前回の宿題やっていただきましたでしょうか?
会社の
決算書ながめてみましたか?
貸借対照表の未解決項目にどのような内容があるか、確認できましたか?
もし確認できなかったとすれば、その
決算書正しいの?ということに
なりますし、また、「こんなのが残ってるんだ」とビックリするようなことが
あるとしたら、その解決策を考えなければなりませんね。
さて、今回は前回の予告とはすこし変えて、「時価
会計」について
お話します。
たまたま先週の日経新聞に「中小企業に時価
会計を部分導入」という
記事がのっていました。
これ、いまこのメルマガでテーマにしている「
貸借対照表」についての
ことなので、解説しておきましょう。
前回まで、
貸借対照表の「
現金」と「
資本」以外は「未解決項目」である、と
お話しました。
たとえば、会社で50万円で購入した株を持っていたとします。
この「50万円で株を買った」という行為は、基本的には
「将来値上がりして、
現金を増やすことができると思ったから株を買った」
はずですね。
そして、この株式は「有価証券50万円」として
貸借対照表に
計上されているはずです。
これは、将来売って
現金に変わるまでの途中経過として
「50万円で買った有価証券がある」という状態を表しています。
いま、50万円で買った株式が、市場で売れば100万円になる、とします。
現実に売れば、それは
現金に変わりました(いいかえれば解決されました)
ので、50万円の株式(有価証券)がなくなって
現金100万円が増えます。
そして、利益の50万円が
資本に増えます。
ついでに
損益計算書にも、50万円の利益が計上されます。
現実には売らずに、また時価
会計を導入していなければ、
この株式は50万円のまま
貸借対照表に計上されています。
50万円支出したまま未解決になっていますよ、という状態ですね。
時価
会計を導入するということは、実際には売買していないにも
かかわらず、それをもし期末時点で売買したらどういう状態になるか、
を
貸借対照表に計上する、ということです。
つまり、期末の
貸借対照表に株式(有価証券)として100万円を計上する、
ということです。当然、その分
資本はかさ上げされます。
実際に売買したらどうなるかわからないけど、
とりあえず利益が出たかたちの
決算書が出来上がることになります。
そして、未解決項目は50万円から100万円に増えました。
これが何を意味するのか?
未解決項目は、少ないほうがいいに決まっています。
少ないほうが、現実にするのは簡単ですものね。
それを増やしてしまうのは、いいことでしょうか?
これ、逆の立場もあるんですよね。
仮に上記の例で、50万円で買った株式が10万円でしか
売れないとしましょう。
現実に売買すれば、
現金として解決されますから
現金は10万円増えます。
有価証券は50万円減りますね。差額の40万円は、
資本が減ります。
ついでに、
損益計算書にも40万円の損が計上されます。
実際に売っていなければ、期末の
貸借対照表には50万円の有価証券が
載ったままです。
これに、時価
会計が導入されていれば、有価証券は10万円で計上されて、
その分
資本が減る(利益が減る)
決算書が出来上がります。
このときには、時価
会計を導入したことによって、未解決項目が
少なくなり、現実にするのが簡単になりましたよね。
さきほどの利益が出てしまう場合に比べて、こちらのほうはいい感じが
しませんか?
このように、時価
会計はやり方によっては「諸刃の剣」です。
どのような
会計基準がでてくるかわかりませんが、時価
会計を導入するのが
いいことかどうかはよく内容をご確認のうえ、判断なさったほうが
いいでしょう。
ちなみに、いままでの
商法では、「益」がでたときの時価
会計はダメで、
「損」がでたときの時価
会計はOK、になっていました。
そのほうが会社の
資産状態を見る場合には「安全」ですからね。
そもそも、「時価」はいくらか、ということは実際に売買してみないかぎりは
誰にもわからないので、損が出るときは積極的に時価
会計を
導入したほうがいいし、(未解決項目は少ないほうがいい)、
益が出るときは、まだ将来どうなるかわかりませんから、
導入しないほうがいいでしょう。
ちょっと難しかったでしょうか?
