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シリーズ「
コンピテンシーをレビューする!」
<第385回>[(第43話)「低価格均一料金で家族の旅を演出する
リゾート界の風雲児に学ぶ!」]
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今話題の「会社を救う
コンピテンシー」とは何かと
コンピテンシーの導入の必要性につ
いて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「
コンピテンシーをレビューす
る!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきます。中小企業の経営
者の方、管理者の方、
人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
===========================
今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.なぜ年間一律一泊5,250円としたのか!
2.安さのカラクリはトヨタ式生産システムそっくり!
3.全国百カ所のホテルと提携しノウハウを伝授!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
===========================
一泊朝食付きで四季を通じて年中一律5,250円均一と言うホテルがある。夕食付きを希
望すれば一泊8,400円だからそれでもかなり安い。運営するのは「四季リゾーツ」だ。
週末は二カ月先まで予約で満杯だ。四季リゾーツは九州から北海道まで全国に43ケ所
ある。どこも建物は豪華、もちろんお部屋も豪華だ。しかもバトミントンや卓球など
もできるところもある。温泉はプールのように広々としていてガラス越しに見る景色
もすばらしい。
なぜこのような低価格を実現できているのだろうか。実は大企業の保養所を無償で借
り受けているのだ。そのかわり水道・光熱費その他の
経費を全て負担し、保養所の空
き部屋を一般客のために有効利用させてもらうシステムなのだ。
例えば、箱根だけでも大企業の保養所は235ケ所もある。バブル崩壊以降どこの会社
も
健康保険組合は赤字に陥り、企業内
健康保険組合を解散したところも多い。解散し
ないまでも保養所の運営は重荷になっていた。そこに目をつけたのが当時三菱地所の
エリート社員だった現山中直樹社長だ。
三菱地所の
社内ベンチャー制度に「保養所の有効活用」を提案し見事
採用された。そ
して2001年に「四季リゾーツ」を設立し、2008年に買い取って独立した。ホテル・旅
館の運営は当然ど素人だった。2001年の開業時余裕を見て12人
採用したのにうまく回
せず忙しさばかりが露呈して一ケ月で8人が辞めてしまった。
年老いた母と身重の妻が手伝ってくれて何とかピンチをしのいだ。社員が四人になっ
てしまったときは「もうダメだろう」と思ったそうだ。そのとき父の教えである「絶
対に困難から逃げるな」という言葉を思い出した。倒れる前に逃げてはならないと自
分に言い聞かせ、朝5時から夜中の12時まで必死で働き通した。
そこで今回は「低価格均一料金で家族の旅を演出するリゾート界の風雲児に学ぶ!」
と題して、「少人数スタッフで切り盛りする山中社長流マネジメント」について解説
する。
【1】心に刻んでおきたい言葉
***********************************************************************
家族が一年間に家族旅行に使えるお金が平均10万円だと何かで読んだ。同じ金額で
年四回楽しんでもらえたら、いいビジネスになるし、社会貢献にもなると考えた。
山中直樹
***********************************************************************
【2】メルマガ本論
[(第43話)低価格均一料金で家族の旅を演出するリゾート界の革命家に学ぶ!]
1.なぜ年間一律一泊5,250円としたのか!
山中社長は、かつてエリートサラリーマンだった。当時自分が旅行に行けるとなると夏
休みか年末年始かゴールデンウィークか連休か土曜日、それしか選択肢がなかった。そ
ういうときに限って全ての宿が高くなっている。高い分、よりよいサービスをしてくれ
るかと言うとそうではない。むしろ平日よりも質が落ちて高くなっている。そういった
ところにいつも疑問を感じていた。
例えば、一泊二食付きで15,000円という価格設定は実に曖昧だ、その中の朝食代はいく
らで夕食代はいくらなのか、お客には分からない。ただ、需要と供給の関係だけで価格
を変動させるやり方には賛同しかねた。
□ 日本人が一年間に家族旅行する回数は平均1.37回
ある統計によれば家族旅行に出かける回数は平均1.37回だそうだ。そして使えるお金は
平均10万円だと言う。これを四季を通じて年四回家族で旅行に行ける価格設定にしたい。
つまり一回約3万5千円。四人家族として夕食つきでほぼ3万5千円だ。もちろん交通
費は掛かるがそこは目をつぶってもらいたい。
□ 元サラリーマンだった山中社長自身が大の旅好き!
