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特許法改正

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    わかっちゃう! 知的財産用語    番外

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こんにちは!  わかっちゃう弁理士 西川幸慶です。


 最近 今回の特許法の改正についてご質問を受けることが多い
ので、「番外」として読者の方に 影響がありそうな改正点に
ついて 簡単に紹介します。



(1)「ライセンス契約の保護強化」

 他人の特許発明を実施したい場合は、特許権者とライセンス契約
結んで実施権者となります。実施権には独占的な専用実施権と、独占
的でない通常実施権がありますが、多くの場合は通常実施権のライセ
ンス契約となります。



 現行法では通常実施権を特許庁に登録すれば、その後に特許権が譲
渡された場合でも新しい特許権者に対して通常実施権を主張できます。
これにより通常実施権者は特許権者が変わっても発明の実施を続ける
ことができます。



 しかしながら、実際にはライセンス契約の際に特許権者に対して通
常実施権の登録を要求しにくく、あまり登録されていません。



 通常実施権の登録をしない場合には、特許権が譲渡された場合に新
しい特許権者から特許権侵害として差止請求等を受けることがありま
した。



 今回の改正ではライセンス契約の保護を強化する意味で、通常実施
権の登録を不要としました。つまり特許庁に登録をしなくても契約書
等で通常実施権の存在を立証できれば、新しい特許権者に対して通常
実施権の効力を維持することができます。





(2)「共同研究等の成果に対する発明者の保護」

 共同で発明した場合、特許を受ける権利は原則として共同発明者全
員にあります。しかしながら、共同で出願すべき発明について共同発
明者の一部が単独で特許出願し、特許権を得てしまうことなどがあり
ました。



 近年、企業相互間や、企業と大学との間で共同研究が多くなってい
ますが、特許庁の調査によるとこのような「抜け駆け」的な単独の出
願をされてしまった経験を持つ企業・大学が4割近くもあるとのこと
です。このような場合、現行法においては発明者の保護手段は特許
を無効とする等に限られていました。


 今回の改正では、そのような場合に本来特許権者となれたはずの発
明者が、抜け駆けした特許権者に対して特許権の移転を請求できるよ
うになります。請求が認められれば、請求をした者に特許権が移転さ
れることになります。





(3)「新規性喪失の例外規定の適用範囲拡大」


 発明は公表されると「新規性」失うので、原則として公表前に特許
出願する必要があります。



 しかしながら事情により公表前に出願できない場合もあるので、特
許法では救済措置として「新規性喪失の例外」という規定を設け、出
願前に公表された場合でも所定の場合は新規性を喪失しなかったもの
として扱います。



 現行法では、刊行物への発表、特定の学会での文書による発表、特
定の博覧会への出品など適用できる範囲が限定されていましたが、今
回の改正により発明者が自ら公表した場合について広く適用できるよ

うになります。



 たとえば、発明者が展示会,コンテスト等で発表した場合なども「
新規性喪失の例外」の適用を受けることができます。





(4)[その他]

 今回の改正には、特許料減免期間の延長、紛争の迅速・効果的な解
決のための審判制度の見直しなども含まれます。また、実用新案法,
意匠法,商標法なども改正があります。





 ☆[改正説明会]

 既に終了した会場もありますが、特許庁主催の説明会が各地で開催
されています。詳しくは 下記の特許庁ホームページをご参照下さい。


 http://tinyurl.com/3j5a69j





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 「わかっちゃう! 知的財産用語」

  発行   西川特許事務所 ( http://www.jpat.net/
       兵庫県西宮市東山台3丁目9-17  
       電話 0797-61-1841、 FAX 0797-61-1821 
  発行人  弁理士 西川 幸慶  pat@jpat.net
   
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  (C) 2007 Nishikawa Yukiyoshi 
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[編集後記]


 久しぶりのメルマガ発行となりました。
 (このメルマガの存在を忘れていた読者の方も多いのでは・・)

 1年前までは 毎月3回発行するのが習慣でしたが、しばらく 
さぼると 書き始めるのにパワーがいるものですね。

 今後は もう少し 発行頻度を上げていきたいと思っています
が、どうなりますことやら。

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