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2009年6月1日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL4
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】
経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】
tate@agate.plala.or.jp
【H P】
http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL4.生産管理
●生産管理部門の組織(2)
●閑話休題「第8原則:責任と権限を明確にすること」
●編集後記
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●生産管理部門の組織(2)
1.ライン・スタッフ間のトラブル
(1)日常業務では、ラインとスタッフの間にトラブルが発生しています。
これは結果として組織運営を殺していることが多いのです。
ラインとスタッフのトラブルの原因として、
●相互の立場の不理解。
●幹部の指導不徹底、幹部自身の誤解。
●責任権限の真の意味の誤解。
●ラインの長がスタッフの専門知識に圧倒され、地位をおびやかされている
と感ずる。
●ラインがスタッフ援助を自分の力がないからだと感ずる。
●ラインがスタッフの利益を認めない。
●考課制度が明確でないため、合理化に対して苦労するより、現状のまま波
風を立てない方がよい得策であると考える。
●スタッフの態度がラインに対してサービス的でなく、強要しょうとする。
●ラインの考える問題点とスタッフの考える問題点の相違。
●ラインの業務内容に対する知識がないため、役に立たないと思われている。
(2)これらの問題は、そのほとんどが人間関係によるものです。人間関係
のトラブルは、人間関係の組合せと人間性の関係とが解決されなければなり
ません。前者は組織と人の配置の問題であり、後者は人間本姓の理解から始
まります。
(3)人間の本性に見られる幾つかの特色。
●人は変化に抵抗する。
●人は新しいものに反抗する。
●人は己への批判に反発する。
(4)特にスタッフの態度や幹部の部下に対する態度が命令とか強要であっ
てはなりません。命令はアシスト(援助)、またはコンサルト(相談)であ
るとする考え方に注目すべきです。
2.工場ライン幹部のあり方
2-1.工場ラインの任務とスタッフの任務
(1)工場ラインの任務
工場ラインは全ての製品の生産について、品質も原価も生産量も生産期間
も自らの手で自由に調整し得る立場にあるし、それらは工場ラインのみが調
整できる権限を持っています。
したがって、工場ラインの各管理者は、企業方針、企業目標に沿って常に
高い向上目標を自ら立て、人と設備、材料をより有効に活用することに責任
をもち、その目標を達成しなければ企業そのものが存続しません。
工場ラインの任務は、企業方針、企業目標を十分に理解し、それに基づい
て、自ら高い向上目標を打ち立てて、その目標を達成することにあります。
(2)工場ラインに関係するスタッフの任務
スタッフの任務は、工場ラインが向上目標を達成するために定められた業
務内で必要な援助をすることです。
スタッフはラインが向上目標を決定するための必要な情報を提供する。
●スタッフはラインが向上目標を達成するための必要な情報を提供する。
●スタッフはラインが向上目標を達成するために障害を除去する。
●スタッフはラインが向上目標を達成するために必要なサービスを行う。
したがって、 スタッフ自身に割当てられた仕事の成果はもちろん、それ
以上にラインの向上目標達成に如何に援助したかによってラインとスタッフ
の上長から評価されることになります。
(3)ラインとスタッフの基本的な考え方
●ラインについて
ラインとは、命令系統であり、業務規模の増大につれてラインは分割され
ます。
すなわち、いままで1人か1グループの担当としていた業務を分割してそ
れそけれ別個の人かグループ別に担当されます。いいかえれば分割された幾
つかの新しい業務毎にそれぞれ別のラインができあがります。したがって、
責任と権限も分割され相互の間には重複はありません。
ラインの業務は、業務範囲を狭めたという意味でのライン機能の分割です。
たとえば、1工場長がいままで機械組立工場を持っていたのを2つに分け
て機械工場と組立工場とし、それぞれに工場長を設ける場合です。
●スタッフについて
スタッフは、ラインが担当している業務で重複分業した場合に、その業務
の遂行を一層適確強化する必要が生じたときに、専門家をおいて援助させる
のです。
命令系統の重複を避けるためスタッフは、その業務を担当しますが、直接
ラインに対して命令はできません。
したがって、スタッフは、ライン業務についての直接的な責任と権限はな
いわけです。
スタッフ業務は、ある業務をもっとうまく実施したり、強化するという意
味ではライン機能の拡大といえます。
たとえば、機械工場長がその担当する加工技術の研究開発をさらに強化す
るために、加工技術スタッフを設けた場合、このスタッフの開発した新しい
加工技術は機械工場長およびその下のライン管理者の命令によってのみ実施
に移されます。
●ラインかスタッフかの決め方について
個人またはグループをラインとかスタッフとかに概念的に色分けすること
は間違いを起こす原因です。本質的にはその仕事の機能で決めなければなり
ません。
すなわち、工程係はスタッフであるとか、係長はラインであるとか、その
名称だけで決めることは誤りです。
その業務について誰が責任を持っているのか、誰が実施することができる
のかが問題です。
2-2.工場ラインのそれぞれの管理領域内の職務
(1)共通な職場
●グループ欲求に変化を与え革新を起こすこと
工場ライン管理者が一般作業者やスタッフや専門家と異なるのは、グルー
プのリーダーとしての管理を行うことにあります。したがって、そのグルー
プに、より高い行動目標を立て欲求を求めることです。
●人と物的資源の結合を図ること
諸資源の調達、配置、調整、教育を行うことです。
●目的達成のための障害を除去すること