山中社長は元々サラリーマン時代から大の旅好きだった。
有給休暇は残したことがなか
った。新婚旅行にいたっては一ケ月間奥さんと中国各地を旅したそうだ。だからサラリ
ーマン家庭の気持ちも懐具合もよく知っているのだ。せめて年四回家族旅行できるよう
にしたい。極自然の発想だった。
2.安さのカラクリはトヨタ式生産システムそっくり!
格安の温泉旅館は他にもある。例えば大江戸温泉物語ブランドの温泉ホテルは各地にあ
る。こちらは倒産したホテルを相当安く買い取り、初期投資を抑えている。四季リソー
ツは大企業の保養所を無償で借りているから初期投資はゼロだ。それ以外の安さのカラ
クリは似たり寄ったりだ。
□ スタッフは多能工で一人五役も
製造業では多能工化が普及している。トヨタ式生産システムでも重視されている。社員
はどの工程、どの仕事もできるようによく訓練されている。四季リゾーツではスタッフ
のほぼ全員が食品衛生責任者の免許を持っている。フロント業務、仲居さん業務と清掃、
温泉の清掃から湯の温度管理、調理、配膳業務、電話番兼予約取りまで何でもこなす。
ホテル一軒当りのスタッフはわずか3~4人。正に少数精鋭運営だ。
スタッフ自らが臨機応変に動く。これを「自働化」と称する。人偏の自動化こそ意味が
あるのだ。いちいち上司の指示で動いていては日が暮れてしまう。
□ 近隣の四季リゾーツを掛け持ち
ホテル内での「自働化」に留まらない。予約状況や繁閑の状況に応じて近隣の四季リゾ
ーツを掛け持ちする。一軒当りのスタッフはわずか3~4人と言うが、定員制ではない。
非定員制なのだ。例えば、箱根エリアでは9ケ所で28人だが、スタッフが移動して歩
く。暇なスタッフは一人もいない。この非定員制もトヨタ式生産システムでは重要な目
玉の一つだ。
□ 繁忙期は山中社長自ら電話番
夏休みやお盆の時期は山中社長自らも電話番をやり、予約取りもやる。このようなピー
クの時期は社長も現場の業務をこなすのが四季リゾーツ流なのだ。
トイレ磨きを自らやることも珍しくない。それも素手で一心不乱にやる。「こういうこ
とをやっているときって、いろいろなことを考えながらやっているのでいいアイディア
が浮かぶ」とさりげなく言う。東大卒の社長とは思えない。
□ 電気も燃料もケチケチ作戦
チェックアウトで最後のお客様をお見送りしたスタッフが館内を走り回る。客室に行っ
て消し忘れた電灯を消し、テレビのコンセントをはずす。エアコンの電源を切る。そし
て窓を開けて空気を入れ替える。保養所オンリーのときよりもお客様が増えたにもかか
わらず電気代は2割も削減できた。
ボイラーの運転も昼間は停止する。一
日当りの灯油代が何と2万円も節約できている。
ケチケチ作戦の効果は大きい。
□ ムダと思われるサービスを省き少人数スタッフで切り盛り
ムダなサービスや過剰なサービスを省くことにも挑戦している。お客様の荷物を持って
お部屋に案内することはしない。チェックインのとき館内地図でお部屋を案内し、お客
様に勝手に行っていただく。
布団はお客様が敷き、自ら畳んでいただく。いわゆるセルフサービスだ。不満を言うお
客様はほとんどいないそうだ。豪華ホテルに格安で泊まれるのだから文句も出ないのだ
ろう。
3.全国百カ所のホテルと提携しノウハウを伝授!
