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在庫の意味と在庫品目の決定手順

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2009年3月2日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL4
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL4.生産管理
●在庫の意味と在庫品目の決定手順
●閑話休題「第3原則:問題を数量的に把握すること」
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1.在庫とは
 在庫とは、ある目的のために意識的に貯蔵されるものです。在庫の種類と
しては、製品・仕掛品(中間在庫)・部品・原材料などに分けられます。

(1)在庫の意味
 在庫をおくことにより次のような利点があります。
●購買・生産・配給・消費のプロセスの中間を切り離すことによって経済的
なロット数量で製造や輸送を行うことができます。生産期間の短縮をはかる、
管理が容易になる等、経済的な活動、弾力性のある運営、管理の単純化を期
待することができます。

●この反面、在庫することにより在庫品の陳腐化(旧式化)、在庫品の劣化
(老朽化)などによる不良在庫の発生、在庫品の保管費用労務費・建物・
経費・倉敷料などで、一般に在庫金額の25%~30%を占めるといわれて
いる)、さらに機会損失(金利・期待利益等)などの不利となるものがあり
ます。

(2)在庫に対する考え方
 能力の調整がだんだんと難しくなるにつれて、在庫で調整しょうとする考
え方になってきました。

 そのために在庫については、相当古くから研究され、歴史的に振返ると次
のように分けられます。

●在庫は企業の財産であるといわれていた時代(1900年)
●在庫は企業の墓場であるといわれていた時代(1920年)
●在庫は適正量に管理(購入ロット・製造ロットによる方法)すべきである
と主張された時代(1930年)
●在庫は適正量に管理(ORの導入)すべきであると主張された時代(19
31年以降)

2.在庫品目の決定手順
(1)在庫総金額の概略決定
 一般的に在庫すべき種類(製品・部品)、品目および金額は、その消費状
況、調達状況などから各々算出することができ、その総和として総金額が計
算されるわけです。この総金額は、資金状況から必ずしも満足されないこと
が考えられます。

 まず第一手段として、総金額はこの程度に考えるといった方針決定が必要
となります。

(2)在庫区分の決定
 在庫区分の決定とは、原材料でもつべきか、原材料・部品でもつべきか、
原材料・部品・製品でもつべきかを決定することです。

 これは、調達状況、生産期間、客先納期などにより、考慮されますが、部
品の共通度、工程のバランスなどから十分解明されなければなりません。一
般的には、共通度の高い源流工程に在庫をもつことが在庫金額を少なくする
ことからいって望ましいといえます。

(3)在庫品目の決定
 在庫品目は、通常消費金額、単価、共通度などにより決定します。

(4)在庫管理区分の決定
 消費金額の大きいものから重点管理を行うように、この区分の決定を行い
ます。

(5)総在庫金額の算出および概略決定との対比
 (3)と(1)とを比較検討を行います。

(6)評価と決定
 (5)に基づいて最終決定を行います。

3.発注形式
 在庫品の発注形式として代表的なものを挙げると、次の四つがあります。

(1)ダブルビン法(二重箱法)
 補充注文をしてから現品入庫までの期間が概ね一定している場合に有効で
す。

 レッテル、包装材料、補助原材料などによく用いられます。現物を払出す
ときに発注手続をします。記録は不要です。 

(2)包装法
 ダブルビン法を改善し、補充期間における使用量を勘案して発注時期を決
めて行う方法です。発注点の残量は補充期間中の使用量から決められます。

 この方法は、ダブルビン法と同様に記録は不要であり、現品管理が不完全
なところでも割合確実に使えます。手配点に購入伝票を入れておくとさらに
便利です。

(3)定量発注方式
 この方法は注文量を常に一定にしておき、在庫の推移に応じて発注時期を
決める方法です。

 発注から入手期間中に消費される量(入手期間および使用量の変動を考慮
して)をが注文点です。

●注文点=UL+R         

       Q
●平均在庫量=---+R
       2
●最高在庫量=Q+R
●最低在庫量=R

U:平均消費速度
L:入手期間
U×L:入手期間中の消費量
R:予備ストック
Q:注文量

(4)定期発注方式
 定期発注方式は、一定期間ごと(旬ごと・月ごと等)の一定周期で将来の
消費または需要を予想して発注します。したがって、毎回注文量が変わりま
す。

