相談の広場
何卒ご指南よろしくお願いいたします。
状況ご説明が長くなりますことご容赦ください。
<状況>
事情により取引先(A社)との契約を解除することで社内決定し、A社に通知したのですが、取引基本契約の中に期限の定めを記載していなかったことをタテに、A社から契約の解除を拒絶されております。
<経緯>
(1)
A社とは
・取引基本契約(おおもととなる契約。各案件の記載なし)
・覚書(案件ごとに交わすもの)
を結んでおります。
※なお、当社は、B社(A社の関係会社)とも
・取引基本契約
・覚書
を結んでおりました。
(2)
実は2年ほど前、当社への通知なくB社案件がA社に移管されましたが、当該案件についてはA社との間で覚書を締結し直しておらず、B社との契約のままなし崩し的に続いておりました。
※今回問題になっている案件は元々B社との契約案件だったものです。
(3)
先日、B社との契約は解除し、引き続きA社との契約も解除する方向で進めようとしましたが、A社から拒絶されております。
A社としては、B社から移管された案件はA社案件と認識しているようで、当社とA社との契約解除を頑なに拒否されております。
しかし、事実上移管されているとはいえ契約上はB社案件のままであり、したがって当社とB社が契約解除した時点で当該案件の契約も解除されるのではないかと考えております。
<ご質問>
(1)
上記のような場合、B社案件として契約解除済みであるという解釈でよろしいでしょうか?あるいは事実上A社に移管されたためA社案件として今後も続けねばならないのでしょうか?
(2)
基本契約には「本契約に定めていない事項あるいは契約内容の解釈について疑義または紛争が生じた場合は、法令および商慣習に従い、甲乙協議の上解決する」と謳っております。
「期限の定めのない契約をそのままにしておくことは商慣習上問題あり」という解釈からの先方への説得も出来ればと考えておりますが、いかがでありますでしょうか?
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チェりーピッキングという、基本契約書と覚書(個別契約書)を交わす方法だと思いましたが、
契約上の不備はともかく、根本的には同じような内容だと思われます。
www.foresight-law.gr.jp/column/backnumber/110901.html
新法・|新判例フォーサイト総合法律事務所
>期間の定めのない継続的取引を解約するには一定の予告期間か損失補償が必要であり、
それを欠いた解約は債務不履行を構成し、損害賠償責任を負うとした事案
(東京地裁平成22年7月30日判決)
>1 事案の概要
ワイン輸入販売会社であるX社は、海外のワインメーカーであるY社との間で、ワインの輸入販売を内容とする販売代理店契約を締結し、以後、18年に渡って取引を継続していました。
ところがその後、Y社から、X社に対し、4ヶ月後に販売代理店契約を解約するとの通知がなされました。なお、X社には解約されるような債務不履行はありませんでした。
そこで、X社は、販売代理店契約の解約には少なくとも1年間の予告期間を置くべきであり、Y社の行為はこの義務に違反する等と主張して、Y社に対し、債務不履行等に基づく損害賠償を求めました。
>2 判決の要旨
(1)東京地方裁判所は、「Y社が販売代理店契約を解約するには、1年の予告期間を設けるか、その期間に相当する損失を補償すべき義務を負うものと解される」「しかるに、Y社が損失補償をしないまま予告期間を4ヶ月とする解約をしたのは、販売代理店契約上の義務に違反するものであって、債務不履行に当たる」と判断しました。
(2)その理由について、裁判所は、まず、①X社とY社間の販売代理店契約が18年という長期にわたり継続されてきたこと、②その間にX社が日本におけるY社ワインの売り上げを大幅に伸ばしてきたこと等の事実を認定しました。
その上で、上記事実認定を前提に、X社において将来にわたってY社ワインが継続的に供給されると信頼することは保護に値するものと評価し、上記(1)のとおり、販売代理店契約の解約には、1年の予告期間を設けるか、その期間に相当する損失を補償すべき義務を負うと判断しました。
>3 考察
(1)本事案のような継続的取引契約における一方的解約の可否については、①解約は自由、②解約にはやむを得ない事由が必要、③解約は自由だが損害賠償責任を負う、④解除には予告期間が必要、といった様々な学説・裁判例が存在します。
