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わかっちゃう! 知的財産用語 No.124
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こんにちは! わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。
☆ 本日の知的財産用語
[団体
商標(だんたいしょうひょう)]
団体がその構成員(メンバー)となっている
事業者に使用させる
商標のこ
とです。
(1) 「
商標」は自分の提供する商品又はサービス(
役務)を他人の商品やサ
ービスと識別するための名称やマークですから、原則として
商標を自ら使
用する者(又は使用する意志の有る者)が
商標登録を受けることができま
す。
只、自ら使用する予定がなくても登録できる
商標として「団体
商標」があ
ります。
知的財産に関する「パリ条約」という条約があるのですが、その中で
「団体がその構成員に使用させる
商標」についても保護することが決められ
ており、日本でも「団体
商標」として
商標登録を保護しています。
団体
商標は団体が自ら使用することもできますが、団体の構成員(メンバ
ー)に使わせることを主な目的としていている点で、通常の
商標と異なりま
す。
(2) 登録を受けることができる者
団体
商標の登録を受けることができる者は、当然「団体」なのですが、下
記のような団体に限定されます。
(A)
民法34条の規定により設立された社団
法人
(B) 特別の法律により設立された
法人格を有する組合
(例えば、農業組合法により設立された農業協同組合などです)
(C) 上記の(A),(B)に相当する外国の
法人
です。
しかし、近く法改正が有り(
特許庁によると平成18年9月1日を目処と
しているそうです)、この条件は緩和される予定です。
詳しくは下記の「関連事項」を参照下さい。
(3) 団体
商標の登録を受けるための手続き
団体
商標の
商標登録出願をしますが、その際に、出願人が条件を満たす法
人であることを証明する書面を
特許庁長官に提出しなくてはなりません。
団体
商標の出願も、通常の
商標登録出願と同様に登録できるかどうか審査
されます。
(4) 登録されると
団体
商標が
商標登録された場合、団体の構成員は、団体の定めるところに
より、その団体
商標を使用することができます。
通常使用権の許諾のような個別の使用許諾は不要です。
但し、「団体の定めるところにより」使用しなくてはならないので、団体
の定めを無視した勝手な使用は認められません。
団体自らも使用することはできますが、「構成員に使用させる」というの
が団体
商標の前提です。団体のみが使用する
商標は団体
商標とは認められま
せん。
団体
商標の使い方の例としては色々あると思いますが、ある種製品につい
ての業界団体がマークを登録して、構成員のメーカーに対して、所定基準
を満たす商品に そのマークを使用させるような場合などが考えられます。
(「ウールマーク」のようなものをイメージしていただけるとわかりやすい
と思います。)
団体
商標を使用することにより、お客さんに「信用できる団体の構成員」
であることを示すことができるので、商品の信頼度が向上します。
☆ ☆
[関連事項と経験談]
(1)法改正
現在よりも団体
商標の登録を受けることのできる者の範囲が拡大されます。
民法34条の規定により設立された社団
法人だけでなく、その他の社団(
「
法人格を有しないもの」と「会社」は除く)も団体
商標の登録を受けるこ
とができるようになります。
例えば、「商工会議所」,「商工会」,「
NPO法人」,「
中間法人」な
ども、団体
商標の登録を受けることができるようになります。
(2)出願の変更について
出願人は、「団体
商標」の
商標登録出願について、「通常」の
商標登録出
願又は「地域団体
商標」の
商標登録出願に変更をすることができます。
その逆の変更も可能です。
但し、変更内容により所定の証明書面を提出しなくてはならない場合があ
ります。
(3) 権利の移転について
団体
商標は所定の要件を満たす団体にだけ登録を認めるという趣旨です。
そのため、団体
商標の
商標権を移転(権利移転)すると、移転後は通常の
商標権に変更されたものとして扱われます。
但し、移転登録の申請時に、所定の書類を提出することにより、移転後も
団体
商標の
商標権として移転することができる場合があります。
(4) 地域団体
商標
いわゆる「地域ブランド」を保護する「地域団体
商標」については 以前
に説明しましたが、今回説明した団体
商標とは「権利を受けることができる
者」や、「
商標の内容」が異なります。
(参照:
