こんにちは、
産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
弊社が、働く人の健康管理の事業を開始して、約10年が経過しました。
その中で、身体的・精神的健康を優先するあまり、社会的健康がおろそかになっている事例を多数見ることになりました。
身体的健康を優先するあまり、精神的・社会的に不健康になった社会的新型コロナウイルス禍という事例を、皆様も多く実感されたことでしょう。
WHO憲章にあるように、健康とは、身体的・精神的・社会的に健康であることです。さらに、職域では企業と
労働者の双方を健康にすることが必要です。
『企業利益をわかりやすく向上させる新規サービス』を用意しています。
是非、弊社を利用し、健康の向上を図ってください。
https://www.kenpomerit.com/
さらに、文末のように「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を
資産形成につなげる方法」及び「産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻
産業医ストラテジー(分担執筆者)」を成しています。是非、ご覧ください。
今回は、「【Q&A】
産業医を医道審議会に訴えたい場合、どうすればよいか?」について作成しました。
企業利益の向上という、精神的・社会的健康を向上させるために、弊社をご活用ください。
========================
【Q&A】
産業医を医道審議会に訴えたい場合、どうすればよいか?
========================
「【考察】医師の判断なら、健康管理上、テレビ局は悪くない」を投稿いたしましたが、大変なご反響とご意見をいただきました。
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-177477/
頂いたご意見を元に、以下の様にQ&Aを作成しました。ご参考いただければと思います。
健康リスク顕在化後のドブさらいに追われることなく、前向きな対応に努めてください。
Q:
産業医を医道審議会に訴えたい場合、どうすればよいか?
A: 医道審議会は、医師の倫理に関する問題や、医師の資格に関する処分を審議します。医師法第7条第3項において、医師に行政処分を行う際に、厚生労働大臣が意見を求める
委員会と定められています。
産業医は、医師なので、
産業医の行為に問題があると思われる場合、医道審議会に訴えることができます。
〇事実の整理
医道審議会に訴える前には、事実を整理する必要があります。また、必要な証拠を入手しておくことも必要です。
申出に必要となる情報は以下が挙げられます。
・申出者に関する情報:氏名、住所、連絡先
・訴えの対象となる
産業医(以下「不誠実
産業医」という。)に関する情報:氏名、選任事業所名
・訴えの内容:具体的な日時、場所、行為の内容
・行為の具体的内容:どのような行為が問題なのか(例:名義貸し、定期巡視の未実施、
刑事事件が疑われる事態の隠蔽など)
・被害状況:不誠実
産業医の行為によってどのような被害を受けたのか
また、証拠となる資料には、以下が挙げられます。特に、不誠実
産業医が医療機関に勤務している場合は、電子カルテ等に勤務実態が残っている可能性高く、名義貸しや定期巡視の未実施がある場合は、その証拠となります。
・音声データ
・写真、動画
・目撃者の証言書
・不誠実
産業医の業務実態(
衛生委員会議事録、職場巡視記録、電子カルテ、診療明細書、勤務記録等)
・不誠実
産業医の時給等の
報酬について推認される記録(一般的な医師の時給より著しく低い場合は、名義貸しの可能性があります。)
・不誠実
産業医以外の医師が、発行した情報提供依頼書(紹介状)に対する返信
※不誠実
産業医以外の医師が発行する情報提供依頼書(紹介状)については、医師により、不誠実
産業医が申出者に対して、どういった健康管理を行ったかについて文書により情報を求めることができます。もし、不誠実
産業医から返信が無かった場合、返信が無かった事実と期間を、情報提供依頼書(紹介状)を発行した医師から意見書を提出してもらうと良いでしょう。
〇相談
訴えるための相談について、弁護士、各都道府県の医務主管課又は医師会等に相談すると良いでしょう。相談内容に応じて、アドバイスや、必要な手続きについて教えてもらえることが見込めます。
その後、整理した事実をもとに、書面で訴えることになります。
〇医道審議会
医道審議会(厚生労働省の事務局)が訴えを受領した場合、都道府県知事に対して、不誠実
産業医の情報が照会されます。その際、不誠実
産業医は、事案について報告することが求められ、その後、行政処分対象事案報告書を作成することが求められます。
文書に基づき、医道審議会が処分の必要性があると認識した場合、不誠実
産業医には意見陳述の機会が与えられます。予定される処分の内容・軽重によって、与えられる意見陳述の機会の内容が異なります。
