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どうなる?労働契約法(1)~採用内定と内定取消(1)

労働契約法制新設、労働時間法制の審議が、2007年の通常国会提出を目指して進められています。
労使の対立点も多く、すんなりとまとまりそうにはありませんが、何らかの形で成立するものと思われます。

採用から退職まで、労働関係に関するおよそすべての事項を網羅すると言ってもいいこの労働契約法、施行となると、人事労務への影響も相当大きなものになります。

そこでこのコラムで、この労働契約法制、そして労働時間法制の各項目についてみていくことにします。
「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」、「今後の労働時間制度に関する研究会」報告に沿って、現行法制や判例、そして研究会の報告と厚労省案を見ていきます。

まずは、「労働契約の成立」について。
採用内定に関する問題を何回かに分けて見ていきましょう。

1.採用内定と内定取り消し

(1)採用内定とは

採用内定とは何でしょうか?
内定はあくまでも「内定」。働き始めたわけではありません。
その場合、労働契約は成立しているのでしょうか?

これにはいろいろな学説がありましたが、最高裁は「入社日等を始期とする解約権留保付労働契約が成立した」と解釈しています。

つまり、こういうことです。
採用内定は、解約権を会社が留保した特別な労働契約が成立したということである。
(会社が採用内定通知を出し、内定者が誓約書を提出した時点と成立と考えてよいでしょう。)
・従って、内定取り消し=解雇である。

(2)内定取り消し

「卒業できなかった」などの「内定取り消し事由」が発生した場合には解約権が行使できます。
内定取り消し事由は、「誓約書」に書くのが一般的です。
ですから、この誓約書の作り方は相当注意が必要です。
そこに書いていない理由で「内定取り消し」とすると、「無効」と判定される可能性大です。
そのため、「その他の事由によって勤務に不適当と認められたとき」という、包括的な文言を入れておくのが一般的ですが、それがあるから言って「何でもあり」にはなりません。

また、誓約書に書いてあれば、何でもOKかというと、そうとも限りません。

ここで、最高裁判決を引用してみます。
内定取り消しが有効か否かは、「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的な合理性・相当性の有無を判断する」ということです。

そして、この「解約権留保の趣旨・目的」とは、「採用内定時点でその者の資質、性格、能力などが未知であり、判断要素が不十分であるため、その後の調査や観察に基づいて最終的な決定を留保すること」としています。

ちなみにこの最高裁判決の元となった事件は、「グルーミーな印象なので当初から不適格と思われたが、それを打ち消す材料が出るかもしれないので採用内定としておいたところ、そのような材料が出なかった」というもの。
確かにこれでは、無効と判定されても仕方ありません。

いずれにしろ、ここは結構悩ましい問題です。
「内定時点で知ることができたか、否か」という点の判断は、見方によってだいぶ異なりますから。


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