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コラムの泉

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(未上場)中小企業における持株会

未上場企業においても、会社の役員従業員等が会社の株式を保有することができる「持株会制度」を採用しているケースがあります。

会社(オーナー社長)にとっては株式の分散防止・安定株主の確保等の、役員従業員にとっては「配当金という臨時収入」を得られることのメリットがあります。


では、実際の持株会はどうなっているのでしょうか?
これまで約50社の持株会設立・規約変更等に携わってきた経験から一言で申しますと、
「紛争の火種の散在」「実体の不備」というのが率直な意見です。


【紛争の火種の散在】

「紛争の火種の散在」の中でも特に”入会・退会等の規定が明確になっていない”というのが目に付きます。

裁判で争いになっている事例のほとんどが、退会時における株式(持分)の買取り価格に関するものです

具体的には「時価で買取る」「理事会で定めた金額で買取る」「配当還元価額で買取る」等・・・

この「時価で買取る」というのは既述のとおり上場企業を前提とした規約をそのまま使用してしまっていることの弊害です。

未上場株式に関する”時価”という表現ほどあいまいな言葉はないと思います。

知らないうちに争いの火種をばらまいてしまっているのです。


【実体の不備】

また「実体の不備」の中でも特に目に付くのが、”配当の不実施・配当金の廉価”というのが目に付きます。

もし持株会制度が既にあれば、再度持株会規約の(目的)をご確認下さい。

配当をし~中略~もって会員の資産形成・福利厚生に資する~」というように書かれていませんか?

(財源があるのに)配当を実施しない、もしくは配当金が廉価であるというのは持株会自体の存続に関わる大きな問題です。
会社としては、少数株主権をはじめとする株主の権利行使を覚悟しなければなりません。


天引きによる積立金】

その他、”天引による積立金”の制度も目に付きます。

この制度は、上場企業のように「市場での株式の取引」を前提とした制度であり、それは市場に出回っている自社株の受け皿として順次自社株を買取る際の資金源として大いに有効活用できますが、未上場企業ではそもそもその必要性がないため制度自体の必要性が乏しいのです。
お金だけたまってしまって・・・処理に困っているといった会社も多く見られます。


未上場企業における持株会設立・運営は、上場企業におけるそれと180度相違するのです。



【今後の持株会の活用について】

既に未上場企業においても持株会制度は多く導入されていますが、その実体は残念ながら既述のとおりです。

今後は、流行?の事業承継に関連して益々その適正な導入・運営が期待されるところですが、
その際には、上場会社型ではなく未上場企業に適した規約等を定めるため、専門家等のアドバイスを受けるのも選択肢のひとつではないでしょうか。


名無し

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