1.◆◆◆
ROEが高い会社は良い会社か?(Side-A)◆◆◆
ROEとは、Return On Equityの略で日本語では
株主資本利益率や
自己資本利益率と訳されています。
つまり、
株主が投資した金額に対して、
どの位のリターンを稼ぐことができたかということを表しています。
具体的な数字は次の式で
算定されます。
ROE=
当期純利益÷自己
資本
ちなみに、自己
資本とは、
株主が投資した金額と企業が稼いだ利益で
株主などに分配されていない金額を合計したものです。
実際の数字を使って計算すると、次のようになります。
(説例1)
自己
資本10億円、当期純利1億円の企業の
ROEは
ROE=
当期純利益÷自己
資本=1億円÷10億円=10%となります。
一般的に
ROEが高い会社は、優良会社と判断されるため、上場企業にとっては
ROEをを高くすることが重要な経営目標となります。
どうすれば
ROEを高くすることができるでしょうか?
説例1の会社の
ROEを高くするには次の2つの方法が考えられます。
1.ブランド構築による商品単価のアップ
企業が2億円の研究
開発費を投入してより良い商品を作りました。
さらに、2億円をかけて広告宣伝を行うことによって、
より良いブランドイメージを構築することに成功しました。
ブランドイメージの構築により、商品単価をアップさせることに成功し
収益の増加額は5億円になりました。
よって利益は単価アップによる
収益の増加額5億円から、研究
開発費2億円、
広告宣伝費2億円を引いた1億円増加しました。
2.リストラ
従業員の削減により、1億5千万円の人件費が減少しました。
また、会社が所有している
従業員のための保養所を
売却することにより
借入金の圧縮を行いました。
借入金の圧縮により
支払利息が1千万円減少しました。
しかし、
従業員の減少に伴い売上も減少し、
売上から
売上原価を引いた、粗利も6千万円減少しました。
粗利は6千万円減少しましたが、人件費1億5千万円、
支払利息1千万円の合計1億円6千万円のコストを削減したため
利益が1億円増加しました。
1と2の方法のどちらを取っても、利益が1億円増加して
2億円となるため
ROEが10%から20%に増加します。
同じ
ROEが20%でも1と2では、
経済全体に与える影響は大分違いますよね。
1は追加で4億円支出しているので、それだけ経済全体が潤います。
また、会社のブランド価値が上がったら、
そこで勤務している
従業員の方の満足度も上がります。
2は利益は同じように増加していますが、
簡単に言えば企業規模の縮小にすぎません。
つまり、お伝えしたかったことは、
ROEの数字は一つの指標にすぎないということです。
大切なのは数字の背後にある、現実をつかみとることです。
ROEが高い会社=良い会社と単純に判断せずに、
なぜ、この会社は
ROEが高いのだろうと考えて下さい。
考えることが、スキルアップへの第一歩だと思います。
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発行者 望月 実(
公認会計士)
URL
http://ac-intelligence.jp/
E-mail
minoru@ac-intelligence.jp
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1.◆◆◆ROEが高い会社は良い会社か?(Side-A)◆◆◆
ROEとは、Return On Equityの略で日本語では
株主資本利益率や自己資本利益率と訳されています。
つまり、株主が投資した金額に対して、
どの位のリターンを稼ぐことができたかということを表しています。
具体的な数字は次の式で算定されます。
ROE=当期純利益÷自己資本
ちなみに、自己資本とは、株主が投資した金額と企業が稼いだ利益で
株主などに分配されていない金額を合計したものです。
実際の数字を使って計算すると、次のようになります。
(説例1)
自己資本10億円、当期純利1億円の企業のROEは
ROE=当期純利益÷自己資本=1億円÷10億円=10%となります。
一般的にROEが高い会社は、優良会社と判断されるため、上場企業にとっては
ROEをを高くすることが重要な経営目標となります。
どうすればROEを高くすることができるでしょうか?
説例1の会社のROEを高くするには次の2つの方法が考えられます。
1.ブランド構築による商品単価のアップ
企業が2億円の研究開発費を投入してより良い商品を作りました。
さらに、2億円をかけて広告宣伝を行うことによって、
より良いブランドイメージを構築することに成功しました。
ブランドイメージの構築により、商品単価をアップさせることに成功し
収益の増加額は5億円になりました。
よって利益は単価アップによる収益の増加額5億円から、研究開発費2億円、
広告宣伝費2億円を引いた1億円増加しました。
2.リストラ
従業員の削減により、1億5千万円の人件費が減少しました。
また、会社が所有している従業員のための保養所を
売却することにより借入金の圧縮を行いました。
借入金の圧縮により支払利息が1千万円減少しました。
しかし、従業員の減少に伴い売上も減少し、
売上から売上原価を引いた、粗利も6千万円減少しました。
粗利は6千万円減少しましたが、人件費1億5千万円、
支払利息1千万円の合計1億円6千万円のコストを削減したため
利益が1億円増加しました。
1と2の方法のどちらを取っても、利益が1億円増加して
2億円となるためROEが10%から20%に増加します。
同じROEが20%でも1と2では、
経済全体に与える影響は大分違いますよね。
1は追加で4億円支出しているので、それだけ経済全体が潤います。
また、会社のブランド価値が上がったら、
そこで勤務している従業員の方の満足度も上がります。
2は利益は同じように増加していますが、
簡単に言えば企業規模の縮小にすぎません。
つまり、お伝えしたかったことは、
ROEの数字は一つの指標にすぎないということです。
大切なのは数字の背後にある、現実をつかみとることです。
ROEが高い会社=良い会社と単純に判断せずに、
なぜ、この会社はROEが高いのだろうと考えて下さい。
考えることが、スキルアップへの第一歩だと思います。
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