これは、解約したい側と、される側の利益調整をどのように図るかという問題です。
(2)ただ、契約の一方当事者がもはや継続を望んでいないのになおも契約で縛り続けるというのは、個人の自由の観点からしますと、決して健全な状態とは言えません。
そこで最近は、期間の定めのない継続的取引契約については、原則として解約自体は認めつつ、契約相手方の保護については、一定の予告期間を置くこと等で調整する、という考え方が有力になっています。
なお、この有力説の場合、具体的な予告期間については、事案ごとに、取引の性質、実情、契約相手方の状況等に応じて、合理的期間を設定すべきとされています。
(3)本裁判例も、上記(2)の有力説と同様の考えに則り、Y社が解約を希望する以上、解約自体は認めつつ、X社の保護については合理的な予告期間を設定することで調整を図るべきとしたものです。
また、具体的な予告期間については、契約が18年もの長期にわたっており、その間、X社がY社ワインの売上げを大幅に伸ばしている等の事情から、X社としては契約が今後も続くものと期待し、信頼するのは自然なことであり、それを短期間の予告でもって一方的に奪うことはX社の被る不利益が大きいとの考えから、継続的取引の解消事案としては比較的長めな「1年」の予告期間を置くべき(又はそれに代わる損失補償をすべき)と判断したものと考えられます。
継続取引を行っていた場合の考え方が示されていますので、それに沿った考え方で行うべきでしょうね。
ただし、いろいろな学説や裁判例が存在するようですので、弁護士さんと相談されたほうがよさそうです。
なお、「期間の定めのない契約の解除」で検索すれば、いろいろヒットするはずです。
夜遅かったので、細かいことは書けませんでしたが、最終的には相手弁護士との交渉事になると思います。
現実的には、契約解除の有効性よりも、相手側が契約解除に伴い被る損害賠償額がメインになると考えます。
その損害額については、相手側が被った単純な売上減になるのか?売上総利益減になるのか?
当然、その損害額の算定も必要になってきますね。
出来る限り支払額を少なくしたい。
そのあたりは、依頼する弁護士さんの手腕に期待するしかないですね。
> hitokoto2008様
>
> このたびはご教示をいただきまして誠にありがとうございました。
> いくら契約書上に期間の定めを設けてないとはいえ、不利な条件で一生縛られるなどということはあり得ないだろうと漠然と考えてはいましたが、先方の弁護士がそのような趣旨で当社を縛りつけにかかってきたことから、不安を感じておりました。
> 判例もあることを知り、まずは安心いたしました。更に他の判例も探ってみたいと思っております。
>
> 誠にありがとうございました。
hitokoto2008様
お世話になります。
このたびは本当にわかりやすいご指南をいただきまして誠にありがとうございました。
素人同然のレベルで弁護士相手にどうにか出来るものでもなさそうだという判断もあり、ご指南の通り、弁護士に相談することになりました。
闇雲かつ漠然と弁護士に頼ろうとするのではなく、必然であることがわかったことは有意義だったと認識しております。
本当にありがとうございました。
> 夜遅かったので、細かいことは書けませんでしたが、最終的には相手弁護士との交渉事になると思います。
> 現実的には、契約解除の有効性よりも、相手側が契約解除に伴い被る損害賠償額がメインになると考えます。
> その損害額については、相手側が被った単純な売上減になるのか?売上総利益減になるのか?
> 当然、その損害額の算定も必要になってきますね。
> 出来る限り支払額を少なくしたい。
> そのあたりは、依頼する弁護士さんの手腕に期待するしかないですね。
>
>
>
> > hitokoto2008様
> >
> > このたびはご教示をいただきまして誠にありがとうございました。
> > いくら契約書上に期間の定めを設けてないとはいえ、不利な条件で一生縛られるなどということはあり得ないだろうと漠然と考えてはいましたが、先方の弁護士がそのような趣旨で当社を縛りつけにかかってきたことから、不安を感じておりました。
> > 判例もあることを知り、まずは安心いたしました。更に他の判例も探ってみたいと思っております。
> >
> > 誠にありがとうございました。
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