セクハラという言葉が日本で知られるようになってだいぶ経ちますね。
男女雇用機会均等法でも、
セクハラ防止が会社の義務となっています。
実際、
セクハラの影響は無視できません。
会社には、配慮義務違反として訴訟を起こされるというリスクがあります。
金銭的な問題だけでなく、それによって被るイメージダウンも小さなものではないでしょう。
それより何より、
セクハラが職場環境、働く人の
モチベーションに与える悪影響が大きい。
人材が流出するリスクもあります。
セクハラの被害者が、
メンタルヘルス不調に陥るという「二次被害」もあります。
では、このような場合、
業務災害となるのでしょうか?
セクハラによる
メンタルヘルス不調と業務の因果関係をどう見るかということです。
因果関係がゼロということは、おそらくないと思いますが、それが
メンタルヘルス不調とどの程度関連性があるか、ということになります。
この点に関し、厚生労働省の精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会は2月2日、「セクシュアルハラスメント事案に係る分科会」の初会合を開きました。
セクハラはその性質から、被害を受け精神障害を発病した
労働者の労災請求や
労働基準監督署における事実関係の調査が困難となる場合が多いなど、特有の事情があることを踏まえ、労災認定実務上の課題などについて論点整理しています。
いずれ、何らかの報告書が出ると思われますが、今回は、どんな論点が挙がっているのか、ご紹介しておきましょう。
---
1 想定されるセクシュアルハラスメント事案特有の事情と課題
① ある出来事がセクシュアルハラスメントに当たるか否かは、被害者の意思によって決まる。
(同一の行為であっても、受け手によって、また、受け手と行為者の関係によって、セクシュアルハラスメントになる場合もならない場合もある。)
→ 加害者がセクシュアルハラスメントであることを否定するおそれがある。
② セクシュアルハラスメント事案は、その事実関係を当事者のみが知る場合が少なくない。
→ 客観的証拠がなく、加害者がセクシュアルハラスメントの事実を否定するおそれがある。また、監督署における事実認定が困難となる。
③ セクシュアルハラスメント行為の詳細は、加害者だけでなく、被害者においても他人に知られたくない場合が少なくない。
→ 被害者が労災申請を断念したり、詳細事実の陳述を拒んだりするおそれがある。また、加害者が虚偽を陳述するおそれ、監督署が事実の探求を躊躇するおそれがある。
④ セクシュアルハラスメントの被害を受け精神障害を発病した者が、被害の事実を想起することによって、精神障害が悪化する場合がある。
→ 被害者が労災申請を断念したり、詳細事実の陳述を拒んだりするおそれがある。また、監督署が事実の探求を躊躇するおそれがある。
⑤ セクシュアルハラスメントの態様は様々であり、これによる心理的負荷の強度も、弱いものから極めて強いものまで幅広く存在する。
→ 心理的負荷の強度の認定が難しい。
⑥ セクシュアルハラスメントは、6か月以上の長期にわたり繰り返される場合がある。
→ 繰り返される出来事の心理的負荷の強度の認定が難しい。
⑦ セクシュアルハラスメント事案はセクシュアルハラスメント行為中及びその終了に伴い、加害者や周囲の者からのいじめ、嫌がらせ行為に移行する場合がある。
→ 複数の出来事がある場合の心理的負荷の強度の認定が難しい。
⑧ セクシュアルハラスメント事案は、セクシュアルハラスメントの存在を被害者が会社内で訴えた後、職場の人間関係が悪化する場合や、社内で一定の対応がなされる場合・なされない場合がある。
→ 出来事後の状況の変化が持続する程度の評価が難しい。
2 考えられる論点
(1)セクシュアルハラスメントによる精神障害の認定の基準について
① 「セクシュアルハラスメントを受けた」という出来事の平均的な強度についてどのように考えるか。(1⑤関係)
現在、「セクシュアルハラスメントを受けた」という出来事を含め、ストレス評価に関する調査研究を行っており、本年3月に結果が取りまとまる予定である。
