相談の広場
厚生年金基金のホームページに基金加入のメリットとあり
事業主負担の掛金は税法上、全額経費または必要経費(損金)扱いとなり、実質負担は軽減されます。また、基金の積立金は原則として非課税とされております。と記載されてありました。
従業員から質問があり、基金の加算部分は退職金制度の一部として活用出来るとされていますが、事業主が軽減された負担額等は、一時金の額からマイナスするべきなのではということなのですが、どうなのでしょうか。
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chikorinさん、こんにちは。
厚生年金基金のホームページに記載されているメリットには、会社の状況によってはメリットでも何でもないものが記載されているように思います。(厚生年金基金への加入を促すためのものですので、当然と言えば当然なのですが。。。ただ、企業に金融商品を勧めるのと同じような効果がありますので、もう少し表現の法的規制とかを、もっと厳しくすべきだと感じますが。)
事業主負担の掛金が損金扱いとなるというのも単純にメリットといってよいかどうか疑わしいものの一つですが、これは継続的に黒字を出せる企業でないとメリットではありません。赤字の企業であれば、掛金が損金になっても赤字が増えるだけで税金は減りませんので、実質負担も軽減されません。また、基金の掛金には、本来であれば国に払うべき厚生年金保険料が含まれていますが、これは、もともと損金扱いです。仮に黒字の企業であっても実質的な負担軽減分はそんなに大きくないのではと思います。
また、退職金はその支給時に損金に算入することができますが、厚生年金基金で退職金を積み立てる場合、掛金を払うときに損金になるだけで、基金から退職金が支給されるときには会社の損益には影響はありません(会社が払うわけではないので会社の損金にはなりません)。もし、退職金を社内で積み立てる場合には、積み立てるお金は損金にはなりませんが、退職金を支払うときには損金になります。つまり、掛金を支払うときに損金になるか、退職金を支払うときに損金になるかという、いつ損金計上できるかという時期の違いがあるだけで、トータルでみれば大きな違いはないといえると思います。もちろん、退職金支給時に黒字である保証はないため、毎期、平準的に少しずつ損金にできるというのはメリットかもしれませんが、トータルで見れば、社内で退職金を準備している場合に比べて会社の負担が大きく減るわけではないといえるのではないでしょうか。その分、退職金を増やす必要があるとまではいえないように思います。
最近、運用状況が悪いため、財政状況が厳しい厚生年金基金が増えていますが、そのために事業主の負担が増えれば、一時金の額をマイナスすべき、というような話にもなるのかと思います(実際にそういう話をせざるをえないところもあると思いますが。)
いずれにしても、メリットの1つだけを取り上げて話をしても意味はないように思います。たとえば、基金に加入すると、割高な事務費を徴収される場合もありますので、掛金が損金になってその分だけ税負担が減っていたとしても、割高な事務費の分でそれが相殺されているケースもあるように思います。基金の様々なポイントから総合的にみる必要があると思います。
ご参考になれば幸いです。
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