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コラムの泉

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ハラスメントの潜在化

オフィスの窓から見える桜の花は、今が盛りの時期を迎え、青い空を背景に見事に咲き誇っています。
寒い冬を耐え忍び、春になると毎年キッチリと咲く桜。長い雌伏の期間を過ごした後に、綺麗な花をぱっと咲かせ、
そしてあっという間に散って行きます。
そんな桜を観るたびに小学生の頃の担任だった女性教師の言葉を思い出します。─『頑張れば願いは叶うと先生達は
教えるけど、実は努力しても実らないこともあります。でも自分の夢を叶えた人は、みんな努力していますよ』─。
当時はあまりこの意味を理解できず、なんのこっちゃと思っていました。
然し、大人になるにつれてその意味がひしひしと分かるようになり、実感もするようになりました。その先生は
間もなく病気のため教師を辞めたそうですが、あの時の言葉は、小学生から中学生へと大人に近づいて行く子供たちに
送った、教師としての最後の別れのエールだったのかもしれません。
この言葉は今でも私の心に残り、桜の花を観るたびに思い出します……。
結果が実るか実らないかに拘らず努力することが大事。頑張る人にはチャンスが与えられるということを早いうちに
教えられた私は幸運でした。
最近、日本人も随分と長生きするようになり「人生100年時代」を迎えたと言われています。それに連れ高齢者問題が
クローズアップされて、2025年問題が取沙汰されるようにもなりました。2025年問題とは、いわゆる「団塊の世代」が
全て75歳以上の後期高齢者となり、日本が超高齢化社会になることに附随して起こる問題を指します。
「団塊の世代」とは、1947~1949年に生まれた世代を指し、人口統計上、最も人数が多い世代です。この世代の幼少期は
戦後混乱期に重なりますが、小学校に上がる頃から日本経済には成長の兆しが見え始め、1956年の経済白書で
「もはや戦後ではない」と謳われ、高度成長期に突入して行った時期でした。以後この世代は、日本中が
「イケイケドンドン」のムードが湧いていた中で児童期から青年期までを過ごすという、自分の成長と社会の成長が
ピッタリ重なった幸運な世代と言われました。然し、この世代も中高年の時期には逆風に晒されました。
50歳になった1998年に日本経済は急激に失速し、年間自殺者数が3万人にも達し、その多くがリストラの憂き目にあった
この世代の男性でした。
でも一言で高齢者といっても、健康状態、経済環境、経験や価値観などは千差万別です。高齢になるほど個人差が大きく
なるとも言われます。だから「人生100年時代」を“より良く”生きていく為には、各人が健康を維持し出来るだけ長く
自立生活を続けられることが肝心ということになるのでしょうか。

「アレはどうなったのかな?」、「ああ、アレね。アレは彼がアレしたようだよ」先日帰宅中の電車の中で、
ふとこんな会話が聞こえてきました。
具体的なことは何も言っていないのに、会話がかみ合っているシュールさ。
本当のところ、会話している二人それぞれが想像している「アレ」が一致しているかどうかも不明ですが、私は思わず
苦笑してしまいました。
とっさに固有名詞が出てこなくなる私たちの年頃には、よくある会話で、“あぁ俺と同じだ”と思ったからです。
人の名前が出てこない、昨日の夕食で何を食べたか忘れた、同じ物があるのにまた買ってしまった……。
こんな「もの忘れ」が頻発すると、いよいよ来たかと身構えてしまいます。それが度重なると、がっかりと落ち込むこと
もあります。
でも、あまり気にすることもないようです。忘れてもどうせ大したことにはならないからです(大したことになるような
重要なことは頭の調子がいいときにでも別途書き留めておくことが肝心。これさえ忘れなければ大丈夫)。
「忘れてもいいことは余り気にしない」。
これが残り少なくなった人生を、ストレスを貯めずに出来るだけ快適に過ごすための鉄則だと私は思っています……。
              
前回の「カスハラの放置は企業の責任」についての話は、如何でしたでしょうか。今回は、「ハラスメントの潜在化」
についての話をします。              

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「ハラスメントの潜在化」
無いように思えても、実際はハラスメントによる退職者が発生しているという可能性を示唆する調査があります
(パーソル総合研究所「職場のハラスメントについての定量調査」)。
ハラスメントによる離職は年間約87万人いて(2021年)、そのうち約7割の人が、ハラスメントが離職理由であることを
会社に伝えていないそうです。また、ハラスメントのなかで会社が実際に対応を行ったのは17.6%しかないとのことです。
労働力不足が続く状況の中で、あるいは会社が認知しない、あるいは未対応のハラスメントが存在することは、社会に
とっても会社の経営にとっても良いことはありません。
(1)「回避型マネジメント」
ハラスメントが問題となるようになり、上司がハラスメントを回避しようと、部下を飲み会やランチに誘わない、ミスを
してもあまり厳しく叱咤しないといった「回避型マネジメント」を行うようになり、部下は上司との距離感を感じるように
なったと話す若手も少なくないようです。
上司との距離感を感じている部下ほど、成長実感を得られていないため、人材の成長・定着に悪影響があるようです。
一方、ハラスメントを回避しながら部下を成長させている上司もいて、その特徴は、部下の意見や話について
「傾聴行動」をとり、マネジメントに公平性があるとの結果が出ています。ハラスメントの防止と部下の成長を両立
させるには、抑止策と共に職場での対話的コミュニケーションが重要なようです。
相談窓口や防止規定の整備とあわせて、こうした視点で管理職に対する研修を行うと、自社のハラスメント対策に
役立つかもしれません。

これらについてお困りのことがあれば、弊所にご相談ください。

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