スタッフは多能工だから何でもできる。単調な時間などない。だからやりがいや満足感
で一杯だ。「仕事のできる人の集団」を形成している。近隣のホテルを掛け持ちという
のも考えようによっては変化に満ちていてむしろ楽しいくらいだ。
今全国34ケ所の四季リゾーツホテルに年間14万人が訪れる。リピーターも多い。
全国には客足が途絶えて風前の灯という温泉ホテルは多い。四季リソーツは全国の100
のホテルと提携し、管理運営のノウハウを提供している。例えば群馬県水上温泉の「ひ
がきホテル」は創業68年の老舗だが客足が落ちていた。
山中社長がコンサルをし、甦らせている。例えば、「エコプラン」なるユニークなサー
ビスを
採用した。歯ブラシやタオルなし、お部屋着もない。そのかわり9,800円という
プランだ。このサービスを選んだお客様は、みんな洗面道具とTシャツなどを持ってき
てくつろいでくれる。お客様は安く泊まれるし、ホテル側はコストが削減できる。
提携ホテルでもスタッフの多能工化や自働化は有効に機能し、仕事のできる人の集団作
りに役立つのだ。四季リゾーツの
ビジネスモデルは旅館・ホテル業の再生に役に立つこ
とは間違いない。
【3】今日のまとめ
1.四季リゾーツは大手企業の保養所を無償で借り受け、その代わり水道・高熱費など
の
費用を全て負担して空き部屋を一般のお客のために開放してもらっていること。
2.今全国に43ケ所運営しているが、スタッフは一軒あたり3~4人の少数精鋭経営で
あること。
3.スタッフは何でもできる多能工に育成されており、「自働化」と称して自主的に仕
事をこなしていること。箱根エリアの場合は繁閑により近隣のホテルも掛け持ちす
ること。
4.ケチケチ作戦で電気代や灯油代はかなり節約できていること。
5.暇な社員は一人もいないこと。繁忙期には山中社長自ら電話番をすること。
6.今全国100のホテルと提携し、四季リソーツの
ビジネスモデルを伝授して喜ばれて
いること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
⇒
3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
平成23年の秋から一棟丸ごと一家で借り上げる仰天サービスを提供し始めた。四季リ
ゾーツ「シオン熱海」で人気のようだ。親戚を交えて数家族が一同に集まり、楽しく
過ごせる。部屋の扉も開けっ放しで行ったり来たりも自由だ。
入社二年目の女性社員の提案を
採用したものだと言う。「丸ごと一棟夢の貸しきりプ
ラン5万2,500円~」というタイトルだ。5,250円に語呂合わせしているのが憎い。四
季リゾーツのコンセプトは常に「家族」と言うことになっている。
長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
***********************************************************************
発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
この記事に関するご感想、ご意見はこちらから
3223898301@jcom.home.ne.jp
彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
http://www.ss-net.com
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<第385回>[(第43話)「低価格均一料金で家族の旅を演出する
リゾート界の風雲児に学ぶ!」]
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今話題の「会社を救うコンピテンシー」とは何かとコンピテンシーの導入の必要性につ
いて、分かりやすく解説します。今回のシリーズでは、「コンピテンシーをレビューす
る!」と題して様々な角度から鋭く分析した記事を紹介していきます。中小企業の経営
者の方、管理者の方、人事担当者の方に是非ともお読みいただきたいと思います。
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今回のメニュー
【1】心に刻んでおきたい言葉
【2】メルマガ本論
1.なぜ年間一律一泊5,250円としたのか!
2.安さのカラクリはトヨタ式生産システムそっくり!
3.全国百カ所のホテルと提携しノウハウを伝授!
【3】今日のまとめ
【4】編集後記
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一泊朝食付きで四季を通じて年中一律5,250円均一と言うホテルがある。夕食付きを希
望すれば一泊8,400円だからそれでもかなり安い。運営するのは「四季リゾーツ」だ。
週末は二カ月先まで予約で満杯だ。四季リゾーツは九州から北海道まで全国に43ケ所
ある。どこも建物は豪華、もちろんお部屋も豪華だ。しかもバトミントンや卓球など
もできるところもある。温泉はプールのように広々としていてガラス越しに見る景色
もすばらしい。
なぜこのような低価格を実現できているのだろうか。実は大企業の保養所を無償で借
り受けているのだ。そのかわり水道・光熱費その他の経費を全て負担し、保養所の空
き部屋を一般客のために有効利用させてもらうシステムなのだ。
例えば、箱根だけでも大企業の保養所は235ケ所もある。バブル崩壊以降どこの会社
も健康保険組合は赤字に陥り、企業内健康保険組合を解散したところも多い。解散し
ないまでも保養所の運営は重荷になっていた。そこに目をつけたのが当時三菱地所の
エリート社員だった現山中直樹社長だ。
三菱地所の社内ベンチャー制度に「保養所の有効活用」を提案し見事採用された。そ
して2001年に「四季リゾーツ」を設立し、2008年に買い取って独立した。ホテル・旅
館の運営は当然ど素人だった。2001年の開業時余裕を見て12人採用したのにうまく回
せず忙しさばかりが露呈して一ケ月で8人が辞めてしまった。
年老いた母と身重の妻が手伝ってくれて何とかピンチをしのいだ。社員が四人になっ
てしまったときは「もうダメだろう」と思ったそうだ。そのとき父の教えである「絶
対に困難から逃げるな」という言葉を思い出した。倒れる前に逃げてはならないと自
分に言い聞かせ、朝5時から夜中の12時まで必死で働き通した。
そこで今回は「低価格均一料金で家族の旅を演出するリゾート界の風雲児に学ぶ!」
と題して、「少人数スタッフで切り盛りする山中社長流マネジメント」について解説
する。
【1】心に刻んでおきたい言葉
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家族が一年間に家族旅行に使えるお金が平均10万円だと何かで読んだ。同じ金額で
年四回楽しんでもらえたら、いいビジネスになるし、社会貢献にもなると考えた。
山中直樹
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【2】メルマガ本論
[(第43話)低価格均一料金で家族の旅を演出するリゾート界の革命家に学ぶ!]