② 強姦、強制わいせつ等の特に心理的負荷が強いセクシュアルハラスメントの取扱いについて、明確にしてはどうか。(1⑤関係)
③ 繰り返されるセクシュアルハラスメントを適切に評価するために、どのような方策をとることが適当か。(1⑥関係)
④ 6か月より前に発生したセクシュアルハラスメントが原因で業務上と認められる精神障害はあると考えられるか。(1⑥関係)
このような事例があるとしても、発病前おおむね6か月の出来事の評価を適切に行うことにより、対応することができるのではないか。
判断指針においては、セクシュアルハラスメントに限らず、心理的負荷の評価の対象となる職場における出来事は、対象疾病の「発病前おおむね6か月」以内に発生したものに限定されている。
⑤ セクシュアルハラスメント事案において起こる複数の出来事のうち典型的なものについて、総合評価の方法を具体的に示すことができないか。(1⑦関係)
⑥ 出来事後の状況のうち典型的なものについて、どのように評価する、あるいは評価しないことが適切か、明らかにすることができないか。 (1⑧関係)
⑦ どの程度の事実関係が確認できれば、心理的負荷の強度を適切に判断できるか。(1②~④関係)
(2)セクシュアルハラスメントによる精神障害の労災認定に当たっての運用について
① 相談や請求を控える場合があるとすれば、その原因は何か。これを解消するために、どのような方策をとることが適当か。(1①~④関係)
・ パンフレット等、情報提供に関し、どのような工夫が必要か
・ 相談・窓口の体制に関し、どのような工夫が必要か
・ 請求手続に関し、どのような工夫が必要か
②
労働基準監督署における調査を行う過程で、留意すべき事項があるか。 特に、請求人(被害者)や加害者、同僚等からの聴取の際に留意すべき事項は何か。(1①~④関係)
③ 当事者にしか事実関係が明らかでない場合に、これを明らかにするために有効な手法はあるか。(1①~③関係)
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セクハラという言葉が日本で知られるようになってだいぶ経ちますね。
男女雇用機会均等法でも、セクハラ防止が会社の義務となっています。
実際、セクハラの影響は無視できません。
会社には、配慮義務違反として訴訟を起こされるというリスクがあります。
金銭的な問題だけでなく、それによって被るイメージダウンも小さなものではないでしょう。
それより何より、セクハラが職場環境、働く人のモチベーションに与える悪影響が大きい。
人材が流出するリスクもあります。
セクハラの被害者が、メンタルヘルス不調に陥るという「二次被害」もあります。
では、このような場合、業務災害となるのでしょうか?
セクハラによるメンタルヘルス不調と業務の因果関係をどう見るかということです。
因果関係がゼロということは、おそらくないと思いますが、それがメンタルヘルス不調とどの程度関連性があるか、ということになります。
この点に関し、厚生労働省の精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会は2月2日、「セクシュアルハラスメント事案に係る分科会」の初会合を開きました。
セクハラはその性質から、被害を受け精神障害を発病した労働者の労災請求や労働基準監督署における事実関係の調査が困難となる場合が多いなど、特有の事情があることを踏まえ、労災認定実務上の課題などについて論点整理しています。
いずれ、何らかの報告書が出ると思われますが、今回は、どんな論点が挙がっているのか、ご紹介しておきましょう。
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1 想定されるセクシュアルハラスメント事案特有の事情と課題
① ある出来事がセクシュアルハラスメントに当たるか否かは、被害者の意思によって決まる。
(同一の行為であっても、受け手によって、また、受け手と行為者の関係によって、セクシュアルハラスメントになる場合もならない場合もある。)
→ 加害者がセクシュアルハラスメントであることを否定するおそれがある。
② セクシュアルハラスメント事案は、その事実関係を当事者のみが知る場合が少なくない。
