『
総務の森』コラムをご覧のみなさま
こんにちは!
合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。
プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
→
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/
本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第153号(2014年2月
2日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。
<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>
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(前略)
各種セミナーや研修、コーチングやコンサルティングを行っていて、
繰り返しお伝えする必要が生じることの1つに「『課題設定』の大
切さ」というものがあります。 これまでのニューズレターでも、
例えば、図表1のような形などでお伝えしてきているのですが、ま
だまだ浸透していないように感じます。
今回は、先日実施した「コーチング学習プログラム(以下、CLP
と略)の第7日目」の演習で登場した事例を通して、改めて「『課
題設定』の大切さ」についてご紹介しようと思います。
※次期CLP
http://www.5w1h.co.jp/coaching/CLP.html
(4月26日(土)開始)は、【 早期割引締め切りが2月4日(火)】
となっています。お忘れなく♪
図表1:「対症療法の繰り返し」で事態を悪化させないためには
「問題設定」が重要
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・「問題発見」っていう言葉なら聞いたことあるけど、「課題設定」
って何だ?
・問題なんてわざわざ発見しなくったって、ウチは問題だらけなん
だよ!
・ウチは、問題と問題症状と課題を混同していたかもしれない!
・「相手(お客様、上司など)の要望を鵜呑みにせず、対話を通し
て差し戻す」とは何事だ!?
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という方、ご興味をお持ちの方は、どうぞ読み進めてください♪
■「感想を述べ合う」だけはダメ!
「分析的な振り返り」の重要性?
コミュニケーション系の研修では、対人演習の「振り返り」と称し
て、「ふわっとした感想を述べ合うだけ」のものが横行しています。
しかし、相手の主観的な感想を頂戴しても、「具体的に、自分たち
のコミュニケーションの何をなぜどのように変えると良いのか?」
といった情報が欠けているために、「経験学習」として昇華できず、
「ただ単に場数を踏んだだけ」(…独りよがりの変なクセが強化さ
れただけ)で終わってしまうことが多いと、弊社では考えています。
こういった視点を踏まえ、弊社で行う対人演習の後には、「次回以
降、何をどう改善すれば良いのかがわかる、分析的な振り返り」を
実施しています。
…例えば、先日のCLPで行った2つの「対人演習」(25分×2
回=合計50分)に対して、図解などを用いた「振り返り」に割
いた時間は、
休憩を挟みつつの3時間弱でした。
弊社でお伝えしているコーチングでは、「視点変更」「柔軟な発想
の促進」も重視しているため、「さまざまな視点からの多角的な検
討」や「重層的な学びの深化」は非常に有効であると考えています。
↑例えば、数学の問題を上滑りで解き散らかして、問題集を先に進
める "だけ" では、数学の実力は上がりませんよね。 「分析的な
振り返り」というのは、新しい内容を学ぶ段階で、1つ1つの問題
に対して別解を探求し、問題を深く理解する経験を通して、自分で
考える力をつけること・洞察力を高めること・基礎を体得し応用問
題に対処できるようにすることを重視するアプローチに対応してい
ると捉えていただくのがよいと思います。
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■
合同会社5W1H流による【 洞察力 】の定義
・問題症状に惑わされずに、対象の本質を見抜く力
・対象をそれまでとは違った視点から多角的に考察する力
・目的達成に向けて、適切な課題を設定(見極めたり、発想したり、
調整したり)する力
・上記すべての根幹を成す観察・質問・思考・対話を行う力
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用語解説1: 洞察力とは?
■
人事考課の側面も含む「定期面談」:Nさんの事例
さて、今回ご紹介するのは、CLP第7日目の対人演習で、IT関
係の会社に勤め、
採用業務にも携わるNさんがクライアント役(話
し手)、自営業を営んでおられるHさんがコーチ役(聴き手)を務
められた演習の事例です。
※私自身が提供しているコンサルティングやコーチングの内容は、
守秘義務や
個人情報保護の観点から公開するのは難しいことがほ
とんどなのですが、今回の内容に関しては、CLP中の話で、N
さんとHさんから公開のご了承を得られました。Nさん、Hさん、
ありがとうございます!