http://www.jpat.net/Y115.htm )
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「わかっちゃう! 知的財産用語」
発行 西川
特許事務所 (
http://www.jpat.net/ )
兵庫県西宮市東山台3丁目9-17
電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821
発行人 弁理士 西川 幸慶
pat@jpat.net
ご意見、ご感想 お待ちしてます。
感想メールをいただくと嬉しくて やる気が出るので、よろしくお願い
します。(「読んでるよ」の一言だけでも たいへん勇気づけられます。)
* このメールに返信いただけば、西川に届きます。
☆「メール相談」
http://www.jpat.net/sodan.htm は「有料」ですが、
出願等のご依頼に伴うご相談は「無料」で承っております。
☆ 恥ずかしながら・・
私の日記
http://plaza.rakuten.co.jp/pinnote/
(書き込みも歓迎)
☆ ☆
掲載された記事の内容を許可なく転載することを禁じます。
但し、署名を含めて全文転載でしたら転載,転送していただいて結構です。
(C) 2006 Nishikawa Yukiyoshi
『まぐまぐ』 を 使ってお届けしています。
本マガジンの解除は
http://www.mag2.com/m/0000098536.htm から
お願いします。
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[編集後記]
実家の押入を整理していたら、「水中モーター」が出てきました。
本体前後をツイストしてスイッチを入れる赤と白のボディが懐かしいです。
吸盤で「船の模型」,「せっけん箱」など、浮くモノの底に取り付け、モ
ーターでスクリューを回して走らせることができます。
子どもの頃は、近所の神社の池 や風呂場で よく遊びました。
20年くらい前に買ったのだと思うのですが、電池を入れてみましたら今
でも動きました。
早速、風呂に持って入って遊びました。
(あいにく船の模型は持っていないので、ペットボトルに取り付けて走らせ
ました。)
息子も喜んでいましたが、私の方が楽しんでいたようです(^_^;)。
最近は、「水中モーター」なんて 知らない子どもの方が 多いかもしれ
ませんね。
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わかっちゃう! 知的財産用語 No.124
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こんにちは! わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。
☆ 本日の知的財産用語
[団体商標(だんたいしょうひょう)]
団体がその構成員(メンバー)となっている事業者に使用させる商標のこ
とです。
(1) 「商標」は自分の提供する商品又はサービス(役務)を他人の商品やサ
ービスと識別するための名称やマークですから、原則として商標を自ら使
用する者(又は使用する意志の有る者)が商標登録を受けることができま
す。
只、自ら使用する予定がなくても登録できる商標として「団体商標」があ
ります。
知的財産に関する「パリ条約」という条約があるのですが、その中で
「団体がその構成員に使用させる商標」についても保護することが決められ
ており、日本でも「団体商標」として商標登録を保護しています。
団体商標は団体が自ら使用することもできますが、団体の構成員(メンバ
ー)に使わせることを主な目的としていている点で、通常の商標と異なりま
す。
(2) 登録を受けることができる者
団体商標の登録を受けることができる者は、当然「団体」なのですが、下
記のような団体に限定されます。
(A) 民法34条の規定により設立された社団法人
(B) 特別の法律により設立された法人格を有する組合
(例えば、農業組合法により設立された農業協同組合などです)
(C) 上記の(A),(B)に相当する外国の法人
です。
しかし、近く法改正が有り(特許庁によると平成18年9月1日を目処と
しているそうです)、この条件は緩和される予定です。
詳しくは下記の「関連事項」を参照下さい。
(3) 団体商標の登録を受けるための手続き
団体商標の商標登録出願をしますが、その際に、出願人が条件を満たす法
人であることを証明する書面を特許庁長官に提出しなくてはなりません。
団体商標の出願も、通常の商標登録出願と同様に登録できるかどうか審査
されます。
(4) 登録されると
団体商標が商標登録された場合、団体の構成員は、団体の定めるところに
