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弁護士
法人クラフトマン 第193号 2017-04-25
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http://www.ishioroshi.com/btob/soudan_firstb.html
顧問弁護士
契約(
顧問料)についての詳細
http://www.ishioroshi.com/btob/komon_feeb.html
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前書き 論文掲載のお知らせ
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この度、弊所代表石下ら2名の弁護士で執筆しました「
事業者名
表示に代わる登録
商標の表示」という論文が、日本知的財産協会(
JIPA)が発行する「知財管理」誌2017年3月号に掲載されました。
同論文は、
事業者名表示に代えて登録
商標等を表示することがで
きる旨規定している代表的な法令を解説し、
商標の機能から若干の
考察を加えるという、少し違った観点から
商標制度を俯瞰するもの
です。
同論文は、以下のURLからご覧になれます。
http://www.ishioroshi.com/biz/chizai_kanri201703/
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1 今回の事例 トワイニング紅茶と並行輸入における
商標権侵害
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東京地裁平成28年11月24日判決
A社が、トワイニング(TWG)社の登録
商標TWG/TEAが
表示されたティーバッグを輸入し、透明のビニール袋に入れて販売
していました。
これに対し、TWG社は、当該販売が
商標権を侵害すると主張し、
販売の差止と廃棄、謝罪広告、
損害賠償を請求しました。
なお、TWG社は不正競争防止法違反も主張していますが、本稿
では
商標権侵害の点を取り上げます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2 裁判所の判断
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
裁判所は以下のとおり判断し、TWG社の請求を認めませんでし
た。
● A社が販売した商品(密封された包装袋内に紅茶の茶葉が入っ
た綿製のティーバッグが納められたもの)は、TWG社から第三者
を経てA社が輸入し、外観及び内容が変えられることなく、TWG
社が製造したままの状態で流通し、販売された。
● TWG社が日本で販売する商品は、A社の商品と同一の外観を
有する包装袋(紅茶の茶葉が入った綿製のティーバッグが納められ
ている)が透明のビニールで包装された化粧箱に詰められている。
● A社の販売する商品に付した標章は
商標権者であるTWG社が
付したものであり、TWG社の
商標と同一の出所を表示する。
● A社は、密封された包装袋内に茶葉が納められた商品を段ボー
ル箱から取り出して20個ずつ透明な袋に入れたにとどまり、商品
それ自体には改変を加えていないから、包装方法によって紅茶の品
質が直ちに影響するとは考え難い。証拠上も茶葉としての品質を異
にしていることはうかがわれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3 解説
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(1)並行輸入と
商標権侵害の成否
本件は、いわゆる並行輸入に対して
商標権者が
商標権侵害を主張
したケースです。並行輸入とは、日本国内に
商標権がある
商標を付
した商品を、
商標権者の同意を得ないで輸入することをいい、一見
すると
商標権を侵害するように見えます。
しかし、ちまたに多くの並行輸入品が見られるように、現在は多
くの並行輸入が
商標権の侵害とはされていません。これは、判例上、
並行輸入が一定の条件を満たせば
商標権の侵害とはならないことが
示されてきたからです。
具体的には、以下のすべてを満たす場合、並行輸入は
商標権侵害
とはならないとされています。
(a)真正商品であること
当然のことですが、並行輸入商品が偽物ではなく、輸入元の外国
における
商標権者やライセンシーにより
商標が適法に付された「真
正品」であることが必要です。
(b)出所の同一性
日本の
商標権者と輸出元国における
商標権者が同一人であるか、
又は法律的若しくは経済的に見て一体といえる関係にあって実質的
に同一人であると認められることが必要です。
例えば、輸出元国での
商標権者はメーカーであり、日本での
商標
権者はその販売子会社というケースはこれに該当します。
(c)
商標の品質保証機能が害されていないこと
並行輸入商品と、日本の
商標権者の販売する商品との間に、日本
の登録