医道審議会の判断については、医道審議会医道分科会により、「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」が発出されています。そこに、「医療提供上中心的な立場を担うべきことを期待される医師、歯科医師が、その業務を行うに当たって当然に負うべき義務を果たしていないことに起因する行為については、国民の医療に対する信用を失墜するものであり、厳正な対処が求められる。」と示されています。
従って、厚生労働省は、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律において、
労働安全衛生法第13条第3項に、「
産業医は、
労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない。」を追記し、努力義務でなく義務が課されることになりました。
〇医道審議会による処分
医道審議会により、不誠実
産業医が医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者と厚生労働大臣に意見し、厚生労働大臣が処分を判断した場合、以下の処分が行われます。
・戒告
・三年以内の医業の停止
・免許の取消し
〇経営者に対して、医道審議会を利用する勧奨
「【考察】医師の判断なら、健康管理上、テレビ局は悪くない」にも示した様に、経営者は専門家を選び任せるまでが危険予知・危険回避義務になります。
従って、専門家が明らかに不誠実である証拠を、
従業員に握られた場合は、さらに
衛生委員会等の会議で社内公表された場合は、選んだ経営者の責任を問われるリスクがあります。
当然、
産業医を選任した際に、誠実に業務を行うか否かについて評価することは困難ですが、一定の期間を経て不誠実な実態が確認できたにも関わらず、放置していた場合は、責任を問われるリスクがあります。
経営者としては、専門家に任せた以上、
産業医により
従業員が不利益を得ていることを認め、その改善が乏しい場合は、
産業医に専門家としての責任を問うことが必要でしょう。
産業医に業務の改善を求めても、改善が無い場合は、経営者の一定の正当性を行政に評価してもらうために、医道審議会を利用することをお勧めします。
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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を
資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/
産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻
産業医ストラテジー(分担執筆者)
https://www.e-bio.co.jp/publication/book01.html
こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
弊社が、働く人の健康管理の事業を開始して、約10年が経過しました。
その中で、身体的・精神的健康を優先するあまり、社会的健康がおろそかになっている事例を多数見ることになりました。
身体的健康を優先するあまり、精神的・社会的に不健康になった社会的新型コロナウイルス禍という事例を、皆様も多く実感されたことでしょう。
WHO憲章にあるように、健康とは、身体的・精神的・社会的に健康であることです。さらに、職域では企業と労働者の双方を健康にすることが必要です。
『企業利益をわかりやすく向上させる新規サービス』を用意しています。
是非、弊社を利用し、健康の向上を図ってください。
https://www.kenpomerit.com/
さらに、文末のように「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」及び「産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻 産業医ストラテジー(分担執筆者)」を成しています。是非、ご覧ください。
今回は、「【Q&A】産業医を医道審議会に訴えたい場合、どうすればよいか?」について作成しました。
企業利益の向上という、精神的・社会的健康を向上させるために、弊社をご活用ください。
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【Q&A】産業医を医道審議会に訴えたい場合、どうすればよいか?
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「【考察】医師の判断なら、健康管理上、テレビ局は悪くない」を投稿いたしましたが、大変なご反響とご意見をいただきました。
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-177477/
頂いたご意見を元に、以下の様にQ&Aを作成しました。ご参考いただければと思います。
健康リスク顕在化後のドブさらいに追われることなく、前向きな対応に努めてください。
Q:産業医を医道審議会に訴えたい場合、どうすればよいか?
