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入社辞退者の健康診断料

中高「生」と中高「年」は一字違いだけなのに、中高「生」には、棋士の藤井4段みたいにスーパーな人が
最近脚光を浴びている反面、中高「年」サラリーマンは、相変わらず会社では厳しい目にさらされているようです
“中高年と中高生が違うのは当たり前だろ”、“何を馬鹿なことを言ってるんだ”と憤る方も多いと思います。
たしかにその通りですが、字面を見てみれば分かるように、たった1文字違いでしかありません。
“中高生のみなさん集まってエ~”などとイベントで綺麗なおねーさんが声をかければ、きっと中高年が
何人か混じって(中にはわざと間違える人もいて)集まって来るでしょう。
でも、“あれ、俺ってもう中高年か?”と戸惑う人も必ず居るはずです。それに中高年の一部の人は、
いつまでも自分は若いと思っています。“まだまだ若い奴とそれほど違ってないぞ”と大きな勘違いさえ
している人もいます。

花に例えれば、中高生はまだ蕾であり、花が咲くのはだいぶ先です。一方、中高年はすでに花は咲いてしまって、
あとは枯れていくだけ(すでに枯れた人もいる)と茶化す人もいます(ちょっと言い過ぎ?)。
更にいえば、中高生は青春期の真っ只中にあって、未来は限りなく開けている訳ですが、中高年は、青春期は
すでに遠い彼方へと消え去っていて、あとは「限りあるイノチの灯火が消える日を待つばかり」と既に諦観の境地に
入っている人もチラホラ見かける年代です。

また、若者とされるのは34歳までという有力な説もあるそうです。とすると、35歳から既に中年ということ
になってしまい、中高年の年齢の幅にはかなりの広がりがある(35歳~70歳位までが中高年とする説もあり)
ことになります。また、人それぞれ異なる価値観で生きているので簡単に一括りには出来ないのですが、
概ね、中高年になると社会での責任も重くなり、家庭も持って、生きて行く上で受けるプレッシャーは
随分と大きくなってきます。
サラリーマンなら、会社では中間管理職以上となり、部下を指導、管理する立場になっているでしょう。
そして、毎日職場では判断力や決断力が求められ、それらが不得意な人は、部下からは冷ややかな目で
見られているかもしれません。そして、それが負担となって段々と心理的に参ってしまい、“管理職は嫌だ、
平社員に戻りたい”と願う人も出てくるようです。

そんな中高年男性を説得する殺し文句としては、「介護、熟年離婚、マネジメント」の3つがよく使われ、
「三大ホラー」とも言われるそうです。 まず最初が、介護。“子供のおむつを替えるなんてイヤだね”と
家族に背を向けてきた人は、やがて自分が要介護状態になった時に、“爺さんのおむつを替えるなんてイヤだね”
と家族に言われ、因果応報の悲哀を味わうようです。
「自分のおむつを子供に替えて貰えない、誰にも面倒を見て貰えない」というのが「介護ホラー」です。
次が「熟年離婚ホラー」です。女性たちにライフステージによって愛情の配分先の変化を回答して貰った調査に
よると、結婚直後は愛情配分先のトップは「夫」ですが、これは一時期のあだ花に過ぎないそうです。
子供が生まれると子供がトップの座につき、夫への愛情はガクッと下がります。そしてその後は、徐々に
回復して行くグループと、低迷したままのグループに二極化するそうです。 つまり、大変な思いをした乳幼児期に
「夫と二人で子育てした」と回答した女性たちの夫への愛情は回復し、「私一人で子育てした」と回答した女性たち
の愛情は低迷したままで回復しないのです。 その行きつく先は、定年後の「熟年離婚」が現実味を帯びて来て
しまいます。子供の幼児期にこの相関関係に気づいてゾッとして、一生懸命に育児をやるようになった人も、
最近は出てきているようです。

 最後が、「マネジメントホラー」です。24時間365日働いて当たり前という価値観の人に、
「ダイバーシティやワークライフバランスをきちんと理解しないと、挫折するリスクがある」と気づかせる
最新のホラーです。つまり、長時間労働や不規則勤務の多い人ほど健康を損なったり、癌を発症するリスクが大
となり、家庭崩壊のリスクにも晒されてしまうというのが昨今広がっている考え方です。
突然、奥さんから三くだり半を突き付けられたり、あるいは子供がぐれて、家庭がガタガタとなって、仕事にも
しわ寄せが来るというパターンです。更に、部下をうつ病患者にまで追いやってしまうと「あいつは仕事はできるが、
マネジメントはダメだ」というレッテルを貼られかねません。こうみると「中高年」は実に大変そうです。

では、「どうしたら良いのか?」。実に簡単です。八方に目を配って万事無難に「中高年」を卒業して、
早く「高齢者」になることです。私のような年季の入った高齢者にでもなれば実に気が楽になります。
何しろ、憂鬱なことや嫌なことがあっても直ぐに忘れてしまいますから・・・・。

前回の「改正育介法が10月より施行」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「入社辞退者の健康診断料」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「入社辞退者の健康診断料」
────────────────────────────────
雇入れ時の健康診断を実施して間もなく、「入社辞退」の申し入れがあった場合、
健康診断にかかった費用を本人に請求できるかどうかについて、実務で問題になる
ことがあります。法的解釈は、以下の通りです。
労働安全衛生法第 66 条は、会社に健康診断の実施を義務付け、また、労働者
対し会社が行う健康診断を受けることを義務付けています。そして、この健康診断
には、雇入れ時の健康診断が含まれています。 ところで、健康診断費用
については、通達で、労働安全衛生法第 66 条「第1項から第4項までの規定により
実施される健康診断費用については、法で事業者健康診断の実施に義務を課して
いる以上、当然事業者が負担すべきものであること」(昭 47.9.18 基発第602 号)
とされています。したがって、会社が当然に健康診断費用を負担するわけですが、
本ケースのように入社前に退職してしまった場合はどうなるのでしょうか。
このような場合、入社前か否かにかかわらず、雇入れ時の健康診断を行ったのであれば、
その費用は会社が負担することになります。結果として入社を辞退した場合であっても、
健康診断実施義務が会社にあり、会社が負担すべき費用とされている以上、辞退したから
といって本人に求めることはできず、会社が負担することになります。

<実務の視点>
本件のようなケースを防ぐために、雇入れ時の健康診断を入社後に実施すればよいのでは
ないかという考え方もあります。雇入れ時健康診断の実施時期については明確な定めが
ありませんが、雇入れ時の健康診断は「常時使用する労働者を雇い入れた際における
適正配置、入職後の健康管理の基礎資料に資するための健康診断の実施を規定したもの」
(昭 47.9.18 基発第 601 号の 1)とする通達がありますので、入社後数ヵ月してから
行うのでは遅いと考えられています。

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