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コンピテンシー「問題解決力」の磨き方

<59回>コンピテンシー「問題解決力」の磨き方
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 人は誰でも能力を保有しています。しかし、せっかくの保有能力が宝の持ち腐れと
なり、成果に結び付けられない人が実に多いのです。
 多くの企業では「成果主義人事制度」に加速度的に移行しています。これの是々非
々は後でするとして、成果の低い、あるいは出せない人にとっては悲劇になるかも知
れません。
 コンピテンシーを磨けば誰でも仕事のできる人に自己変革できます。経営トップ・
管理者・社員の皆様、そして求職中の離職者の方や就職を目指す学生さんにも是非と
もお読みいただきたいと思います。

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■忙しい人はとりあえず流し読みして下さい。後でゆっくり読み直していただくと理
 解が一層深まります。(コンピテンシー宣教師より)■

<今回のメニュー>
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【1】職場の世相を川柳に載せて!
【2】コンピテンシー「問題解決力」の磨き方
【3】編集後記
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【1】職場の世相を川柳に載せて!
 
 問題を出すな、起こすな、えっ、またか! 

 どんな一流企業でも問題は日々発生しています。遅れている企業と一流企業とでは
発生する問題の「質」が違い、再発防止対策を講じるまでの「時間」にも大きな差が
あります。

 あまり問題の発生が多いと警察の犯人検挙率が年々低下しているのと同じように、
一つの問題を対策しないうちに次々問題が発生し、“もぐらたたき状態”になるので
す。

 例えば不良の問題、納期遅れの問題、コストが下がらない問題に追いまくられ、顧
客からは怒鳴られ、社員の士気は低下し、ムダなコストが増大し、利益なき繁忙状態
に陥っている企業は実際多いですから・・・。

【2】コンピテンシー「問題解決力」の磨き方

 「問題解決力」は、業務処理遂行分野のコンピテンシーです。

 なぜ同じ問題や類似の問題が再発するのか、これを掘り下げることが重要です。

 実は、原因には「直接原因」と「動機的」原因の二つがあります。しかし、多くの
企業では「直接原因」だけに目が向いていて「動機的原因」はほとんど解明されてい
ないのです。だから再発してしまうのです。

 例えばパソコンを使って支払伝票に科目や金額を入力するとき桁を間違えてゼロを
一つ少なく入力したとしましょう。100万円支払うべきところ10万円支払うこと
になります。当然仕入先からはクレームがつき、会社としての信用問題にも発展しま
すね。

 この問題の「直接原因」は、「入力担当者の不注意による」となり、再発防止対策
は「担当者に厳重に注意した」となるでしょう。これではいずれ再発するに決まって
います。

 そこで「動機的原因」を究明することをお勧めしたいのです。「動機的原因」とは、
「その作業当時ミスがあるかもしれないのに、なぜ入力後正しく入力したと判断して
しまったのか」、「なぜミスがあるかもしれないと考えて自主的にチェックしようと
いう意識が働かなかったのか」、「『チェックするように』というアラームを発する
仕組みを会社として導入しないのか」・・・と言うように追求していくことです。

 要するに正しくないのに正しいと判断してしまった「判断の誤り」やチェックしよ
うという意識が働かない「意識不動」、人間には元来ミスは付きものなのにミスはな
いだろうと思う「前提認識の誤り」を掘り下げるのです。つまり、問題の本質を掘り
下げることなのです。

 そうすることにより、再発防止対策は、担当者としては「人間だからミスがあると
の前提認識に立って、入力後チェックをしてから次のクリックに進むことを習慣化す
る」、会社としては「最終クリック前に『入力ミスがないことを確認して下さい』と
いうアラームをソフトに追加する」などとなることでしょう。

 このことにより、初めて再発しにくい対策が期待できるのです。

1.コンピテンシー「問題解決力」の定義付けは?

 例えば、「万一クレームやトラブルが発生した場合、確実な処理ができる」という
のはいかがでしょうか。

 その場合、企業は生き物ですから、まず「応急処置」を真っ先にやることです。応
急処置をやったうえで、恒久対策として「動機的原因」を追求し、それに対する対策
を講じることが大切です。

2.どんな行動基準が考えられるか

 例えば、「過去のクレームやトラブル例から再発防止対策マニュアルを作成し、活
用できるようにする」というのはいかがでしょうか。これは是非職場ぐるみでチーム
で話し合いながら完成させていくことをお勧めします。これを完成させておけば、職
場異動してきた人や新人の教育にも活用できるからです。

 例えば、「クレームやトラブル発生時、自分で処理できる範囲か、上司に相談しな
ければならない範囲かの判断が適切にできる」というのはいかがでしょうか。「君、
なぜそれをもっと早く言ってくれないんだ」と怒鳴られるようではビジネスマン失格
です。だからといって何でもかんでも上司に丸投げでは困ります。

 是非「問題解決力」のブラッシュアップに取り組んで見ましょう。

【3】編集後記

 新聞に掲載されている企業のお詫び広告を読んで見ますと「一部混入し・・・」、
「極めてまれに・・・」、「今後は管理を強化して・・・」といったお決まりの文言
が並んでいますね。これでは再発防止は図れないのです。

 本来は、不良やその他の問題発生に対しても「不良予防」、「問題発生予防」に力
を入れるべきなのです。しかし、何も管理しなくともたまたま不良や問題が発生しな
い場合があります。そうすると味をしめて、予防にコストをかけるのはムダと考えて
しまうきらいがあります。是非改めるべきです。

 次回に続く
 次回は、コンピテンシー計画性」の磨き方を解説します。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 発行責任者:さいたま市中央区上落合8丁目1-20-304
         彩愛コンサルピア代表 下山明央


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