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企業法務

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社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者 元LP さん

最終更新日:2011年06月13日 09:55

中小企業の総務部長をしております。
先日、当社の営業社員(正社員)がある商社を介して前金で商品を手配しました。ところがメーカーの工場ラインが故障し、商品の供給を予定どおり受けられなくなる可能性が高まったため、その社員は上司の判断を仰がず、独断で商品の手配をキャンセルしてしまいました。
前金はメーカーから商社に返金されましたが、当社に返金される前に商社は倒産してしまい、結局、当社は商品も入らず、お金も返ってこない状況になってしまいました。
当社社長は、自身の勝手な判断で招いた結果だとして、この社員に対し、被害額全額を請求しようと考えていますが、労働基準法またはその他法令等に問題はないのか、アドバイスください。
よろしくお願いします。

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Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

個々の事情等あるかと思いますが、全額請求は無理です。
勝手に判断と言いますが、そもそも商品の手配やキャンセルが社員単独でできる仕組みになっている時点で御社の仕組みやシステムの不備です。
上司や部門間でのチェックや承認をしていない方が悪い。
確かに社員個人に対する求償権民法上も規定されているますが、凡例では個々の事案により割合が決まります。
倒産した商社の弁護士との話し合いで何割か戻ってくる可能性もありますよ。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者外資社員さん

2011年06月13日 12:18

こんにちは

結論を先に言えば、「全額請求」は可能です。
正確に言えば、貴社の損害全額が請求可能な上限で、少しでも債権が戻れば、その分は請求できません。
ですから、債権の扱いが決まるまでは、金額は決められないでしょう。

加えて、相手が同意するかは全く別の話しです。
当然に支払い能力の問題もありますので、払えるかも不明。
これは民事賠償責任の問題ですから、労働法は無関係です。
労働法が絡むのは返済計画で、本人の生活を脅かすような返済金額は禁じられています。

もし請求に同意しない場合に、減額に応じるならば、始めから落とし所で請求するのが望ましいと思いました。
また、相手が応じない場合には裁判も辞さずという覚悟があるかも重要と思います。

落とし所の金額等は、社員の過失割合や、予測しえなかった倒産だったかなど、様々な要因で決まりますので、第三者が判断するのは難しいと思います。
裁判ではなく、まず民事調停などで、賠償額を決めてゆく方法もあります。 但し、会社側と、そのような係争関係になっても、当事者の意欲や働き方に問題が出ないかは、別の次元で注意が必要と思います。

ということで、まとめれば、貴社の損害金額を上限として「請求」は可能。
但し、妥当な金額は別問題でここでは不明。
支払うにせよ、本人の生活への配慮は必要で、当人のやる木への影響にも注意が必要でしょう。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

補足します。

“損害を社員個人に全額請求する会社”と風評が立ってもよいなら全額請求は可能ですが、現実問題として会社の仕組みやシステムとしての不備があると思われるので、“全額請求は無理”と申し上げました。

> 個々の事情等あるかと思いますが、全額請求は無理です。
> 勝手に判断と言いますが、そもそも商品の手配やキャンセルが社員単独でできる仕組みになっている時点で御社の仕組みやシステムの不備です。
> 上司や部門間でのチェックや承認をしていない方が悪い。
> 確かに社員個人に対する求償権民法上も規定されているますが、凡例では個々の事案により割合が決まります。
> 倒産した商社の弁護士との話し合いで何割か戻ってくる可能性もありますよ。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者元LPさん

2011年06月13日 13:31

お忙しいところありがとうございました。
請求に関しては個々の事情によるものと思いますが、あくまで民法上の問題で、労基法上は問題ないのですね。
助かりました。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者元LPさん

2011年06月13日 13:41

お忙しいところありがとうございました。
私の思い違いでした。本件はあくまで民法上の問題で、労働法は問題ないのですね。
社員本人も故意で会社に損をさせた訳でもなく、良かれと思ってとった行動が、結果的にこのような事態になってしまったというのが実情です。
会社側にも当人にそのような行動をとらせてしまったという管理またはシステム上の問題もあり、当人に請求した場合、当人のやる気などの問題が絡んできますので、どちらにせよ頭の痛い問題です。
貴殿のアドバイスには感謝いたします。
ありがとうございました。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者泉つかさ法務事務所さん (専門家)