以下、NさんとHさんの話の流れ(コーチング演習時のやり取り)
を簡略化してご紹介し、その後、「振り返り」の概要についてご紹
介します。
【Nさんの取り上げたテーマの背景】
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会社では半期に一度、1対1(各社員と上司)の定期面談を行って
いる。 会社が設定した業務上の目標を踏まえて、「今、どんな課
題があり、どう解決していくか」についてお互いに話し合う機会と
なっている。Nさんは「自分自身の悩みや課題だと感じていること」
を上司に伝え、上司は上司で「Nさんの課題だと感じていること」
を「○○な風に見える」といった表現でNさんに伝えてくれる。
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【Nさん】
このセッションでは、自分が解決すべき課題を見つけて、具体化し
ていければいいなと思っています。
[Hさん]
まず、これまでの話の内容について、私の理解を確認させてくださ
いね。(省略)
【Nさん】
私は、仕事をする上で、ついつい夢中になって視野が狭くなって、
本来の目的を忘れがちになる傾向(総論を忘れ、各論に取り組む傾
向)があると思っています。そういう傾向については、上司も否定
しません。
そういった傾向があるために、同じ目的を持って仕事をしている関
係者から「ズレてる」(注目するポイントが他者と違っている)と
捉えられてしまうことがあります。
上司は、「夢中になって視野が狭くなる」といったことよりも、
「Nさんは、もっと何か根本的・本質的な課題を抱えているのだろ
うけど、その課題が何かは私自身で見つけるしかない」という言い
方をします。
また、「Nさんは基本的に自己中心的だけど、その課題が何かがわ
かると、対策が練れるよね」とも言っていました。
[Hさん]
「自己中心的」ってどんなイメージなんですか?
【Nさん】
他者への思いやりに欠け、自分の利益ばかり優先してしまうとか…
他者の状況を氣にせず、自分のやりたいようにやるとか…。
[Hさん]
何を大切にしていらっしゃるんですか?
【Nさん】
機嫌の悪い人がいて職場がギスギスしてるんじゃなくて、みんなが
余裕を持って楽しく仕事していること…かな。でもやっぱり、「楽
しさ」よりも「自分が、価値ある何かを提供し続ける存在であるこ
と」かな? そういう存在になっていないと、面白くないし、働く
意味がないと思います。
[Hさん]
どうしてそう思う?
【Nさん】
やっぱり、仕事をすることでお金をもらってるからかな。自分が楽
しめて、価値ある何かをお客様とか会社とかに提供できてると、自
分は生きていていいんだなって思う。 でも、自分の意見を押し通
すみたいな感じで、自己中心的な姿勢が出過ぎると、視野が狭くな
ったり、論点がずれたりしてしまうんだと思います。
[Hさん]
自己中心的でない状態って、どんな状態?
【Nさん】
ん~~業務に振り回されていない状態。 余裕があって、頭がクリ
アで、状況がコントロールできてる状態。
[Hさん]
業務に振り回されているときって、どういう状態になってるの?
【Nさん】
目の前のことを片づけることに集中してて、「本当にこれをやるの
がいいこと? 優先順位は? やり方はOK?」とか考えず、ただや
っちゃう。 周囲とのズレを察知する能力が低いというか、鈍感と
いうか…。
それに…感覚的に仕事してるんです。会社説明会の予約数が減った
し、キャンセル率も上がったんですけど、直接の担当者と一緒に
「1月っていう時期的なもののせいだよね」って話してた。
そういうのを上司に伝えたら、「予約数とキャンセル率を出して。
数字は、事実を客観的に捉える材料だから。」って言われて、「あ
ぁ~、私って、鈍感な上に、感覚的に仕事してるんだなぁ。」って、
改めて思っちゃって…。
はぁ~、Hさん、私の根本的な課題って何なんですかねぇ??
[Hさん]
う~ん、そうですねぇ…どういう課題なんでしょうねぇ。
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ここまでで演習を一旦ストップしていただきました。(やりとりは
省略してありますし、Nさん自身がいろいろ考えるのをHさんがお
待ちになっている時間などもありました。)
さて、ここまでご覧になったみなさんは、このやり取りを振り返っ
て、どういったことに氣づいたり、感じたりされたでしょうか?
■演習後の「振り返り」では?
弊社で行う「振り返り」は、「当事者どうしによる振り返り」→
「当事者が所属するグループの傍観者による振り返り」(→「概要
を教えてもらった他のグループ・メンバーからの質問・コメント」)
→「高野による、図解や関連事項の解説を加えた振り返り」→「こ
れまでのすべての話を踏まえた上での、当事者の振り返り」→「当
事者以外全員の振り返り」→「高野による概念化、および、参加者
全員の学びを踏まえた振り返り」→「演習全体を振り返っての質疑
応答」といった形で進むのが一般的です。
…万が一、「フレームワーク質問力」などのコンテンツを完全コピ
ーして伝えることができたとしても、この「振り返り」部分は、
「余人を持って代えがたい」と評してくださる方がいらっしゃい
ました!
さて、弊社の「振り返り」は上記のように内容が盛りだくさんであ
るため、本ニューズレターでは、どんなポイントについての話があ
ったのか、かいつまんでお伝えしようと思います。
あなたはもう、自分なりに考えを巡らせてご覧になりましたか?