        Q    UT
●平均在庫量=----+R=----R
        2     2
●最高在庫量=UT+R
●最低在庫量=R

U:平均消費速度
L:入手期間
T:注文サイクル
R:予備ストック
Q:平均注文量

 この方法は、1週間とか1ヶ月ごとに在庫と将来の消費を予想(または注
文残も計算)して定期的に補充要求する方式です。

 この方法は、在庫金額が大きいものや見越生産をするときに適しており、
厳密な在庫管理が要求されるときに効果があります。一般に生産計画等で計
画する主要資材購入予定や、生産量を左右する主製品の生産計画等に用いま
す。

 計画サイクルは、月ごとの原価計算等の要求から月末現場棚卸を合わせて、
1ヶ月単位とするところが多いが、必ずしもこの時期と合致させる必要はあ
りません。

 注文量の算定方法は、
●注文量=[(入手期間+注文サイクル期間)における予想平均消費量]+(予 
     備ストック)-(現在の在庫残)-(現在の注文残)

入手期間:2ヶ月
注文サイクル:1ヶ月
在庫調整期間:3ヶ月

たとえば、
計画サイクル=1ヶ月
入手期間=2ヶ月
当月初めの在庫=100
当月初めの注文残=50
月平均消費予定=70
予備ストック=1/2ヶ月分
注文量は、70×3-100-50+(70÷2)=95

4.定量発注と定期発注の比較
(1)定量発注の利点と用い方
●単価が安くかなりの量が一度に補充するような品目に合っており、自動的
で管理手数が少なく、手配が確実である。
●需要予想がたてにくく品目数が多いとき。
●経済ロットサイズを用いるとき。
●現物取扱いに関する費用が節約できる。
●製造の計画とあまり直接関係が少ないとき。

(2)定期発注の利点と用い方
●厳重な在庫管理を必要とし、金額の大きな品目。
●見越生産や見越購入をするとき。
●需要変動が大きいとき。
●分割納入、入庫などをしなければならないとき。
●入手期間が著しく長いとき。
●購入、製造予算を正確にたてる必要があるとき。
●計画的に購入、製造が事前に実施できるとき。
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●閑話休題「第3原則:真犯人をつかまえること」

 合理化推進10原則の第3原則は、「真犯人をつかまえること」です。

 問題を正しく把握することができたならば、それにあて問題をみつけて真
犯人をつかまえなければなりません。

 たとえば、作業者が6を0と見間違えて寸度不良を出したような場合でも、
その作業者の不注意を責めるよりは、そのような間違いを生じさせた原因を
深くほりさげて再発防止のための手を打つことが必要です。

 その図面をみたところ、6と0が間違いやすいように書いてあったとすれ
ば、そのような間違いやすい字を書く人を見つけ出してその人の癖を直させ
る方が一層効果的です。あるいは、設計部門の教育内容を修正するなり、検
図の際のチェック・リストを補足することも必要となります。

 机の上に置かれたコップを誰かが落としてこわした場合に、その落とした
本人だけを責めても決して改善にはなりません。机の上にコップを置かない
でもいいように仕事の方法を変えるとか、ガラスのコップをやめてプラスチ
ック製に切り替えるとか、コップのまわりにかこいをつけるとか、方法はい
くつも考えられます。その中から最小の費用で最大の効果を期待できる方法
を選ばなければならないのです。

 どんな失敗でも、失敗というものは全て、そのシステムのもっている欠陥
を見つけ出すためのヒントを与えてくれるのです。そのヒントをどの程度生
かすか、どこまで深く原因を追うか、どの程度抜本的な処置をするか、によ
って、その後の効果に雲泥の差が生じるのです。

 手先になった小物の犯人だけをつかまえて安心している場合が多いが、効
果的な改善を進めていくためには、その陰にいる真犯人(真犯人といっても
人でない場合が多い)を見つけ出して直していくことが大切です。

 こうして始めて再発防止が期待できるのです。真犯人は思いもかけないと
ころにいたり、真犯人が被害者を叱っている場合もあるから、くれぐれも注
意しなければなりません。
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