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女うなぎ職人を目指す若干二十歳の冒険志向力!

    ◆◆コンピテンシーを磨けば仕事のできる人になれる◆◆

   <第230回>できる人のコンピテンシーをベンチマークする!

  ==■「女うなぎ職人を目指す若干二十歳の冒険志向力!」■==

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人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れ
となり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。

「できる人のコンピテンシーをベンチマークする!」と題して事例を解説してい
きます。

コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ
・管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも
是非ともお読みいただきたいと思います。

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<今回のメニュー>
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【1】友達に「えっ、うなぎ屋さんで働いているの?」と言われても!
【2】男職場で働く女性には好感が持てる!
【3】「焼き一生」を心に刻みがんばる!
【4】編集後記

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女性のタクシードライバーは珍しくなくなった。でも夜中から深夜にかけては危
険がいっぱいだ。稼ぎが少なくなるかもしれないが昼間だけの勤務に留めて欲し
いと願う。時々女性ドライバーのタクシーに乗るととても親切だから心が和む。

大型トラックやダンプカーの女性ドライバーも珍しくなくなった。若い女性もい
るが中には肝っ玉母さんもいる。一生懸命働いて子育てしているのだろう。

数年前仕事で親しくしている中小企業の社長7人と福島県のスパリゾートハワイ
アンに遊びに行ったことがある。一泊してゴルフを楽しむツアーだった。バスは
東京駅の八重洲口の広場から出た。

往路の観光バスのドライバーは中年の男性だった。愛想が悪くバスの中は退屈そ
のものだ。スパリゾートハワイアンのプロモーションビデオを放映したぐらいで
お客に対するトークも寂しいものだった。

復路の観光バスのドライバーは若い女性だった。乗り込むとき痩せ型の女性がバ
スの入り口にいて乗客一人ひとりに挨拶していたがスパリゾートハワイアンの社
員のお見送りのサービスかと思っていたらバスの運転席に乗り込み「それでは東
京に向け出発いたします。私はドライバーの○○と申します。安全運転で参りま
す」と。我々の命は彼女に託されたと一瞬思ったが道中は口元のマイクから退屈
しない楽しいおしゃべりの連続。大型ワンマンバスを時速100キロ以上で自由自
在に操るのには驚いた。

うなぎ職人の世界も典型的な男社会。女性のうなぎ職人は見たことがない。夫婦
でやっている小さなうなぎ屋で奥さんがご主人の補助的仕事をやっているぐらい
だ。

ところがさいたま市浦和地区の老舗うなぎ屋でうなぎ職人の修行をしている若干
二十歳の女性がいる。島村恵理氏だ。

そこで、今回は女うなぎ職人を目指す島村恵理氏の「冒険志向力」に迫ってみる。



【1】友達に「えっ、うなぎ屋さんで働いているの?」と言われても!

さいたま市の浦和地区には約50店が味を競ううなぎ料理の街がある。南区太田
窪の老舗のうなぎ屋「小島屋」は200年の歴史を持つ。ちょうど一年前に島村恵
理氏は「小島屋」に弟子入りを志願する。“男仕事”の調理場には耐えられない
からと渋る店主を拝み倒して弟子入りに成功した。

島村恵理氏は日本料理の仕事に就くのが夢だった。都内の専門学校に通っていた
が就職活動中に見学したうなぎ職人の鮮やかな包丁裁きにすっかり魅せられてし
まった。

店主の小嶋正行氏(43歳)は「うちでは雇えない」と断った。だが食い下がる
島村恵理氏の熱心さに根負けして採用に踏み切った。

同年代の友達から「えっ、うなぎ屋さんで働いてるの?」と驚かれるが意に介さ
ない。



【2】男職場で働く女性には好感が持てる!

男職場で働く女性に好感を持つのは私だけではないだろう。ましてや若干二十歳
のうなぎ職人なんてカッコいい。

前述した大型観光バスのドライバーもすばらしいコンピテンシーを発揮してくれ
た。バスが東京駅に到着するときのトークもすばらしかった。「皆さんは東京駅
からそれぞれ電車やバスを乗り継いで家路に着かれます。我が家の玄関に到着す
るところで旅が終了します。どうか玄関に到着されるまで油断せず安全に気をつ
けてくださいませ」と。そしてステップを降りるお客一人ひとりに「ご苦労様
お気をつけて」と声をかけてくれた。

うなぎ料理の業界も近年は若手の職人が減少の一途だ。炭火に長時間さらされ、
煙が目に染みるし夏は汗だくで過酷な職場だ。小島屋でも20代は島村恵理氏を
含めて2人だけ、あとの3人は60歳以上だ。

よほど目的意識がなければ若者には勤まらない職場だが、紅一点の島村恵理氏に
エールを贈りたい。



【3】「焼き一生」を心に刻みがんばる!

寿司職人も女性はめったにいない。今は男性の寿司職人も不足しているという。
「出前3年、飯炊き5年、巻物握って早10年」という言い伝えがある。メシの
食えるすし職人になるのは大変な努力が要るわけだ。

すしざんまいを運営する「喜代村」では寿司職人養成塾まで開校して自社の店舗
の寿司職人を確保しているほどだ。

うなぎの世界は「串打ち3年、さばき8年、焼き一生」と言うそうだ。何年修業
を積んでも一人前になったと言い切れない世界。島村恵理氏は最近目標に終わり
のない世界だと気付いて一層闘志が掻き立てられている。島村恵理氏の手は焼き
場で付いたやけどの跡が無数にあるという。でもやりたいことができる幸せをか
み噛みしめながらうなぎ一筋を目指す。島村恵理氏には早く一人前のうなぎ職人
になって欲しいと願う。



【4】編集後記

「蓼食う虫も好き好き」ということわざがある。“たで”という植物には大概の
虫は毛嫌いして食べないが中に“たで”を食う珍しい虫もいる。好き好き、つま
りカラスの勝手だ。

男職場に飛び込み、冒険志向に燃えた二十歳の紅一点が男職場を明るくするなん
て、こんなすばらしいことはない。

<この記事は平成22年3月3日の読売新聞の記事も参考にしています。>



次回に続く


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        彩愛コンサルピア代表 下山明央

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