1.なぜ年間一律一泊5,250円としたのか!
山中社長は、かつてエリートサラリーマンだった。当時自分が旅行に行けるとなると夏
休みか年末年始かゴールデンウィークか連休か土曜日、それしか選択肢がなかった。そ
ういうときに限って全ての宿が高くなっている。高い分、よりよいサービスをしてくれ
るかと言うとそうではない。むしろ平日よりも質が落ちて高くなっている。そういった
ところにいつも疑問を感じていた。
例えば、一泊二食付きで15,000円という価格設定は実に曖昧だ、その中の朝食代はいく
らで夕食代はいくらなのか、お客には分からない。ただ、需要と供給の関係だけで価格
を変動させるやり方には賛同しかねた。
□ 日本人が一年間に家族旅行する回数は平均1.37回
ある統計によれば家族旅行に出かける回数は平均1.37回だそうだ。そして使えるお金は
平均10万円だと言う。これを四季を通じて年四回家族で旅行に行ける価格設定にしたい。
つまり一回約3万5千円。四人家族として夕食つきでほぼ3万5千円だ。もちろん交通
費は掛かるがそこは目をつぶってもらいたい。
□ 元サラリーマンだった山中社長自身が大の旅好き!
山中社長は元々サラリーマン時代から大の旅好きだった。有給休暇は残したことがなか
った。新婚旅行にいたっては一ケ月間奥さんと中国各地を旅したそうだ。だからサラリ
ーマン家庭の気持ちも懐具合もよく知っているのだ。せめて年四回家族旅行できるよう
にしたい。極自然の発想だった。
2.安さのカラクリはトヨタ式生産システムそっくり!
格安の温泉旅館は他にもある。例えば大江戸温泉物語ブランドの温泉ホテルは各地にあ
る。こちらは倒産したホテルを相当安く買い取り、初期投資を抑えている。四季リソー
ツは大企業の保養所を無償で借りているから初期投資はゼロだ。それ以外の安さのカラ
クリは似たり寄ったりだ。
□ スタッフは多能工で一人五役も
製造業では多能工化が普及している。トヨタ式生産システムでも重視されている。社員
はどの工程、どの仕事もできるようによく訓練されている。四季リゾーツではスタッフ
のほぼ全員が食品衛生責任者の免許を持っている。フロント業務、仲居さん業務と清掃、
温泉の清掃から湯の温度管理、調理、配膳業務、電話番兼予約取りまで何でもこなす。
ホテル一軒当りのスタッフはわずか3~4人。正に少数精鋭運営だ。
スタッフ自らが臨機応変に動く。これを「自働化」と称する。人偏の自動化こそ意味が
あるのだ。いちいち上司の指示で動いていては日が暮れてしまう。
□ 近隣の四季リゾーツを掛け持ち
ホテル内での「自働化」に留まらない。予約状況や繁閑の状況に応じて近隣の四季リゾ
ーツを掛け持ちする。一軒当りのスタッフはわずか3~4人と言うが、定員制ではない。
非定員制なのだ。例えば、箱根エリアでは9ケ所で28人だが、スタッフが移動して歩
く。暇なスタッフは一人もいない。この非定員制もトヨタ式生産システムでは重要な目
玉の一つだ。
□ 繁忙期は山中社長自ら電話番
夏休みやお盆の時期は山中社長自らも電話番をやり、予約取りもやる。このようなピー
クの時期は社長も現場の業務をこなすのが四季リゾーツ流なのだ。
トイレ磨きを自らやることも珍しくない。それも素手で一心不乱にやる。「こういうこ
とをやっているときって、いろいろなことを考えながらやっているのでいいアイディア
が浮かぶ」とさりげなく言う。東大卒の社長とは思えない。
□ 電気も燃料もケチケチ作戦
チェックアウトで最後のお客様をお見送りしたスタッフが館内を走り回る。客室に行っ
て消し忘れた電灯を消し、テレビのコンセントをはずす。エアコンの電源を切る。そし
て窓を開けて空気を入れ替える。保養所オンリーのときよりもお客様が増えたにもかか
わらず電気代は2割も削減できた。
ボイラーの運転も昼間は停止する。一日当りの灯油代が何と2万円も節約できている。
ケチケチ作戦の効果は大きい。
□ ムダと思われるサービスを省き少人数スタッフで切り盛り
ムダなサービスや過剰なサービスを省くことにも挑戦している。お客様の荷物を持って
お部屋に案内することはしない。チェックインのとき館内地図でお部屋を案内し、お客
様に勝手に行っていただく。
布団はお客様が敷き、自ら畳んでいただく。いわゆるセルフサービスだ。不満を言うお
客様はほとんどいないそうだ。豪華ホテルに格安で泊まれるのだから文句も出ないのだ
ろう。
3.全国百カ所のホテルと提携しノウハウを伝授!
