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☆☆☆ 最近の
人事・労働事件簿 その3 ☆☆☆
会社を逆恨みした社員がいやがらせの果てに訴えた
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皆さん、こんにちは。
今日は、労働事件簿・その3。
「会社を逆恨みした社員がいやがらせの果てに訴えた!」です。
====================================================
1. 会社の仕事を横取りしようと計画
====================================================
ことの発端は社員の身勝手な夢から始まりました。
清掃業を営むA社に勤めるB(30歳 勤続3年)という社員が、
仕事の発注先の担当者と謀り、A社の仕事を横取りして
独立しようとしたのです。
自分なりに計画的に
退職したまではよかったのですが、
A社の社長と発注元の社長とは学生時代からの先輩後輩。
とても担当者レベルで取引先を変えることなんかできないということに、
あとから気づいたのです。
結局、Bの独立への夢は頓挫しました。
====================================================
2. 怨念のいやがらせ攻撃
====================================================
Bの
退職後、数ヶ月は何もおこらなかったのですが、
半年ほどたった頃にいきなりBから30ペ-ジにもわたる
「請求書」と題された書類が送られてきました。
私がA社に呼ばれて行ってみると、
まさに言いがかりとしか思えないような罵詈雑言が
つらつらと書かれた書類がどっさり。
私は、事実無根のことばかりなので、
しばらく無視していた方が良いとアドバイスし、
様子を見ることにしました。
しかし、Bからのいがらせともとれる「請求書」の発送は止まらず、
その後も同じ内容のものを何度も送りつけて来たのです。
====================================================
3. あきれる請求内容
====================================================
請求の内容は、大きく分けて4つに分かれていました。
1. 出張により熱帯魚が死んだことによる賠償請求(請求金額50万円)
2. 自家用車を現場の行き来に使ったことによるレンタカ-代
(請求金額130万円)
3. 上司から
セクハラを受けたことによる
慰謝料(請求金額100万円)
4. 朝、会社に来てから現場に行くまでの時間と、
現場から会社に戻るまでの時間を換算した
残業手当の請求
(請求金額160万円 1年分)
最後の4は、判断基準の難しいことなので交渉してもよいと考えました。
しかし、他の1.2.3についてはあきれるばかり。
1は出張中に飼っていた熱帯魚が死んでしまったので賠償してほしい。
2はBが自家用車で現場に行きたいと希望したので、
会社が用意した車には乗らずに自家用車で通っていたのにもかかわらず、
自家用車を貸し出したとしてレンタカ-代を請求。
3は男性の上司がBに対して
「たまには飲みに行こう」と誘っただけなのです。
どこにでもある男性どうしの上司と部下の光景なのですが、
Bは無理やり体を触られ、執拗に飲みに誘われたとして
慰謝料を請求しているのです。
===================================================
4. 裁判所で争うことに
===================================================
とにかくBとしては、独立の計画を会社に壊されたと思い込み、
ありとあらゆる難くせをつけてきているのです。
こちらとしては
「これは脅迫行為なので、これ以上行うと訴える」とおどしても、
一向に請求書の発送を辞める気配をみせません。
これはもう、弁護士に頼んでなんらかの処置をとったほうがよいと
相談していた矢先、Bがいきなり裁判所に訴えたのです。
===================================================
5. 会社から現場までの時間は
労働時間?