商標の保証する品質において実質的に差異がないことが必要
です。
商標権のもう一つの機能として、「トワイニングの紅茶ならこれ
これの品質だろう」という、特定のブランドの持つ品質を保証する
機能があります。この点、並行輸入によって販売される商品が日本
で販売されているものと品質が異なると、
商標のこの機能が害され
てしまい、
商標権を実質的に害することになるからです。
(2)実務上の留意点~品質保証機能の観点から
並行輸入の要件のうち、留意すべきものの一つは、「品質保証機
能」が害されていないかについてきちんと確認する必要があるとい
う点です。
例えば、今回のケースでは裁判所は品質保証機能は害されていな
いと判断しましたが、小分けや再包装の方法によっては異物混入の
可能性などが残り、
商標権の侵害にあたると判断される場合もあり
ます。また、元の商品に変更を加えたり付属品を装着するなどの加
工をする場合も侵害の可能性が生じます。
また、例えば、海外の
商標権者からライセンスを受けたライセン
シーが、ライセンス条件には特定の国での製造が禁止されているの
に、それに反してその国で製造された商品が並行輸入されたという
場合も、品質保証機能が害されるとして
商標権侵害が認められる可
能性があります。
それで、自社で並行輸入をしようという場合には、その商品が真
正商品であることだけではなく、品質保証の機能を害さないような
ところがないか、
商標法の観点から十分に確認することは重要とな
ると思われます。
他方、正規
代理店の立場では、並行輸入品が上のような観点から
商標権を侵害する要因がないのかをきちんとチェック・監視するこ
とも重要になると思われます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
4 弊所ウェブサイト紹介~
商標法 ポイント解説
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弊所のウェブサイトの法律情報の解説のページには、ビジネス・企
業に関係した法律情報に関する豊富な情報があります。
例えば本稿のテーマに関連した
商標については、
http://www.ishioroshi.com/biz/kaisetu/shouhyou/index/
にあるとおり、効果的な
商標の選び方から出願、ライセンス、紛争
解決の方法まで、
特許法に関する解説が掲載されています。必要に
応じてぜひご活用ください。
なお、同サイトは今後も随時加筆していく予定ですので、同サイト
において解説に加えることを希望される項目がありましたら、メー
ルでご一報くだされば幸いです。
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本稿の無断複製、転載はご遠慮ください。
ただし、本稿の内容を社内研修用資料等に使用したいといったお申
出については、弊所を出典として明示するなどの条件で、原則とし
て無償でお受けしています。この場合、遠慮なく下記のアドレス宛、
メールでお申出ください。
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【執筆・編集・発行】
弁護士・弁理士 石下雅樹(いしおろし まさき)
東京事務所
〒160-0022 東京都千代田区丸の内1-5-1
新丸の内ビルディング11階
弁護士
法人クラフトマン東京国際
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この度、弊所代表石下ら2名の弁護士で執筆しました「事業者名
表示に代わる登録商標の表示」という論文が、日本知的財産協会(
JIPA)が発行する「知財管理」誌2017年3月号に掲載されました。
同論文は、事業者名表示に代えて登録商標等を表示することがで
きる旨規定している代表的な法令を解説し、商標の機能から若干の
考察を加えるという、少し違った観点から商標制度を俯瞰するもの
です。
同論文は、以下のURLからご覧になれます。
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1 今回の事例 トワイニング紅茶と並行輸入における商標権侵害
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東京地裁平成28年11月24日判決
A社が、トワイニング(TWG)社の登録商標TWG/TEAが
表示されたティーバッグを輸入し、透明のビニール袋に入れて販売
していました。
これに対し、TWG社は、当該販売が商標権を侵害すると主張し、
販売の差止と廃棄、謝罪広告、損害賠償を請求しました。
なお、TWG社は不正競争防止法違反も主張していますが、本稿
では商標権侵害の点を取り上げます。
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2 裁判所の判断
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裁判所は以下のとおり判断し、TWG社の請求を認めませんでし
た。
● A社が販売した商品(密封された包装袋内に紅茶の茶葉が入っ