2011年06月13日 14:24

> 私の思い違いでした。本件はあくまで民法上の問題で、労働法は問題ないのですね。


ご承知のうえとは思いましたが、念のため。
請求(求償)すること自体は労働法の問題でなくても、その処理方法(万が一にも、一方的な通知のみによって、給与などから天引きするようなことがあれば。)によっては、労働基準法に違反することもあります。
あくまでも、本人の同意を得て差し引くか(現実的には分割支払いでしょうが。)、一旦は全額給与等を支払ったうえ、あらためて従業員の「相応しい負担部分」を支払ってもらうようにしなければならないでしょう。

各ご回答者は、これを前提とした記述に思えましたので、念のため。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者元LPさん

2011年06月13日 16:40

補足ありがとうございます。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

◆損害金の全額かについては他回答者でも意見が分かれている通り断定することは出来ません。
◆入社時に「会社が損害を受けた場合・・・」を頂いていたとしてもです。その社員さんを庇う訳ではありませんが
1.発注した商品には納期が定められていたと思います。その納期は、貴社への発注先の希望納期前であり、その社員はそれを履行出来ないと判断したところのキャンセルであったのではないか
2.商社についての信用調査は如何だったでしょうか
3.他回答者も記述しておりますが、発注及び承認に関わる貴社内規に問題が無かったでしょうか
4.一般的に発注書然り前払金の支払然り、会社承認になっていると思いますが如何でしょうか
5.商社の倒産等は、予測できなかったでしょうか。何かしら前兆があると思いますが
如何でしょうか
その社員さんに請求したとして、他社員さんはどう感じますでしょうか
意外と起きたことの事情が一番わかっているかも知れませんね。そして会社の対応に対して、わが身についても考えるかも知れません
発注ではその金額に上限を設定し、それ以上は上長の承認を得るようなしくみ作りが必要かも知れませんね
ご検討ください。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者HOFさん

2011年06月17日 11:06

蛇足です
法的にできるか?という以前に。

その社員が商社と結託し、個人で着服したなら、賠償を求めるというのならばわかります。
内容は上司判断を得なかったという手続きミスではないですか?納期遅れは明確なんでしょう?倒産だって社員のせいですか?

1,仕事のミスは評価で処遇する。
2,ある程度の損害分を補完することで評価には影響させない。
3,損害額の規模やミスの程度で懲戒諭旨とか訓戒とか減給とか)にする。
どれか位の話ではないでしょうか?

部長判断がなくても発注やキャンセルが出来るシステムなんでしょう?会社側の管理責任もありますよ。

ミスを賠償するのが当たり前になったら、管理職なのかそうでないのか知りませんが、社員は大変なことになります。
そのほうがかえって労働法上で問題ではありませんか?
管理責任の放棄になるような気がします。

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者元LPさん

2011年06月17日 14:10

言われるとおりだど私も思っています。
今回、社員の処分を言いだしているのが、社長なので、それをさせないようにするために、理論武装するために、皆さんのご意見をお聞きしておりました。
情けない話、中小零細企業で、会社のシステムもまともに無いと言っていいレベルなのです。
今回は、本当に貴重なアドバイス・ご意見をありがとうございました。


> 蛇足です

Re: 社員の個人的責任はどこまで問えるのか

著者HOFさん

2011年06月17日 14:27

> 言われるとおりだど私も思っています。
> 今回、社員の処分を言いだしているのが、社長なので、それをさせないようにするために、理論武装するために、皆さんのご意見をお聞きしておりました。
> 情けない話、中小零細企業で、会社のシステムもまともに無いと言っていいレベルなのです。
> 今回は、本当に貴重なアドバイス・ご意見をありがとうございました。
>
元LPさん
HOFです。
偉そうなことを言ってすみません。
経営者や役員のアイデア(思いつき)で社員が振り回される事はよくあります。
ガバナンスとは、統制というよりそういう方たちの理解度である場合が最近増えてきました。

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