厚生年金について

>厚生年金の件で教えてください。
>
> 66才　国民年金部分480カ月掛け済みです。
> この4月で定年退職、間をあけずに嘱託として再雇用、社会保険あり。
>
> その方からの質問ですが、
> 「480カ月はかけた。でも在職中は厚生年金に加入しないといけない。
> 　自分がかけた毎月の年金額は、国民年金の部分はどこへ行くのか。全部老齢厚生年金に計算されるのか。また、その法律が載っているものを教えてほしい」と
>
> 自分なりに国民年金法、厚生年金法を見てみたのですが、毎月の掛け金がどうなるかとかまではわからなくて…。
>
> よろしお願いします。
>

こんばんは　長文ですが

その従業員さんが持たれている疑問については、一般的な心情としてはよく分かります。
一旦そういう疑問を持たれた方に対して納得していただける説明をするのは、かなり難しいのですが、
まず、日本の公的年金制度が、被保険者個人の積立方式ではなく、世代間の扶養（賦課方式）によって成り立っていることを理解していただかないと話が前へ進みません。

個々の被保険者が支払った保険料が積み立てられて、明確に個人に紐付けられて将来本人に戻ってくるという仕組みではなく、日本中の被保険者全員が納付した保険料と国の税金からの拠出金が総体として運用されて、現在の年金受給者への給付金に充てられているということです。
もしも年金が被保険者個人の積立制度であれば、厚生年金の保険料は内訳として国民年金部分、厚生年金保険部分が区別されていなければなりませんし、60歳に到達した厚生年金被保険者からは国民年金部分の保険料を徴収するのはおかしいということになりますが、上記の理由から厚生年金の被保険者期間の上限である70歳前まで、納付する保険料は年齢や被扶養者の有無に関わらず本人の報酬のみによって決定されているのです。
徴収された厚生年金保険料の国の総収入からは基礎年金拠出金として一定額が基礎年金勘定へ振り替えられてはいます。
＊質問の回答としては、被保険者個人のレベルでは、毎月の厚生年金保険料額に “国民年金の部分” という明確な区分は無いのです。
報酬が低い厚生年金被保険者の保険料額は、事業主負担分を合わせても国民年金の保険料額より少ないですからね。
この制度が被保険者個々のレベルで考えた時に合理的で整合性のとれたものかと問われたら、国の年金財政の都合で後付けで組み立てられた部分もあって回答が難しいのですが、現状はこうなっています ということです。

【国民年金と厚生年金保険の関係】
会社員等が加入する厚生年金保険の被保険者は20歳から65歳前までは国民年金の第2号被保険者も兼ねています。
ただし、本人の老齢基礎年金の年金額の基礎となるのは、20歳から60歳前までの Max480月の被保険者月数です。
60歳から65歳前までの厚生年金被保険者月数は、本人の老齢基礎年金額には反映されませんが、60歳前までの期間と同様に 60歳未満の被扶養配偶者がいる場合は、その配偶者の国民年金 第3号被保険者期間として配偶者の老齢基礎年金額に反映されます。
※ 加入する年金制度としては、大きく分けると国民年金か厚生年金保険か ですが、年金の給付制度としては国民年金というのは存在しません、基礎年金と厚生年金保険です。

※（参考資料）ご本人がどこまで深く関心を持たれているか？ ですが
　この概要を理解しないことには疑問は解けないでしょう。

年金制度の仕組み
https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_shikumi.html

年金制度基礎資料集
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001167825.pdf

第4 公的年金制度の財政方式
https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/000961692.pdf

公的年金各制度の財政収支状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000128082.html

はじめまして　おがちゃんさん
厚生労働省のホームページに在職老齢年金の説明がありますので、ご参考にして下さい

https://www.mhlw.go.jp/stf/nenkin_shikumi_010.html