===================================================
当然のことですが、
裁判では「請求内容の1.2.3については請求できず。」
という判断が下されました。
しかし、4の会社から現場までの時間については長い交渉のすえに
「会社から現場までの時間は条件付で
労働時間とみなされる」という
判断がなされ、その条件とは
「自宅から現場へ出勤する時に、会社事務所へ立ち寄らなければならない
業務上の理由がある場合は会社←→現場間の時間は
労働時間となる」
ということでした。
この判断は会社側にはラッキ-なものでした。
Bの場合は、勝手に自家用車で通っていたくらいですから、
朝、会社に寄る業務上の必要性もなかったのです。
結果、認められた
残業代を10万円ほど支払うことで、
この事件は決着しました。
===================================================
6. この事件の教訓
===================================================
会社が逆恨みされるのは間々あることです。
要は、どんな人為的な災難があっても、
常日頃から適法な処理をしていれば、恐れる必要はないということ。
このA社の場合、
就業規則や
雇用契約書を完全に備えており、
残業手当等もほぼ法律通り支払っておりました。
しかし、会社から現場までの時間管理については再考する必要があったので、
現在、自宅から現場に直接通える社員についてはそれを奨励し、
会社からの大型車による搬送を希望する社員には
「搬送願い」を提出させています。
また、清掃用具の運搬や社員を搬送する役目を負う現場主任には
その時間に対応する手当を毎月定額で支払うようになりました。
<
社会保険労務士 森 >
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清掃業を営むA社に勤めるB(30歳 勤続3年)という社員が、
仕事の発注先の担当者と謀り、A社の仕事を横取りして
独立しようとしたのです。
自分なりに計画的に退職したまではよかったのですが、
A社の社長と発注元の社長とは学生時代からの先輩後輩。
とても担当者レベルで取引先を変えることなんかできないということに、
あとから気づいたのです。
結局、Bの独立への夢は頓挫しました。
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2. 怨念のいやがらせ攻撃
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Bの退職後、数ヶ月は何もおこらなかったのですが、
半年ほどたった頃にいきなりBから30ペ-ジにもわたる
「請求書」と題された書類が送られてきました。
私がA社に呼ばれて行ってみると、
まさに言いがかりとしか思えないような罵詈雑言が
つらつらと書かれた書類がどっさり。
私は、事実無根のことばかりなので、
しばらく無視していた方が良いとアドバイスし、
様子を見ることにしました。
しかし、Bからのいがらせともとれる「請求書」の発送は止まらず、
その後も同じ内容のものを何度も送りつけて来たのです。
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3. あきれる請求内容
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請求の内容は、大きく分けて4つに分かれていました。
1. 出張により熱帯魚が死んだことによる賠償請求(請求金額50万円)
2. 自家用車を現場の行き来に使ったことによるレンタカ-代
(請求金額130万円)
3. 上司からセクハラを受けたことによる慰謝料(請求金額100万円)
4. 朝、会社に来てから現場に行くまでの時間と、
現場から会社に戻るまでの時間を換算した残業手当の請求
(請求金額160万円 1年分)
最後の4は、判断基準の難しいことなので交渉してもよいと考えました。
しかし、他の1.2.3についてはあきれるばかり。
1は出張中に飼っていた熱帯魚が死んでしまったので賠償してほしい。
2はBが自家用車で現場に行きたいと希望したので、
会社が用意した車には乗らずに自家用車で通っていたのにもかかわらず、
自家用車を貸し出したとしてレンタカ-代を請求。
3は男性の上司がBに対して
「たまには飲みに行こう」と誘っただけなのです。
どこにでもある男性どうしの上司と部下の光景なのですが、
Bは無理やり体を触られ、執拗に飲みに誘われたとして
慰謝料を請求しているのです。
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4. 裁判所で争うことに
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とにかくBとしては、独立の計画を会社に壊されたと思い込み、
ありとあらゆる難くせをつけてきているのです。
こちらとしては
「これは脅迫行為なので、これ以上行うと訴える」とおどしても、
一向に請求書の発送を辞める気配をみせません。
これはもう、弁護士に頼んでなんらかの処置をとったほうがよいと
相談していた矢先、Bがいきなり裁判所に訴えたのです。
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5. 会社から現場までの時間は労働時間?
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当然のことですが、
裁判では「請求内容の1.2.3については請求できず。」
という判断が下されました。
しかし、4の会社から現場までの時間については長い交渉のすえに
「会社から現場までの時間は条件付で労働時間とみなされる」という
判断がなされ、その条件とは
「自宅から現場へ出勤する時に、会社事務所へ立ち寄らなければならない
業務上の理由がある場合は会社←→現場間の時間は労働時間となる」
ということでした。
この判断は会社側にはラッキ-なものでした。
Bの場合は、勝手に自家用車で通っていたくらいですから、
朝、会社に寄る業務上の必要性もなかったのです。
結果、認められた残業代を10万円ほど支払うことで、
この事件は決着しました。
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6. この事件の教訓
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会社が逆恨みされるのは間々あることです。
要は、どんな人為的な災難があっても、
常日頃から適法な処理をしていれば、恐れる必要はないということ。
このA社の場合、就業規則や雇用契約書を完全に備えており、
残業手当等もほぼ法律通り支払っておりました。
しかし、会社から現場までの時間管理については再考する必要があったので、
現在、自宅から現場に直接通える社員についてはそれを奨励し、
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