・伝達……計画を説明し、理解させることです。、本来の意味のラインの命
令とは、部下に明確な意志伝達(コミュニケーション)を計り部下
がやろうとする気持ちを高めることです。
・測定……情報を得ること、実績を知ること、また実績を知り自ら測定する
ことです。望ましいのは自らの目と足で直接現場を見ることです。
・判定……目標達成の障害となるものを判断し、決定することです。差異を
知ることでなく、目的は障害となる原因そのものを知ることです。
それを取除くための判断と決定をすることです。
・処遇……障害を除くことです。
●あらゆる決定と行動において、当面の要求と遠い将来の要求とを調和させ
ること
グループリーダーとしての管理の責任を、ラインの管理者が忘れていたら
いくらよいスタッフを作ってもナンセンスです。スタッフが勝手にラインの
行動を押付けるようになっては、ライン管理者とスタッフの間にトラブルが
発する結果を招くことになります。
(2)5つの基本的要素
●基本方針・諸目標を設定する
方針と目標と組織化(計画立案を含む)との関係は次の通りです。
・自分の管理領域より1つ上の管理領域の方針、目標計画と組織を正しく理
解し、自分の信ずるグループにより高い行動目標を立てます。
・方針と自己の管理領域内の現実とを考えて統制可能と思われる具体的な諸
目標を決めます。
・諸目標を達成するための具体的手段を決定し、それに必要な諸資源(人、
設備、材料)を組織します。
・向上目標は方針(基本となる物の考え方、処理態度)をまず決めて、それ
と実態をよく見極めて決めるようにします。
●組織する
・組織するということは、まず向上目標を達成するための具体的な手段を決
定する。
・この手段が実行可能なように1つの組織機構や制度手続等を作り上げます。
そして各単位を管理する人と個々の職務を遂行する人びとを選定し、配置し
ます。もし適材に欠けているならば、あらかじめ計画を立てて担当者を訓練
する。そして管理する人々に必要な全権限を
委任します。
●部下を補佐し、元気づける
自分自身と部下との相互的な意志疎通をよくすることによって部下の向上、
目標達成のための悩みや困難を一緒になって見つけてやり、その障害除去の
ために積極的に援助します。
また部下の仕事の成果に対する適切な報償を設けたり、激励の言葉や態度
を示したり、適切な昇進計画を立てることにより部下の熱意と努力をもり育
てます。
●評価する
評価の尺度を設定することは、組織全体の業績の向上と組織内の人びとの
成績の向上にとって重要です。
人間の努力が払われている各仕事の分野において何らかの進歩を実現した
いと欲するならば、その進歩度合を左右する影響力について測定することを、
まず学ばなければならない、と言われています。
組織全体と各個人の成果を明確にすることができるような基本的尺度を部
下の1人1人に持たせるように努力し、それをどう用いるかを援助しなけれ
ばなりません。
自分自身に対しても自分の業績を分析し、解釈し、問題点の発見に努め、
向上度合を測定し、評価しなければなりません。
そして、その結果を上長だけでなく部下にたいしても伝えなければなりま
せん。
●部下を育成する
部下の1人1人が健全な成長をしなければグループ全体もよくなりません。
また、次代を担う人材も養成しなければなりません。
そのためには、部下が自ら成長するのを助け、部下を正しく導き、部下の
隠れた才能の芽を伸ばし、高潔な品性を育てることに努めなければなりません。
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●閑話休題「責任と権限を明確にすること」
合理化推進10原則の第8原則は、「責任と権限を明確にすること」です。
個人の手内職を別にすれば、会社の仕事を全て1人の人間が行うことはで
きません。たくさんの人びとの着想、
資本、労働力の協調によってはじめて
企業の業務が進行するのです。
部課長が非常に忙しくて、てんてこまいをしているのに、部下はなすべき
仕事がなく、ただ忙しそうなフリだけをしているという礼がよくあります。
部下に対する権限の委譲が足りないと、とかくこういうことになりやすくな
ります。ハンコの数は、これに関する1つの目安です。
検査課長の知らない間に、押しの強い技術課長が、いつの間にか検査係員
に勝手な仕事を命じたり、材料に対する不満を製造部の権力者が、直接資材
係にあたり散らして勝手な要求を出したりして、1人がその権限を過度に振
回すことによって、他人の領分に侵入すると反感を抱かれるのが当たり前です。
もちろん、各部門間に密接な連絡を必要とすることはいうまでもありませ
んが、このような命令系統の混乱や責任と権限の不明確や委譲された権限の
過不足が、必要以上の非能率とムダと不和軋轢を生んでいる実例があまりに
も多く見受けられます。
部長・課長・係長などおよそ長と名のつく者は、権限を行使して部下を働
かせると同時に、部下を援助する立場にいる筈です。したがって、部下が常
に限度をこえないよう仕事がしやすいよう気を配らなければなりません。
責任と権限の問題は昔からすでにいい古されていはいますが、現実の企業
においては以前として合理化をはばんでいる大きな原因の1つであるように
思われます。
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●編集後記
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2.営業マンの交渉力・商談技術強化法
3.部下を励まし、最善の努力を引き出すリーダーのあり方
4.あなたの会社は大丈夫会社をよくする方程式
5.こんな経営者・幹部が会社をダメにする
6.すぐれたチームワークを保持するコミュニケーション強化法
7.故事名言に学ぶ企業経営のやり方
8.企業に成功をもたらす15の社員力
9.市場原理主義時代の企業経営発想法
さらに、
●有能な管理者への道・30則
●赤字会社に陥れるる30の大罪
●新製品開発と市場開拓
●中期経営計画の策定
●VE活動の実務
●IE活動の実務
●TGC活動の実務
●科学的コストダウン活動・30のポイント
●科学的セールス活動・30のポイント
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