■Vol.222(通算463)/2011-12-19号:毎週月曜日配信
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労務・法務の知恵袋
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■■■ 【 キャンセル料 ≦ 平均的な損害の額 (その1) 】
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☆☆☆ キャンセル料 ≦ 平均的な損害の額 (その1) ☆☆☆
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消費者と
事業者の間で締結される
契約(除く
労働契約)は消費者
契約と
言われ、
消費者契約法という消費者の利益を保護する法律が適用されます。
その中には、
契約解除に伴う
損害賠償額の予定や
違約金を定めている
契約条項について、その金額が解除に伴ってその
事業者にふつう発生する
損害の額(これを「平均的な損害の額」といいます)を超える場合には、
その超える部分を無効とする定めがあります。
消費者契約法9条1号です。
この条文の適用ができるかどうかによって、消費者の立場からすれば
キャンセル料をとられるかどうか、
事業者の立場からすればキャンセル料を
とっていいかどうかが違ってきますので、この「平均的な損害の額」
というのが色々なところで問題になります。
結婚式場の予約を取り消した後で結婚式場の予約金を返してもらえるのか、
大学入学を取り消した後で入学金を返してもらえるのか、といった具合
ですが、今回は、年末・年始を控えている時期ですので、レストランや
居酒屋のキャンセルで問題になった判決を紹介して、読み物として、
イメージだけつかむことにします。
実はこれでも、消費者にとってかなり有利な判決ですが、とりあえず
読み物として読んでいただければ・・・。
《レストランパーティー予約キャンセル事件》
※平成14年の東京地裁判決の事案をお借りしました。
名称は勝手に付けたものです
===================================================================
● 事案の概要
===================================================================
4月8日、個人客がレストランに赴き、「6月10日に30名から40名で
料金1人当たり3980円の希望でパーティーをしたい。」という予約
を申し込んだ。
その際、店員は客に
「予約キャンセルは、原則前日までキャンセル料は不要ですが、別の客から
日程上重なり合う予約又は問い合わせを受けて、先に予約した客に確認
した上で、先の予約客が実施すると確答した場合、その後のキャンセルは
営業保証料として1律1人当たり5229円を徴収する規約になって
います。」
と説明し、客はこの説明を了解した。
レストランは、翌9日、予約した客に
「他の客からお客様と同日同時刻頃80名の予約の問い合わせが来たのですが、
予約に変更はありませんか。」
と予約の確認をした。
客は「パーティーは実施します。」と返答し、1人当たりの料金を4500円
にするとの予約で確定したので、レストランは80名の予約申込を断った。
しかし、客はその日の夜のうちにやっぱりキャンセルしたいと電話してきた。
これに対し、レストランは、他の客を断った後なので、規約により営業
保証料が発生すると返事したが、客は翌10日、改めて予約キャンセル
すると伝えた。
そこで、レストランは予約をキャンセルした客に規約通りの営業保証料
(1人当たり5229円)の40人分である20万9160円の支払を
請求して、
簡易裁判所に提訴した。
簡易裁判所は、予約人数30名を基準として1人当たり5229円の
合計15万6870円の営業保証料の請求を認めたので、客は、これを
不服として
控訴をした。
===================================================================
● 東京地裁の判決概要
===================================================================
本件予約は
事業者と個人客との間のパーティーを内容とするサービス
契約
であり、
消費者契約法が適用になる。
そして、レストランの請求する営業保証料は、
契約解除に伴う
損害賠償の
額の予定又は
違約金の約定に当たるから、
消費者契約法9条1号によると、
「平均的な損害」は請求できるが、これを超える額は法律上無効である。
そこで、本件の「平均的な損害」が幾らであるかであるが、客に有利な事情
★本件キャンセルは開催日から2か月前のキャンセルであり、
他の客からの予約が入る可能性が高い。
★レストランは本件予約キャンセルにより本件パーティーにかかる
材料費、
人件費等の支出をしなくて済んだ。
と、レストランに有利な事情
★レストランは本件キャンセルがなければ
営業利益を獲得することができた。
★本件パーティーの開催日は仏滅であり結婚式2次会などが行われにくい日であった。
★本件キャンセルは客の自己都合であった。
★客自身3万6000円程度の営業保証料の支出はやむを得ないと考えていた。
に、本件では旅行業界における標準
約款のようなものがなく、本件予約と
同種の消費者
契約のキャンセルに伴い
事業者に生ずべき平均的な損害額を
算定する証拠資料に乏しいことなどを総合考慮し、民訴法248条を
適用して、1人当たりの料金4500円の3割に予定人数の平均である
35名を乗じた4万7250円を「平均的な損害」であると認めた。
(弁護士 緒方義行
http://www、fuso-godo、jp/)
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おかげさまで、C Cubeコンサルティングは平成23年夏、
創業15周年を迎えました。
皆様のご愛顧の賜物と、深く感謝申し上げます。
記念イベントのひとつとしてホームページを
リニューアル
いたしました。ご覧頂ければ幸いです!