た綿製のティーバッグが納められたもの)は、TWG社から第三者
を経てA社が輸入し、外観及び内容が変えられることなく、TWG
社が製造したままの状態で流通し、販売された。
● TWG社が日本で販売する商品は、A社の商品と同一の外観を
有する包装袋(紅茶の茶葉が入った綿製のティーバッグが納められ
ている)が透明のビニールで包装された化粧箱に詰められている。
● A社の販売する商品に付した標章は商標権者であるTWG社が
付したものであり、TWG社の商標と同一の出所を表示する。
● A社は、密封された包装袋内に茶葉が納められた商品を段ボー
ル箱から取り出して20個ずつ透明な袋に入れたにとどまり、商品
それ自体には改変を加えていないから、包装方法によって紅茶の品
質が直ちに影響するとは考え難い。証拠上も茶葉としての品質を異
にしていることはうかがわれない。
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3 解説
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(1)並行輸入と商標権侵害の成否
本件は、いわゆる並行輸入に対して商標権者が商標権侵害を主張
したケースです。並行輸入とは、日本国内に商標権がある商標を付
した商品を、商標権者の同意を得ないで輸入することをいい、一見
すると商標権を侵害するように見えます。
しかし、ちまたに多くの並行輸入品が見られるように、現在は多
くの並行輸入が商標権の侵害とはされていません。これは、判例上、
並行輸入が一定の条件を満たせば商標権の侵害とはならないことが
示されてきたからです。
具体的には、以下のすべてを満たす場合、並行輸入は商標権侵害
とはならないとされています。
(a)真正商品であること
当然のことですが、並行輸入商品が偽物ではなく、輸入元の外国
における商標権者やライセンシーにより商標が適法に付された「真
正品」であることが必要です。
(b)出所の同一性
日本の商標権者と輸出元国における商標権者が同一人であるか、
又は法律的若しくは経済的に見て一体といえる関係にあって実質的
に同一人であると認められることが必要です。
例えば、輸出元国での商標権者はメーカーであり、日本での商標
権者はその販売子会社というケースはこれに該当します。
(c)商標の品質保証機能が害されていないこと
並行輸入商品と、日本の商標権者の販売する商品との間に、日本
の登録商標の保証する品質において実質的に差異がないことが必要
です。
商標権のもう一つの機能として、「トワイニングの紅茶ならこれ
これの品質だろう」という、特定のブランドの持つ品質を保証する
機能があります。この点、並行輸入によって販売される商品が日本
で販売されているものと品質が異なると、商標のこの機能が害され
てしまい、商標権を実質的に害することになるからです。
(2)実務上の留意点~品質保証機能の観点から
並行輸入の要件のうち、留意すべきものの一つは、「品質保証機
能」が害されていないかについてきちんと確認する必要があるとい
う点です。
例えば、今回のケースでは裁判所は品質保証機能は害されていな
いと判断しましたが、小分けや再包装の方法によっては異物混入の
可能性などが残り、商標権の侵害にあたると判断される場合もあり
ます。また、元の商品に変更を加えたり付属品を装着するなどの加
工をする場合も侵害の可能性が生じます。
また、例えば、海外の商標権者からライセンスを受けたライセン
シーが、ライセンス条件には特定の国での製造が禁止されているの
に、それに反してその国で製造された商品が並行輸入されたという
場合も、品質保証機能が害されるとして商標権侵害が認められる可
能性があります。
それで、自社で並行輸入をしようという場合には、その商品が真
正商品であることだけではなく、品質保証の機能を害さないような
ところがないか、商標法の観点から十分に確認することは重要とな
ると思われます。
他方、正規代理店の立場では、並行輸入品が上のような観点から
商標権を侵害する要因がないのかをきちんとチェック・監視するこ
とも重要になると思われます。
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4 弊所ウェブサイト紹介~商標法 ポイント解説
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弊所のウェブサイトの法律情報の解説のページには、ビジネス・企
業に関係した法律情報に関する豊富な情報があります。
例えば本稿のテーマに関連した商標については、
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にあるとおり、効果的な商標の選び方から出願、ライセンス、紛争
解決の方法まで、特許法に関する解説が掲載されています。必要に
応じてぜひご活用ください。
なお、同サイトは今後も随時加筆していく予定ですので、同サイト
において解説に加えることを希望される項目がありましたら、メー
ルでご一報くだされば幸いです。
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