次回は「
貸借対照表のつくりかた」についてお話します。
前回の宿題やっていただきましたでしょうか?
会社の決算書ながめてみましたか?
貸借対照表の未解決項目にどのような内容があるか、確認できましたか?
もし確認できなかったとすれば、その決算書正しいの?ということに
なりますし、また、「こんなのが残ってるんだ」とビックリするようなことが
あるとしたら、その解決策を考えなければなりませんね。
さて、今回は前回の予告とはすこし変えて、「時価会計」について
お話します。
たまたま先週の日経新聞に「中小企業に時価会計を部分導入」という
記事がのっていました。
これ、いまこのメルマガでテーマにしている「貸借対照表」についての
ことなので、解説しておきましょう。
前回まで、貸借対照表の「現金」と「資本」以外は「未解決項目」である、と
お話しました。
たとえば、会社で50万円で購入した株を持っていたとします。
この「50万円で株を買った」という行為は、基本的には
「将来値上がりして、現金を増やすことができると思ったから株を買った」
はずですね。
そして、この株式は「有価証券50万円」として貸借対照表に
計上されているはずです。
これは、将来売って現金に変わるまでの途中経過として
「50万円で買った有価証券がある」という状態を表しています。
いま、50万円で買った株式が、市場で売れば100万円になる、とします。
現実に売れば、それは現金に変わりました(いいかえれば解決されました)
ので、50万円の株式(有価証券)がなくなって現金100万円が増えます。
そして、利益の50万円が資本に増えます。
ついでに損益計算書にも、50万円の利益が計上されます。
現実には売らずに、また時価会計を導入していなければ、
この株式は50万円のまま貸借対照表に計上されています。
50万円支出したまま未解決になっていますよ、という状態ですね。
時価会計を導入するということは、実際には売買していないにも
かかわらず、それをもし期末時点で売買したらどういう状態になるか、
を貸借対照表に計上する、ということです。
つまり、期末の貸借対照表に株式(有価証券)として100万円を計上する、
ということです。当然、その分資本はかさ上げされます。
実際に売買したらどうなるかわからないけど、
とりあえず利益が出たかたちの決算書が出来上がることになります。
そして、未解決項目は50万円から100万円に増えました。
これが何を意味するのか?
未解決項目は、少ないほうがいいに決まっています。
少ないほうが、現実にするのは簡単ですものね。
それを増やしてしまうのは、いいことでしょうか?
これ、逆の立場もあるんですよね。
仮に上記の例で、50万円で買った株式が10万円でしか
売れないとしましょう。
現実に売買すれば、現金として解決されますから現金は10万円増えます。
有価証券は50万円減りますね。差額の40万円は、資本が減ります。
ついでに、損益計算書にも40万円の損が計上されます。
実際に売っていなければ、期末の貸借対照表には50万円の有価証券が
載ったままです。
これに、時価会計が導入されていれば、有価証券は10万円で計上されて、
その分資本が減る(利益が減る)決算書が出来上がります。
このときには、時価会計を導入したことによって、未解決項目が
少なくなり、現実にするのが簡単になりましたよね。
さきほどの利益が出てしまう場合に比べて、こちらのほうはいい感じが
しませんか?
このように、時価会計はやり方によっては「諸刃の剣」です。
どのような会計基準がでてくるかわかりませんが、時価会計を導入するのが
いいことかどうかはよく内容をご確認のうえ、判断なさったほうが
いいでしょう。
ちなみに、いままでの商法では、「益」がでたときの時価会計はダメで、
「損」がでたときの時価会計はOK、になっていました。
そのほうが会社の資産状態を見る場合には「安全」ですからね。
そもそも、「時価」はいくらか、ということは実際に売買してみないかぎりは
誰にもわからないので、損が出るときは積極的に時価会計を
導入したほうがいいし、(未解決項目は少ないほうがいい)、
益が出るときは、まだ将来どうなるかわかりませんから、
導入しないほうがいいでしょう。
ちょっと難しかったでしょうか?
次回は「貸借対照表のつくりかた」についてお話します。