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『定時株主総会』の開催期限は?

 先日、私が客員教授をさせてもらっているある大学の、大学院の「税務会計演習」の特別講義を1コマ担当しました。開催趣旨は、専門職業家としての税理士から税務に関する実践的事例の報告ということで、今年あった税務調査の1事例を取り上げました。その事例の課税庁の指摘の中に、平成17年の「役員報酬の一括遡及支給の否認1,200万円」があり、決算後6月目に開催された「定時株主総会」の有効性が問題となったことを説明しました。すなわち、「定時株主総会」の開催期限は会社法上で法定されているのかと言う点です。
 みなさんはどう考えますか?


 教室で院生にこの質問をしたところ、何人かの方が「決算後3月以内です。」と答えました。このように3月以内と思い込んでいる方が多いのではないでしょうか?
 ところが、、「定時株主総会」の開催期限は会社法上で法定されていないのです。では、なぜ、「3月以内」と言う期限が一人歩きしたのか?
 それは、会社法の第124条につぎのような文言があるからです。


(基準日)
第百二十四条  株式会社は、一定の日(以下この章において「基準日」という。)を定めて、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(以下この条において「基準日株主」という。)をその権利を行使することができる者と定めることができる。
2  基準日を定める場合には、株式会社は、基準日株主が行使することができる権利(基準日から三箇月以内に行使するものに限る。)の内容を定めなければならない。


 例えば、株主配当を行おうとする場合、配当の対象となる株主を特定しなければなりません。そのため、ある一定日を定め、その日の株主配当することになります。これが条文の中にある「基準日株主」です。基準日は、利益配当請求権と議決権を行使する株主を確定するものです。その行使期限が3月以内なのです。


 ここに、誤解の原因があった訳です。このため、「定時株主総会」は必ずしも3月以内でなくても良いことになります。
 このことをある弁護士が説明しているブログを発見しました。参考にして下さい。
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50531038.html


 ただし、現行の法人税法上の取り扱いでは「要注意」ですよ!
 3月超の決議による「役員報酬の改訂」は、特別の場合を除き「定期同額給与」には該当しないこととされ、損金不算入とされます。(こんな規定は、個人的には余計なお世話と言いたいですけどね。)


 そうそう、前述の事例にあった「決算後6月目に開催された「定時株主総会」での「役員報酬の一括遡及支給」の決議に基づく、7月目の一括支給1,200万円」は、税務調査上否認されたのか?(平成18年に役員給与が変更になる前の事例です。)
 いえいえ、しっかりと「是認」を勝ち取りましたよ。(根拠としたのは、法人税法の基本通達 旧9-2-9の2。)課税庁は、最後まで役員賞与であるとして修正申告を求めてきましたが、顧問税理士である私は一貫してはねつけ、調査開始から5月かかりましたが「是認」で完了させることができました。


see you next !


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