A: 医道審議会は、医師の倫理に関する問題や、医師の資格に関する処分を審議します。医師法第7条第3項において、医師に行政処分を行う際に、厚生労働大臣が意見を求める委員会と定められています。
産業医は、医師なので、産業医の行為に問題があると思われる場合、医道審議会に訴えることができます。
〇事実の整理
医道審議会に訴える前には、事実を整理する必要があります。また、必要な証拠を入手しておくことも必要です。
申出に必要となる情報は以下が挙げられます。
・申出者に関する情報:氏名、住所、連絡先
・訴えの対象となる産業医(以下「不誠実産業医」という。)に関する情報:氏名、選任事業所名
・訴えの内容:具体的な日時、場所、行為の内容
・行為の具体的内容:どのような行為が問題なのか(例:名義貸し、定期巡視の未実施、刑事事件が疑われる事態の隠蔽など)
・被害状況:不誠実産業医の行為によってどのような被害を受けたのか
また、証拠となる資料には、以下が挙げられます。特に、不誠実産業医が医療機関に勤務している場合は、電子カルテ等に勤務実態が残っている可能性高く、名義貸しや定期巡視の未実施がある場合は、その証拠となります。
・音声データ
・写真、動画
・目撃者の証言書
・不誠実産業医の業務実態(衛生委員会議事録、職場巡視記録、電子カルテ、診療明細書、勤務記録等)
・不誠実産業医の時給等の報酬について推認される記録(一般的な医師の時給より著しく低い場合は、名義貸しの可能性があります。)
・不誠実産業医以外の医師が、発行した情報提供依頼書(紹介状)に対する返信
※不誠実産業医以外の医師が発行する情報提供依頼書(紹介状)については、医師により、不誠実産業医が申出者に対して、どういった健康管理を行ったかについて文書により情報を求めることができます。もし、不誠実産業医から返信が無かった場合、返信が無かった事実と期間を、情報提供依頼書(紹介状)を発行した医師から意見書を提出してもらうと良いでしょう。
〇相談
訴えるための相談について、弁護士、各都道府県の医務主管課又は医師会等に相談すると良いでしょう。相談内容に応じて、アドバイスや、必要な手続きについて教えてもらえることが見込めます。
その後、整理した事実をもとに、書面で訴えることになります。
〇医道審議会
医道審議会(厚生労働省の事務局)が訴えを受領した場合、都道府県知事に対して、不誠実産業医の情報が照会されます。その際、不誠実産業医は、事案について報告することが求められ、その後、行政処分対象事案報告書を作成することが求められます。
文書に基づき、医道審議会が処分の必要性があると認識した場合、不誠実産業医には意見陳述の機会が与えられます。予定される処分の内容・軽重によって、与えられる意見陳述の機会の内容が異なります。
医道審議会の判断については、医道審議会医道分科会により、「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」が発出されています。そこに、「医療提供上中心的な立場を担うべきことを期待される医師、歯科医師が、その業務を行うに当たって当然に負うべき義務を果たしていないことに起因する行為については、国民の医療に対する信用を失墜するものであり、厳正な対処が求められる。」と示されています。
従って、厚生労働省は、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律において、労働安全衛生法第13条第3項に、「産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない。」を追記し、努力義務でなく義務が課されることになりました。
〇医道審議会による処分
医道審議会により、不誠実産業医が医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者と厚生労働大臣に意見し、厚生労働大臣が処分を判断した場合、以下の処分が行われます。
・戒告
・三年以内の医業の停止
・免許の取消し
〇経営者に対して、医道審議会を利用する勧奨
「【考察】医師の判断なら、健康管理上、テレビ局は悪くない」にも示した様に、経営者は専門家を選び任せるまでが危険予知・危険回避義務になります。
従って、専門家が明らかに不誠実である証拠を、従業員に握られた場合は、さらに衛生委員会等の会議で社内公表された場合は、選んだ経営者の責任を問われるリスクがあります。
当然、産業医を選任した際に、誠実に業務を行うか否かについて評価することは困難ですが、一定の期間を経て不誠実な実態が確認できたにも関わらず、放置していた場合は、責任を問われるリスクがあります。
経営者としては、専門家に任せた以上、産業医により従業員が不利益を得ていることを認め、その改善が乏しい場合は、産業医に専門家としての責任を問うことが必要でしょう。
産業医に業務の改善を求めても、改善が無い場合は、経営者の一定の正当性を行政に評価してもらうために、医道審議会を利用することをお勧めします。
========================
令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/
産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻 産業医ストラテジー(分担執筆者)
https://www.e-bio.co.jp/publication/book01.html