相談の広場
現在当社では事務作業を業務単価を取り決めた業務委託契約書を交わした個人に注文書を発行して、支払いをしています。
社内監査において当社が徴収義務者となるため、確定申告をしているか確認せよとの指示がありました。
しかし源泉徴収が必要な報酬、料金の範囲にはその業務自体が含まれていないようです。
本社ではその委託自体もアルバイト料のように労務費の扱いではないかと思っているようですが、現在は外注費の取扱にしています。
源泉徴収が必要な報酬、料金に含まれないので、徴収義務も発生しないと思われますが、どうなのでしょうか。
解釈がいろいろあると思いますが、よろしくお願い致します。
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事務業務を委託した個人の作業が、貴社の指揮命令下における労働と考えられるのであれば、その支払いが給与所得と認定されたうえで、源泉徴収の問題が生じると思われます。
給与所得ではないとなった場合は、報酬・料金としての課税対象であれば、相応の徴税が必要でしょうが、源泉徴収の必要がない報酬・料金であれば徴税も不必要となります。
貴社の監査部門は、当該支払いが給与所得に該当するから源泉徴収しなければならないと考えているようですので、給与所得に該当するかどうかを確認するのが第一歩ではないでしょうか。
なお、給与所得に該当するとした場合であっても、貴社が当該個人が確定申告をしているかどうかを確認する義務はありません。確定申告の判断は当該個人の責任ですから。
給与とは、事業主との雇用契約のもとづき、事業主の指揮・命令下にあって労働を提供し、その代償として受け取るもの、といった感じになるかと思います。
一般的には、事務所や工場などで労働を提供することになると思いますが、100%在宅での労働となれば、事務所からは勤務状況を目視できませんから、一見して労働者としての労働なのか、一事業主としての労働なのかが判別できない場合があります。
となれば、労働者としての労働であるか否かを判断することになるかと思います。
労働者であれば、労働を提供する場所、時間、方法などを細かく指示・命令され、場合によっては進捗状況の報告義務なども求められます。
一方、一事業主となれば、結果が全てですから、作業方法、時間などは指示されません。期限までの完了が求められる全てと言えるかもしれません。
従って、一見して勤務実態がないように見えても、労働者としての労働の代償ということであれば給与所得、一事業主としての収入となれば報酬・料金と考えれば良いのではと思います。
決して充分な説明になっているとは思えないので、大筋から多少感覚的視点を交えてご判読いただければと思います。
蛇足かもしれませんが。
税法上の給与所得に該当するかどうかは、契約内容だけではなく実質的な業務形態・内容が判断基準となります。
過去の判例から以下の5点を総合して判断されることとなります。
(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。
ご参考までに。
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