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幸福なうつ状態とグローバル人財育成競争;土壌を豊かにする!

総務の森』コラムをご覧のみなさま


こんにちは! 合同会社5W1Hの高野潤一郎と申します。

プロフィールとバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。
http://www.soumunomori.com/profile/uid-97755/
============================================================
HR総研様の『人事白書2014』の2箇所(育成関連および人事
戦略関連)で、弊社サービスをご紹介いただきました。
https://www.hrpro.co.jp/hks_kyosan.php
併せてご覧いただければ幸いです。
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本コラムでは、弊社配信の無料ニューズレター第97号(2011年7月
18日配信)で公開した記事の一部をシェア差し上げます。
今回のタイトルに興味をお持ちいただけた方は、是非、お役立てく
ださい。

<以下、抜粋記事となります。その旨、予めご了承くださいませ。
 なお、システム上、本コラムでご紹介できない『図表』などを含
 めた『全文』は、後述のリンク先より、無料で、何の登録手続き
 もなく、ご覧いただけますので、ご安心ください。>

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(前略)

このところ、人財育成のお仕事をされている方から「グローバル人
財育成」という言葉をやたらとうかがうので、今回は、この辺りの
話について、あれこれ書いてみようと思います。


■グローバル人財育成競争

パナソニックの2011年春の新卒採用の約8割が国外の現地採用
2012年春には、ファーストリテイリングの8割、ソニーの3割、
楽天の3割、日立の1割が外国人となるよう新卒社員を採用する方
針を発表するなど、日本企業においても、人材のグローバル獲得競
争が激化してきています。

(中略)

…例えば、リーダーシップならハーバード・ビジネス・スクール、
 ベンチャー起業ならスタンフォード大学、ファイナンスならペン
 シルベニア大学ウォートン校、企業統治ならイェール大学...な
 ど、企業も得意分野を持つ大学から人材を得ようと努めたりして
 いるようです。 また、大学側も、自国籍の学生だけで世界最高
 の大学を築くのは幻想だとして、英語を公用語化するところが世
 界的に増えています。

…2008年8月4日配信の「メタ・コーチング@ロッキー山脈のふもと」
 では、
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 多くの普通の人々が、『自分たちが住んでいる国は、小さな国な
 ので、人に投資しないと生き残れない。だから、教育にお金をか
 ける。生きていく上で、起業家精神は基本的な資質として必要な
 ものである。』と考えていることが知られています。
 
 そして、『情報が溢れ、変化が激しい社会では、「知識の暗記」
 だけでは生き残れない。教育者自身が「正解」などわからないの
 だから、生徒に教えることなどできない。』と考え、

 『教育者は、生徒の中から、創造性、コミュニケーション能力、
 リーダーシップ...といったものを"引き出す"「ファシリテータ
 ー」役に徹する』という姿勢を打ち出しています。
 ----------------------------------------------------------
 という北欧諸国の話も紹介しておりました。

…昨年、国民1人当たりのGDPが日本を超えたシンガポールの建
 国の父とされるリー・クワンユー(Lee Kuan Yew, 李光耀)さんは、
 「資源の乏しいシンガポールのような小国にとって、人材は決定
 的な要素と言える」と前々から発言されています。


そして、人口減少(少子化×高齢化)のために、さまざまな市場の
縮小が見込まれている日本から脱出したいと考えている中学生・高
校生や、上記の報道の影響を受けた教育熱心な親の間では、

「グローバルに活躍できる人材になる/する」ために、東京大学や
京都大学などではなく、ハーバード大学やMITなどへの入学を目
指す人が増えているようです。

一方、現状に満足し、競争を避け、自ら変わろうとする意欲に欠け、
内向きの閉鎖社会を好む傾向を示す人々が大勢を占める状況を見て、
「日本は、"幸福なうつ状態"(Happy Depression)に陥っている」と
評する人が出てきていることも確かです。

※「ずっと日本から出ずに、日本人たちだけで固まって働くから、
 自分には関係ないさ」とか「日本にいても、英語は話せるように
 なるし、専門分野の学習も可能だから、外国に行ってまで学ぶ必
 要はないし、グローバルにも活躍できる人物になれるさ!」と考
 える人たちもいると思いますし、一定数はそのように考える人が
 いていいと思います。


しかし...「グローバルにも活躍できる人物」像について話してい
ると、私は他の人たちと、ちょっと視点が違うらしいので、まず、
その辺りについて説明をしようと思います。

今のところ私は、「英語が話せて、特定分野の専門知識を持ってい
る人」がグローバル人材・グローバル人財だとは思っていません。

なぜなら、グローバル・ビジネスが当たり前になりつつある今、国
外の現地にいる、【 自分とは異なる人々(…価値観、人種、年齢、
宗教、性別、文化、慣習、経験などが異なる人々)をリードしてい
ける人材・人財 】が、今まで以上に強く求められているグローバ
ル人材・グローバル人財像だと考えているからです(…質も人数も)


英語と専門知識レベルが同等の外国人"事務員・技術者など"は、世
界中にたくさんいます。もし、英語と専門知識レベルが同等であれ
ば、日本人を雇うよりも、雇用賃金が低くて済む他国の人材を雇っ
た方が、企業にとってはありがたいことが多いでしょう。

ですから、日本人である私たちは、たとえ世界のどこで働けるとし
ても、単なる従業員ではなく、【 自分とは異なる人々をリードし
ていける人材・人財 】になることが大切なのではないかと考えて
います。

では、自分とは異なる人々をリードしていける人材・人財になるに
は、あるいは、社員をそういった人物に育てていくためには、どう
いった点に配慮する必要があるのでしょうか?


