・3年間の中長期計画書:
中長期計画書には年度ごとの損益計算書、設備投資計画書、キャッシュフロー計算書を記載します。

公庫の担当者は支店で貸付の決裁を仰がなければならないので、担当者が決裁書を書くにあたってこれらの資料があると非常に助かります。

なお、赤字で融資申込をする場合には、黒字化への見通しを理論立てて説明する必要があります。3期連続赤字の場合には、金融庁の検査等もあるので、融資はかなり難しくなってくるということを認識しておいた方がよいでしょう。

また、決算書に役員に対する貸付金や仮払金が計上され、その金額が大きい場合、借入が難しくなる場合もあります。計上している場合は、理論立てて説明する用意をすることをおすすめします。

【こちらの記事も】「今すぐできる財務管理」でキャッシュフローを計算しよう【税理士が解説】

2:担当者に熱意をアピールする

なかなかこのような計画書を持参することは難しい場合も多いと思います。その場合、前述している借入に当たり公庫が必要としている書類、経営状況シートに記載している内容をもとに、話を進めることになります。

その際に、担当者に「こういう事をしたいんだ」、「この半年を乗り切れば半年後はこういう事業が成果を結んでくるのだ」など思いの丈を熱く語ってみましょう。

どこの金融機関の融資もそうなのですが、担当者の心に思いが響けば、担当者は親身になって、支店内の決裁が通るように頑張ってくれることが多いです。

3:支店長決裁で通る金額にする

民間金融機関も同じく、公庫も支店長決裁というものがあります。ある金額までは本部の決裁を仰がなくても、支店長の決裁で融資ができるという裁量権です。本部決裁を通さないで、支店長の決裁で済む分、審査も通りやすいと言えます。

4:信頼関係を大事にする

噓をつかずに、正直に、事業の計画を銀行の担当者へお話し、借入のお願いする姿勢も重要です。今後、長い付き合いになることもあるので、信頼関係の築くという認識が重要です。

『日本政策金融公庫』の融資の概要と、筆者の経験から言える融資審査を通すためのコツをご紹介しました。経営者であれば、さまざまな理由から、資金面に悩むこともあるでしょう。

そんな時、民間の金融機関より通りやすいといわれている『日本政策金融公庫』を利用してみるのも一つの手です。まずは問い合わせて、自社で利用できる融資があるかを確認してみるとよいでしょう。

【こちらの記事も!】新規事業で活用できる補助金・助成金って何があるの?立ち上げ時の資金問題を解決!

【参考】
日本政策金融公庫』 / 日本政策金融公庫

* 天空のジュピター、【IWJ】Image Works Japan、ilixe48、YAMATO / PIXTA(ピクスタ)