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職業会計人の二律背反性

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           ~得する税務・会計情報~         第74号
             
        【税理士法人-優和-】   http://www.yu-wa.jp  
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「職業会計人の二律背反性」     
 
職業会計人として30年以上経過しているが、最近つくづく感じることがある。
10年近い地域金融機関の公認会計士監査の現場において、貸出先の中小企業の
財務内容の資産査定という、金融検査マニュアルを通じた、企業の格付けを行う過
程で、様々な会計事務所が作成した財務諸表をいやというほど、観させて頂いて感
じるのである。

テーマをしいてあげるならば、「職業会計人の二律背反性」ということにでもなろうか?
税理士であるが故に、節税策を経営者から問われることは当たり前である。
しかし、我々職業会計人が、中小企業金融への側面援助を自認するのであれば、
体力のある財務諸表作成という視点で中小企業経営者を説得しなければならない。

 体力のある財務諸表とは、つまり内部留保の厚い自己資本の部といえる。とかく
節税目的にのみにとらわれた役員報酬額の決定や役員退職金支払いは慎まなければ
ならない。
 内部留保は、税金を納めるだけの利益がなければならないのは当然である。
つまり如何に税金を納めさせるかという視点からの財務諸表作りとなる。

財務コンサルタントとしての公認会計士と、節税を迫られる税理士の兼業職業会計
人の悩みでもあるが、有税でも不良資産を落とせる体力づくりこそ、ROA等の比
率も向上し、経営資産の効率経営という視点も芽生える筈である。日本経済全体の
復活そして活性化という視点が我々職業会計人に求められているのではなかろうか?

 バブル期に破綻していった多くの中小企業、そして生き残ってきた中小企業を多く
見続けている。今年はさらに前代未聞の不況が待ちかまえている。このような時代こそ、
体力がものをいう。 役員報酬は控えめに、先代等の役員退職金も控えめに取って、
内部留保の厚くなっている企業が、生き残る資格を有していると言えよう。
 

3、財務諸表の顔の方向
 但し問題はもっと別なところにある。中小企業に減損会計や、税効果会計退職
会計金融商品会計の適用云々を議論する以前に、我々職業会計人自身が、税務署
提出目的の財務諸表と、公認会計士監査対象の財務諸表を最初から区分けしていない
だろうか?

 そして税理士業務専業会計人は、税務署提出目的の財務諸表が頭から離れない。
 つまり税務当局からクレームをつけられない財務諸表作りとなる。従って、職業会
計人の側に有税で不良資産を落とすという発想が出てこないゆえ、中小企業の経営者
が有税処理で不健全資産を処理するという意識がないのは当然といえる。

 つまり回収できそうもない貸付金や売掛金、長期滞留役員仮払金。姿形も無いのに
バランスシートから落とせないままのの固定資産償却不足減価償却資産。売れそ
うにもないデットストック。不況下の日本経済にあっては、これらの不良資産が税法
損金にならない、あるいは損金にしなくても税務当局から咎められない、という理
由で殆どの中小企業が貸借対照表に計上したままである。

一方、金融機関は全く別な見方で、中小企業であろうと無かろうと自己査定マニュア
ルに従って貸出先の自己査定をおこなう。

 だから長期間滞留している社長貸付金や仮払金は、金融機関は全く資産とは見なさず、
最初から不健全資産として自己資本から控除してしまっている。勿論償却不足額も推定
して控除する。その結果金融機関がみる「みなし自己資本」は件並み債務超過状態とい
うことになる。

 金融検査マニュアルが公表されてから5年、そして金融検査マニュアル別冊「中小企
業融資編」も本年改定され、中小企業の貸出先に対する金融機関の自己査定もますます
磨きがかかってきている。

4、職業会計人の二律背反性
 我々職業会計人が、中小企業金融への側面援助を自認するのであれば、体力のある財
務諸表作成という視点で中小企業経営者を説得しなければならない。

 体力のある財務諸表とは、内部留保の厚い自己資本の部といえる。とかく節税目的に
のみにとらわれた役員報酬額の決定や役員退職金支払いは慎まなければならない。

 内部留保は、税金を納めるだけの利益がなければならないのは当然である。つまり
如何に税金を納めさせるかという視点からの財務諸表作りとなる。財務コンサルタント
としての公認会計士と節税を迫られる税理士の兼業職業会計人の悩みでもあるが、有税
でも不良資産を落とせる体力づくりこそ、ROA等の比率も向上し、経営資産の効率経
営という視点も芽生える筈である。

日本経済全体の復活そして活性化という視点が我々職業会計人に求められているのでは
なかろうか?

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