→ 客観的証拠がなく、加害者がセクシュアルハラスメントの事実を否定するおそれがある。また、監督署における事実認定が困難となる。
③ セクシュアルハラスメント行為の詳細は、加害者だけでなく、被害者においても他人に知られたくない場合が少なくない。
→ 被害者が労災申請を断念したり、詳細事実の陳述を拒んだりするおそれがある。また、加害者が虚偽を陳述するおそれ、監督署が事実の探求を躊躇するおそれがある。
④ セクシュアルハラスメントの被害を受け精神障害を発病した者が、被害の事実を想起することによって、精神障害が悪化する場合がある。
→ 被害者が労災申請を断念したり、詳細事実の陳述を拒んだりするおそれがある。また、監督署が事実の探求を躊躇するおそれがある。
⑤ セクシュアルハラスメントの態様は様々であり、これによる心理的負荷の強度も、弱いものから極めて強いものまで幅広く存在する。
→ 心理的負荷の強度の認定が難しい。
⑥ セクシュアルハラスメントは、6か月以上の長期にわたり繰り返される場合がある。
→ 繰り返される出来事の心理的負荷の強度の認定が難しい。
⑦ セクシュアルハラスメント事案はセクシュアルハラスメント行為中及びその終了に伴い、加害者や周囲の者からのいじめ、嫌がらせ行為に移行する場合がある。
→ 複数の出来事がある場合の心理的負荷の強度の認定が難しい。
⑧ セクシュアルハラスメント事案は、セクシュアルハラスメントの存在を被害者が会社内で訴えた後、職場の人間関係が悪化する場合や、社内で一定の対応がなされる場合・なされない場合がある。
→ 出来事後の状況の変化が持続する程度の評価が難しい。
2 考えられる論点
(1)セクシュアルハラスメントによる精神障害の認定の基準について
① 「セクシュアルハラスメントを受けた」という出来事の平均的な強度についてどのように考えるか。(1⑤関係)
現在、「セクシュアルハラスメントを受けた」という出来事を含め、ストレス評価に関する調査研究を行っており、本年3月に結果が取りまとまる予定である。
② 強姦、強制わいせつ等の特に心理的負荷が強いセクシュアルハラスメントの取扱いについて、明確にしてはどうか。(1⑤関係)
③ 繰り返されるセクシュアルハラスメントを適切に評価するために、どのような方策をとることが適当か。(1⑥関係)
④ 6か月より前に発生したセクシュアルハラスメントが原因で業務上と認められる精神障害はあると考えられるか。(1⑥関係)
このような事例があるとしても、発病前おおむね6か月の出来事の評価を適切に行うことにより、対応することができるのではないか。
判断指針においては、セクシュアルハラスメントに限らず、心理的負荷の評価の対象となる職場における出来事は、対象疾病の「発病前おおむね6か月」以内に発生したものに限定されている。
⑤ セクシュアルハラスメント事案において起こる複数の出来事のうち典型的なものについて、総合評価の方法を具体的に示すことができないか。(1⑦関係)
⑥ 出来事後の状況のうち典型的なものについて、どのように評価する、あるいは評価しないことが適切か、明らかにすることができないか。 (1⑧関係)
⑦ どの程度の事実関係が確認できれば、心理的負荷の強度を適切に判断できるか。(1②~④関係)
(2)セクシュアルハラスメントによる精神障害の労災認定に当たっての運用について
① 相談や請求を控える場合があるとすれば、その原因は何か。これを解消するために、どのような方策をとることが適当か。(1①~④関係)
・ パンフレット等、情報提供に関し、どのような工夫が必要か
・ 相談・窓口の体制に関し、どのような工夫が必要か
・ 請求手続に関し、どのような工夫が必要か
② 労働基準監督署における調査を行う過程で、留意すべき事項があるか。 特に、請求人(被害者)や加害者、同僚等からの聴取の際に留意すべき事項は何か。(1①~④関係)
③ 当事者にしか事実関係が明らかでない場合に、これを明らかにするために有効な手法はあるか。(1①~③関係)
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