スタッフは多能工だから何でもできる。単調な時間などない。だからやりがいや満足感
で一杯だ。「仕事のできる人の集団」を形成している。近隣のホテルを掛け持ちという
のも考えようによっては変化に満ちていてむしろ楽しいくらいだ。
今全国34ケ所の四季リゾーツホテルに年間14万人が訪れる。リピーターも多い。
全国には客足が途絶えて風前の灯という温泉ホテルは多い。四季リソーツは全国の100
のホテルと提携し、管理運営のノウハウを提供している。例えば群馬県水上温泉の「ひ
がきホテル」は創業68年の老舗だが客足が落ちていた。
山中社長がコンサルをし、甦らせている。例えば、「エコプラン」なるユニークなサー
ビスを採用した。歯ブラシやタオルなし、お部屋着もない。そのかわり9,800円という
プランだ。このサービスを選んだお客様は、みんな洗面道具とTシャツなどを持ってき
てくつろいでくれる。お客様は安く泊まれるし、ホテル側はコストが削減できる。
提携ホテルでもスタッフの多能工化や自働化は有効に機能し、仕事のできる人の集団作
りに役立つのだ。四季リゾーツのビジネスモデルは旅館・ホテル業の再生に役に立つこ
とは間違いない。
【3】今日のまとめ
1.四季リゾーツは大手企業の保養所を無償で借り受け、その代わり水道・高熱費など
の費用を全て負担して空き部屋を一般のお客のために開放してもらっていること。
2.今全国に43ケ所運営しているが、スタッフは一軒あたり3~4人の少数精鋭経営で
あること。
3.スタッフは何でもできる多能工に育成されており、「自働化」と称して自主的に仕
事をこなしていること。箱根エリアの場合は繁閑により近隣のホテルも掛け持ちす
ること。
4.ケチケチ作戦で電気代や灯油代はかなり節約できていること。
5.暇な社員は一人もいないこと。繁忙期には山中社長自ら電話番をすること。
6.今全国100のホテルと提携し、四季リソーツのビジネスモデルを伝授して喜ばれて
いること。
コンピテンシーの導入について支援します。ご相談はこちらへ
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3223898301@jcom.home.ne.jp
【4】編集後記
平成23年の秋から一棟丸ごと一家で借り上げる仰天サービスを提供し始めた。四季リ
ゾーツ「シオン熱海」で人気のようだ。親戚を交えて数家族が一同に集まり、楽しく
過ごせる。部屋の扉も開けっ放しで行ったり来たりも自由だ。
入社二年目の女性社員の提案を採用したものだと言う。「丸ごと一棟夢の貸しきりプ
ラン5万2,500円~」というタイトルだ。5,250円に語呂合わせしているのが憎い。四
季リゾーツのコンセプトは常に「家族」と言うことになっている。
長文を最後までお読みいただきましてありがとうございます。=
次回に続く。
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発行責任者:さいたま市中央区上落合5丁目19-29
彩愛コンサルピア代表 下山明央
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彩愛コンサルピアのHPは、
こちらから
http://members.jcom.home.ne.jp/3223898301/
(協)さいたま総合研究所のHPはこちらから
http://www.ss-net.com
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