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会社法”等のポイント(55)

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行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第111号/2007/9/1>■
 1.はじめに
 2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(55)」
 3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(38)」
 4.編集後記
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 1.はじめに
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 こんにちは。行政書士の津留信康です。

 猛暑もようやく一段落し、今日から9月。
 宮崎では、忙しげな“セミの鳴き声”に代わり、
涼やかな“虫の音”を耳にすることも多くなり、秋の気配を感じる今日この頃です。
 皆様のお近くでは、いかがでしょうか?

 それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。

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 2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
             起業予定者のための“会社法”等のポイント(55)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
 “会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
 第2回目は、「株式会社の株式」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

株式会社の株式に関する次の1~5の記述のうち、正しいものはどれか。
 1.会社法上の公開会社においては、
   発行済株式総数は、発行可能株式総数の4分の1を下回ってはならない。
  □正解: ×
  □解説
   「会社法上の公開会社において、
   定款を変更して、発行可能株式総数を増加する場合には、
   変更後の発行可能株式総数は、
   当該定款の変更が効力を生じた時における発行済株式総数の4倍
   を超えることができない(会社法第113条第3項)」との規定はありますが、
   設問肢のような内容は、会社法には規定されていません。
 2.新株予約権が行使されても、発行済株式総数が増加しない場合がある。
  □正解: ○
  □解説
   新株予約権会社法第2条第21号)が行使された場合において、
   株式会社が、自己の有する株式を交付すれば、
   発行済株式総数は増加しません(会社計算規則第40条)。
 3.株式会社が取得条項付株式の取得をした場合、
   取得対価が当該株式会社の株式以外の財産であれば、
   発行済株式総数は減少する。
  □正解: ×
  □解説
   株式会社が取得条項付株式(会社法第2条第19号)の取得をした場合、
   取得対価が当該株式会社の株式以外の財産であるか否かにかかわらず、
   発行済株式総数は、
   減少しません(会社法第107条第1項第3号・第155条第1号)。
 4.資本金の額を減少させる場合には、
   それに伴い、発行済株式総数も減少させなければならない。
  □正解: ×
  □解説
   株式会社が減資をする場合であっても、
   発行済株式総数を減少させる必要はありません(会社法第447条第1項)。
 5.株式交換における株式交換完全子会社発行済株式総数は、
   株式交換によっては変動しない。
  □正解: ○
  □解説
   株式交換会社法第2条第31号)により、
   株式交換完全子会社の“株主構成”は変動するものの、
   “発行済株式総数”は、変動しません。

★次号(2007/9/15発行予定の第112号)では、
 「株式と新株予約権との異同」について、ご紹介する予定です。

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 3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(38)」
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★2007/8/15発行の第110号より、
 「平成19年度を中心とする司法書士試験問題」の解説を通じて、
 民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
 第2回目は、「虚偽表示」に関する問題です。
  ※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
    ご了承ください。

■虚偽表示に関する次の1~5の記述のうち、判例の趣旨に照らし、
 誤っているものはどれか。なお、「善意」または「悪意」は、
 虚偽表示の事実についての「善意または悪意」を指すものとする。
 1.AとBが通謀して、A所有の甲土地の売買契約を仮装し、
   Bへの所有権移転登記をした後、
   善意のCが、Bから甲土地を譲り受けた場合に、
   Cは、登記なくして、
   Aに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
  □正解: ○
  □解説
   設問肢のような場合、善意の第三者Cは、登記なくして、
   Aに対抗することができます(民法第94条第2項、※最判S44.5.27)。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27477&hanreiKbn=01
 2.AとBが通謀して、A所有の甲土地の売買契約を仮装し、
   Bへの所有権移転登記をした後、
   善意のCが、Bから甲土地を譲り受けた場合、
   Cが登記をする前に、AがDに甲土地を譲渡していた場合には、
   善意のCは、登記なくして、
   Dに対して甲土地の所有権の取得を対抗することができる。
  □正解: ×
  □解説
   設問肢のような場合、善意の第三者Cは、登記なくして、
   Dに対抗することはできません(民法第94条第2項、最判S62.10.31)。
 3.AとBが通謀して、A所有の甲土地の売買契約を仮装し、
   Bへの所有権移転登記をした後、
   悪意のCが、Bから甲土地を譲り受け、
   さらに、善意のEが甲土地を譲り受けた場合に、
   Eは、民法第94条第2項によって保護される。
  □正解: ○
  □解説
   民法第94条第2項上の第三者には、
   直接の第三者(本問の場合、C)だけでなく、
   転得者(本問の場合、E)も含まれ、その際、Eが善意であれば、
   Cが悪意であっても構いません(※最判S45.7.24)。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=27301&hanreiKbn=01
 4.AとBが通謀して、A所有の甲土地の売買契約を仮装し、
   Bへの所有権移転登記をした後、
   Bの債権者である善意のCが、甲土地を差押えた場合に、
   Cは、民法第94条第2項によって保護される。
  □正解: ○
  □解説
   設問肢におけるCは、
   民法第94条第2項上の第三者に該当します(※最判S48.6.28)。
※)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=26958&hanreiKbn=01
 5.AB間の仮装の契約に基づくAのBに対する金銭債権を善意のCが譲り受け、
   AがBに対して当該債権譲渡の通知を行った場合に、
   Bは、Cからの請求に対し、
   AB間の虚偽表示を理由に、支払いを拒むことができる。
  □正解: ×
  □解説
   設問肢におけるCは、
   民法第94条第2項上の第三者に該当します(大判S13.12.17)。

★次号(2007/9/15発行予定の第112号)では、
 「復代理」について、ご紹介する予定です。

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 4.編集後記
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★「○○検定―Part2―」★
 「ご当地検定」花盛りの昨今、
 遅ればせながら、「みやざき観光・文化検定(※1)」が実施されるようです。
  ※1)http://www.miyazaki-cci.or.jp/miyazaki/topics2007/08_kentei/index.html
 “本県を訪れてくださる観光客の皆様への暖かいおもてなし”のためにも、
 同検定を積極的に活用しようと思っています。
  なお、各地の商工会議所主催の「ご当地検定」は、
 「日本商工会議所HP(http://www.jcci.or.jp/kanko/kentei.html)」
 をご覧ください。
■第111号は、いかがでしたか?
 次号(第112号)は、2007/9/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
 □津留行政書士事務所 http://www.n-tsuru.com
 □ご連絡専用アドレス n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(http://www.mag2.com/)」を利用しており、
 購読の解除は、「http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
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