以下、先日の振り返りで取り上げていた主要ポイント5つの紹介で
す。
(中略)
●NさんとHさんのやり取りをあのまま続けていくと、どういった
内容の話になったでしょう? 恐らく、そして、まず間違いなく、
Nさんの「問題症状」の背景にある「Nさん個人の問題なり欠陥
を探す」方向の話に向かっていくと思われます。 そういった形
で、「原因分析」を進めることで、誰にとって、あるいは、何に
とって望ましい結果や効果が得られるのでしょうか?
●「各個人の『課題』あるいは『強み』や『弱み』は、『コンテク
スト』(context:前後関係、文脈、背景、状況)によって変化
する」と、CLPを通じて学んできたことを踏まえると、この面
談内容は「定期面談の目的」に合致したものだと言えそうでしょ
うか?
●「定期面談の狙い」は何ですか? 「会社が設定した目標を達成
する」ために役立つさまざまな切り口の対話を行うことと「Nさ
ん個人を病理学的・心理学的に分析すること」にはどんな関係が
ありそうですか? Nさんの上司の、Nさんへの質問や働きかけ
方は、適切でしょうか? Nさん個人に『問題』あるいは『欠陥』
があるという考え方を埋め込み、強化しているという側面はない
でしょうか?
●「会社が設定した目標を達成するために役立つ定期面談の在り方」
や「Nさんの上司に期待される役割」とはどういったものでしょ
うか? Nさんが、「Nさん個人の視点」でばかり考えるのでは
なく、「プロジェクト・チームや組織全体の利益を考える視点」
に立つなら、上司の働きかけ方についてどのように解釈し、(上
司の話を鵜呑みにせず)どのように上司への働きかけ方を変えて
いくのが良さそうでしょうか?
●「定期面談の改善案」にはどういったものがありそうでしょうか?
それを上司に伝え、受け入れてもらうには、どういったアプロ
ーチを選択するのが望ましいでしょうか?
定期面談後、「自分を否定し、責める」傾向に意識が向かっていた
Nさんは、こうした「振り返り」を経て、「会社の目的達成のため
に努力する過程であれこれ工夫することで自分が変わっていき、現
在の自分自身の課題を解決することに繋がるのかもしれない」とい
う氣づきを得て、表情がパッと明るく輝き出しました!
これが「課題を再設定した事例」の1つということになります。
この演習では当初、クライアント役(話し手)のNさんは、コーチ
役(聴き手)のHさんに対して、「『夢中になって視野が狭くなる』
などといった問題症状の背景にある、もっと根本的・本質的な原因
を見つけて対処したい(=課題)」という方向で話を始めました。
しかし、「振り返り」を終えた時点で、Nさんが取り組むべきなの
は、各種診断テストや心理分析などではなく、「会社にとって望ま
しい定期面談の在り方について再考し、定期面談をより効果的なも
のにしていく際に、Nさんの上司とNさん自身がどういった関わり
方をしていくのが良いのか」、「上司の発言を鵜呑みにして自分を
苦しめるのではなく、その意図などに考慮しつつも、普段からどの
ように接していくのがお互いにとって望ましいのか」を明らかにす
ることではないかと、『課題自体をより適切なものに再設定する』
方向へと話が変わっていきました。
Nさんの「問題症状」の背景にある「Nさん個人の問題なり欠陥を
探す」方向の話に向かっていく場合と、「課題を再設定した場合の
日常生活」の違い(Nさんの心の状態、普段の仕事への取り組み方
の違い、上司との関係の違い、会社への貢献の仕方の違いなど)に
氣づいていただけるでしょうか?
課題が適切でなければ、誤った目的地に早く到達するだけです。
良かれと思って導入した定期面談も使い方を間違えれば、組織にと
っての害悪ともなり得ます。
今回ご紹介した事例を通して、「関係者を正しい目的地に導いてく
れる適切な課題を設定することの重要性」について、「洞察力を高
める分析的な振り返り」について、また少し深く理解していただけ
たようであれば幸いです。
今回の事例紹介を通して、「問題症状と課題を区別すること」「会
話を対話に変えていくこと」「対話において課題設定が非常に重要
であること」について関心をお持ちになった方!
早期割引締め切りが 【 2月4日(火) 】 の
●
合同会社5W1H流「コーチング学習プログラム」
http://www.5w1h.co.jp/coaching/CLP.html
[4月26日(土)開始] の詳細確認をお忘れなく♪
さて今回は、CLPの演習で登場した事例を通して、改めて「『課
題設定』の大切さ」「『対話』での『洞察力』発揮の大切さ」につ
いてご紹介して参りました。
(後略)
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冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。
●ニューズレター第153号
「課題設定」とは?…対人演習の「振り返り」事例を通してご紹介
→
http://5w1h.hatenablog.jp/entry/153(ブログ版)
→
http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no153.pdf(PDF版)
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出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
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以上、何か少しでも、『
総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。
お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!
高野潤一郎@
合同会社5W1H
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