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その中には、契約解除に伴う損害賠償額の予定や違約金を定めている
契約条項について、その金額が解除に伴ってその事業者にふつう発生する
損害の額(これを「平均的な損害の額」といいます)を超える場合には、
その超える部分を無効とする定めがあります。
消費者契約法9条1号です。
この条文の適用ができるかどうかによって、消費者の立場からすれば
キャンセル料をとられるかどうか、事業者の立場からすればキャンセル料を
とっていいかどうかが違ってきますので、この「平均的な損害の額」
というのが色々なところで問題になります。
結婚式場の予約を取り消した後で結婚式場の予約金を返してもらえるのか、
大学入学を取り消した後で入学金を返してもらえるのか、といった具合
ですが、今回は、年末・年始を控えている時期ですので、レストランや
居酒屋のキャンセルで問題になった判決を紹介して、読み物として、
イメージだけつかむことにします。
実はこれでも、消費者にとってかなり有利な判決ですが、とりあえず
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《レストランパーティー予約キャンセル事件》
※平成14年の東京地裁判決の事案をお借りしました。
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● 事案の概要
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4月8日、個人客がレストランに赴き、「6月10日に30名から40名で
料金1人当たり3980円の希望でパーティーをしたい。」という予約
を申し込んだ。
その際、店員は客に
「予約キャンセルは、原則前日までキャンセル料は不要ですが、別の客から
日程上重なり合う予約又は問い合わせを受けて、先に予約した客に確認
した上で、先の予約客が実施すると確答した場合、その後のキャンセルは
営業保証料として1律1人当たり5229円を徴収する規約になって
います。」
と説明し、客はこの説明を了解した。
レストランは、翌9日、予約した客に
「他の客からお客様と同日同時刻頃80名の予約の問い合わせが来たのですが、
予約に変更はありませんか。」
と予約の確認をした。
客は「パーティーは実施します。」と返答し、1人当たりの料金を4500円
にするとの予約で確定したので、レストランは80名の予約申込を断った。
しかし、客はその日の夜のうちにやっぱりキャンセルしたいと電話してきた。
これに対し、レストランは、他の客を断った後なので、規約により営業
保証料が発生すると返事したが、客は翌10日、改めて予約キャンセル
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そこで、レストランは予約をキャンセルした客に規約通りの営業保証料
(1人当たり5229円)の40人分である20万9160円の支払を
請求して、簡易裁判所に提訴した。
簡易裁判所は、予約人数30名を基準として1人当たり5229円の
合計15万6870円の営業保証料の請求を認めたので、客は、これを
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● 東京地裁の判決概要
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本件予約は事業者と個人客との間のパーティーを内容とするサービス契約
であり、消費者契約法が適用になる。
そして、レストランの請求する営業保証料は、契約解除に伴う損害賠償の
額の予定又は違約金の約定に当たるから、消費者契約法9条1号によると、
「平均的な損害」は請求できるが、これを超える額は法律上無効である。
そこで、本件の「平均的な損害」が幾らであるかであるが、客に有利な事情
★本件キャンセルは開催日から2か月前のキャンセルであり、
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★レストランは本件予約キャンセルにより本件パーティーにかかる材料費、
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と、レストランに有利な事情
★レストランは本件キャンセルがなければ営業利益を獲得することができた。
★本件パーティーの開催日は仏滅であり結婚式2次会などが行われにくい日であった。
★本件キャンセルは客の自己都合であった。
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に、本件では旅行業界における標準約款のようなものがなく、本件予約と
同種の消費者契約のキャンセルに伴い事業者に生ずべき平均的な損害額を
算定する証拠資料に乏しいことなどを総合考慮し、民訴法248条を
適用して、1人当たりの料金4500円の3割に予定人数の平均である
35名を乗じた4万7250円を「平均的な損害」であると認めた。
(弁護士 緒方義行
http://www、fuso-godo、jp/)
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