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“会社法”等のポイント(135)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第190号/2012/1/16>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(135)」
 3.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 2012年も、2週間ほど過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか?
 天に駆け上る龍のごとく、飛躍の辰年にしたいものですね・・・

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

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 2.「会社法務編─中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(135)」
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★本稿では、「平成23年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第9回は、「株主総会の決議」に関する問題です。
  ※本稿では、便宜上、
   問題文・設問肢を一部変更している場合がありますので、ご了承ください。

■種類発行株式会社でない甲株式会社において、
 株主Aが200株、株主Bが180株、株主Cが100株、株主Dが40株、株主Eが20株
 をそれぞれ保有し、
 その他に株主が存しない場合における株主総会の決議に関する次の記述のうち、
 当該決議が可決されるものはどれか。
 なお、定款に法令の規定と異なる別段の定めはなく、
 また、いずれの株主総会の決議においても、
 議決権を行使することができる株主の全員が出席し、
 かつ、議決権の不統一行使はされていないものとする(午前─第30問)。
1.全部の株式の内容として
  譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の
  定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会の決議において、
  AおよびBのみが賛成する場合
 □正解: ×(可決されない)
 □解説
  本肢の場合(会社法107条1項1号・2項1号)は、
  「特殊決議」が必要となります(同法309条3項1号)が、同決議は、
  「当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上
  (これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、
  当該株主議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、
  その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない」
  と規定されています。よって、本肢の場合、
  「議決権を行使することができる株主の半数以上(3人以上)」
  との決議要件を満たしていませんので、可決されません。

2.準備金の額の減少に関する事項を定める株主総会の決議において、
  BおよびCのみが賛成する場合
 □正解: ○(可決される)
 □解説
  本肢の場合(会社法448条1項)は、
  「普通決議」で足ります(同法309条1項)が、同決議は、
  「株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、
  議決権を行使することができる株主議決権の過半数を有する株主が出席し、
  出席した当該株主議決権の過半数をもって行う」
  と規定されています。
  よって、本肢の場合、決議要件を満たしていますので、可決されます。

3.株主との合意による自己の株式の有償取得に関する事項の決定に併せて、
  取得価格等の通知をBのみに対して行う旨を定める株主総会の決議において、
  AおよびDのみが賛成する場合
 □正解: ○
 □解説
  本肢の場合(会社法156条1項、160条1項)は、
  「特別決議」が必要となります(同法309条2項2号)が、同決議は、
  「当該株主総会において議決権を行使することができる株主議決権の過半数
  (3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)
  を有する株主が出席し、
  出席した当該株主議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、
  その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
  この場合においては、当該決議の要件に加えて、
  一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件
  を定款で定めることを妨げない」
  と規定されています。よって、本肢の場合、
  特定の株主Bは、議決権を行使することができず(同法160条4項)、
  決議要件を満たしていますので、可決されます。

4.甲株式会社会社法上の公開会社でない場合に、
  残余財産の分配を受ける権利に関する事項につき
  株主ごとに異なる取扱いを行う旨の
  定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会の決議において、
  A、BおよびEのみが賛成する場合
 □正解: ×
 □解説
  本肢の場合(会社法109条2項)は、
  「特殊決議の例外決議」が必要となります(同法309条4項)が、同決議は、
  「総株主の半数以上
  (これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、
  総株主議決権の4分の3(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、
  その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない」
  と規定されています。よって、本肢の場合、
  「総株主議決権の4分の3以上に当たる多数(405個以上)」
  との決議要件を満たしていませんので、可決されません。

5.監査役解任する株主総会の決議において、AおよびCのみが賛成する場合
 □正解: ×
 □解説
  本肢の場合(会社法339条1項)は、
  「特別決議」が必要となります(同法309条2項7号/決議要件は、肢3参照)。
  よって、本肢の場合、
  「出席した当該株主議決権の3分の2以上に当たる多数(360個以上)」
  との決議要件を満たしていませんので、可決されません。

★次号では、「委員会設置会社執行役」について、ご紹介する予定です。

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 3.編集後記
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★第180通常国会が、まもなく召集される予定です・・・
※)http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/17-e09d.html
■本号は、いかがでしたか?
 次号の発行は、2012/2/3(金)を予定しています。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 津留行政書士事務所(http://www.n-tsuru.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
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