相談の広場
採用時に暴力団構成員かどうかをわからずに採用してしまった場合、
暴力団への利益供与などにあたることはあるのでしょうか?
また、このようなことを避けるために暴力団構成員かどうかを判別
する方法はあるのでしょうか?
スポンサーリンク
人事担当者の方は、新卒、中途、高齢者再雇用問題でも同様のご質問があります。
近年、問題になっていますのが、身元調査のことでしょう。
これについては、下記ご案内をお読みになれば、お分かりいただけるでしょう。
ただし、近年、同採用時には、社員を含め同業他社の方がに対してそれなりもお問い合わせをするケースもあるようです。
採用時の身元調査のことがありますが、実はこれについては、最高裁が「適法」という判決を出しています。
「企業は、自己の営業のためにどのような者をどのような条件で雇うかについて、原則として自由に行うことができる。企業が特定の思想、信条を有する者をそのことを理由に雇入れを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。」「企業が労働者の性向、思想等の調査を行うことは、企業活動としての合理性を欠くものということはできないし、そのような調査を違法とすることはできない。」(昭和48年12月12日・三菱樹脂事件)
ただし、この「採用の自由」、「調査の自由」は無制限に認められているわけではありません。最高裁も同判決の中で、「法律その他による特別の制限がある場合は採用の自由に制限がある」旨を述べています。
たとえば、公共の福祉、そして勤労権の保障とそれを根拠とした社会的弱者等の雇用促進などの観点から、採用の自由は制限されます。
そして、ぜひ念頭においていただきたいのは、上記判決から既に30年以上が経過し、その間法制も、そして社会情勢もだいぶ変化しているということです。
そのため、上記判決そのままに、採用の自由、調査の自由が幅広く認められているという判断は避けるべきでしょう。
厚生労働省は、「応募者の適性・能力のみを基準として行うこと」を求めており、以下のような項目について、面接時に質問したり、情報を収集したりしないよう十分配慮するようにという行政指導をしています。
<本人に責任のない事項>
・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境に関すること(生い立ちなど)
<本来自由であるべき事項>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合・学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
<その他>
・身元調査などの実施
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施
さらに、個人情報保護法は、個人情報を収集する際には利用目的を明示すること、そして個人情報を提供する場合には本人の同意を得ることを義務づけています。
ここまで述べてきた通り、会社の採用の自由、調査の自由には様々な制約があります。
会社が雇用に伴うリスクを最小限にするために、応募者に関する情報をできるだけ知りたいという気持ちは理解できます。しかし、合理的な説明ができない限り、応募者の個人情報を集めることもリスクです。トラブルを避けるためにも、身元調査などは実施しないほうが良いでしょう。
どのカテゴリーに投稿しますか?
選択してください
1~2
(2件中)
お知らせ
2024.4.22
2023.11.1
2023.8.7
スポンサーリンク
スポンサーリンク
[2022.7.24]
[2019.11.12]
[2018.10.10]