より、その団体商標を使用することができます。
通常使用権の許諾のような個別の使用許諾は不要です。
但し、「団体の定めるところにより」使用しなくてはならないので、団体
の定めを無視した勝手な使用は認められません。
団体自らも使用することはできますが、「構成員に使用させる」というの
が団体商標の前提です。団体のみが使用する商標は団体商標とは認められま
せん。
団体商標の使い方の例としては色々あると思いますが、ある種製品につい
ての業界団体がマークを登録して、構成員のメーカーに対して、所定基準
を満たす商品に そのマークを使用させるような場合などが考えられます。
(「ウールマーク」のようなものをイメージしていただけるとわかりやすい
と思います。)
団体商標を使用することにより、お客さんに「信用できる団体の構成員」
であることを示すことができるので、商品の信頼度が向上します。
☆ ☆
[関連事項と経験談]
(1)法改正
現在よりも団体商標の登録を受けることのできる者の範囲が拡大されます。
民法34条の規定により設立された社団法人だけでなく、その他の社団(
「法人格を有しないもの」と「会社」は除く)も団体商標の登録を受けるこ
とができるようになります。
例えば、「商工会議所」,「商工会」,「NPO法人」,「中間法人」な
ども、団体商標の登録を受けることができるようになります。
(2)出願の変更について
出願人は、「団体商標」の商標登録出願について、「通常」の商標登録出
願又は「地域団体商標」の商標登録出願に変更をすることができます。
その逆の変更も可能です。
但し、変更内容により所定の証明書面を提出しなくてはならない場合があ
ります。
(3) 権利の移転について
団体商標は所定の要件を満たす団体にだけ登録を認めるという趣旨です。
そのため、団体商標の商標権を移転(権利移転)すると、移転後は通常の
商標権に変更されたものとして扱われます。
但し、移転登録の申請時に、所定の書類を提出することにより、移転後も
団体商標の商標権として移転することができる場合があります。
(4) 地域団体商標
いわゆる「地域ブランド」を保護する「地域団体商標」については 以前
に説明しましたが、今回説明した団体商標とは「権利を受けることができる
者」や、「商標の内容」が異なります。
(参照:
http://www.jpat.net/Y115.htm )
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「わかっちゃう! 知的財産用語」
発行 西川特許事務所 (
http://www.jpat.net/ )
兵庫県西宮市東山台3丁目9-17
電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821
発行人 弁理士 西川 幸慶
pat@jpat.net
ご意見、ご感想 お待ちしてます。
感想メールをいただくと嬉しくて やる気が出るので、よろしくお願い
します。(「読んでるよ」の一言だけでも たいへん勇気づけられます。)
* このメールに返信いただけば、西川に届きます。
☆「メール相談」
http://www.jpat.net/sodan.htm は「有料」ですが、
出願等のご依頼に伴うご相談は「無料」で承っております。
☆ 恥ずかしながら・・
私の日記
http://plaza.rakuten.co.jp/pinnote/
(書き込みも歓迎)
☆ ☆
掲載された記事の内容を許可なく転載することを禁じます。
但し、署名を含めて全文転載でしたら転載,転送していただいて結構です。
(C) 2006 Nishikawa Yukiyoshi
『まぐまぐ』 を 使ってお届けしています。
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お願いします。
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[編集後記]
実家の押入を整理していたら、「水中モーター」が出てきました。
本体前後をツイストしてスイッチを入れる赤と白のボディが懐かしいです。
吸盤で「船の模型」,「せっけん箱」など、浮くモノの底に取り付け、モ
ーターでスクリューを回して走らせることができます。
子どもの頃は、近所の神社の池 や風呂場で よく遊びました。
20年くらい前に買ったのだと思うのですが、電池を入れてみましたら今
でも動きました。
早速、風呂に持って入って遊びました。
(あいにく船の模型は持っていないので、ペットボトルに取り付けて走らせ
ました。)
息子も喜んでいましたが、私の方が楽しんでいたようです(^_^;)。
最近は、「水中モーター」なんて 知らない子どもの方が 多いかもしれ
ませんね。