■たくさん読んで、考えて、書いて、議論する学習;
 対話ベースの個別指導

今後は、インターネットをはじめとする各種技術革新等もあって、
私たちが、情報や知識を入手するのは、今よりさらに容易になるだ
ろうと予想できます。

(中略)

このように考えると、企業における人財育成部署が、ただ単に、知
識の教授を主目的とする研修をやりっ放しにしていていい時代は過
ぎ去ったのだと思います。

企業も、知識の教授によって、グローバル人財を育成可能だとは思
っていないのではないでしょうか。

…人財育成の部署が、人材の評価や配置などを行う人事部の下位に
 甘んじているようでは、グローバル人財育成の舞台で後れを取り
 ます。人財育成戦略は、事業戦略とを密接に結びつけ、経営幹部
 層が本氣で推進していく必要があります。(この話は長くなりそ
 うなので、また別の機会に!)

大学院の主眼が「研究」だとすると、大学の主眼たる「教育」で核
を成すのは、すでに「知識の教授」(…一方向の情報伝達)ではな
くなっているのではないかと思います。

もちろん、「体系的な知識の教授」ということでは、まだ意味があ
るでしょうが、それよりもむしろ、グローバル人財の育成というこ
とで言えば、他の側面の重要度が増しているように、私は考えてい
ます。

私が、「グローバル人財の育成という切り口」で、特に大切だと思
っている2つの要素について、説明する良い例があるので、次にご
紹介しようと思います。

それは、英国ケンブリッジ大学で「supervisions」、英国オックス
フォード大学では「tutorials」と呼ばれて始まり、現在は、他の
国の大学でも採用されている教育手法、「チュートリアル(個別指
導)制度」です。

…企業で言えば、「メンター制度」あるいは「コーチング制度」に
 相当するかもしれません。

(中略)

チュートリアルのやり方はこうです。

通常、大学教員1人が学生1~3人を担当し、週に1回1時間程度、
学生が提出したレポートを基に、教員と学生の間で議論、質疑、対
話(ダイアローグ)を行います。

学生は、レポート提出のために、毎週数冊の課題図書を読み、与え
られた課題に応じた独自の考察を、A4用紙10枚程度にまとめま
す(…本の要約ではありません)。

講義はチュートリアルを補助する役割で、科目ごとの成績は、主に、
1科目当たり3時間程度の論述試験の評価を基に決まります。

オックスブリッジ(Oxbridge:ケンブリッジ大学とオックスフォー
ド大学の併称)では、こういったチュートリアルを柱にして、(ど
のような科目の学習を通してであれ)「クリティカル・シンキング
能力」と「コミュニケーション能力」(…両方併せて、思考力 [分
析力、総合力]・表現力)を育てることを目指しています。

英語を身につけさえすれば、あとは与えられた課題をこなすだけで
良いと考え、自ら付加価値を生み出そうとしない学習姿勢とは、随
分異なりますね。

(中略)

もちろん、グローバル人材・人財になる/するには、「観察」「仮
説」「実験」「検証」「フィードバック」といった事柄に関する能
力の育成も大切でしょうし、

「人的ネットワークの構築」(…eラーニングとは異なり、大学・
大学院教育の価値はこの辺りも大きい!)といった要素も大切だと
思っていますが、

これらの基盤にあるのも、「クリティカル・シンキング能力」と
「コミュニケーション能力」なのではないでしょうか。

私は、個々の専門分野の知識は、その都度、独学でも身につけるこ
とができるのかもしれないけれど、【 自分とは異なる人々をリー
ドしていける人材・人財 】の育成を目指すのであれば、

「クリティカル・シンキング能力」と「コミュニケーション能力」
を醸成することが大切、

そしてそれには、チュートリアル(企業で言えば、メンタリングや
コーチングを活用した「対話ベースの個別指導」)が有効ではない
かと考えています。

そして、まだ端緒を開いたばかりかもしれませんが、「クリティカ
ル・シンキング能力」と「コミュニケーション能力」の醸成につい
て、弊社が具体的にどのような場面で重視しているのかについて、
3つのこだわりという形でご紹介しようと思います。


■勉強会や研究会でのこだわり:「"建設的な"批判精神 」

先日始まったばかりの、夜の勉強会(MOS)では、初参加された
方々から「権威ある人が書いた本でも、内容に疑問を持っていいん
ですね」「今までの本の読み方と違っていて、とても刺激を受けま
した」といった感想をいただくことができました。

(中略)「建設的な批判精神」「独学とは違った価値の創造」を重
視している姿勢が伝わると嬉しいです。

(中略)

英語運用能力の向上ばかりが騒がれて、あまり目立って取り上げら
れていませんが、これまで述べてきた通り、「"建設的な"批判精神」
を持って学ぶ、議論する、意志決定する...といった部分について
は、グローバル・ビジネスが当たり前になってくる現代、日本人が
強化する必要のある姿勢だと、私は考えています。

…「カースト制度が強要したのは従順さであった。従順な犬は好ま
 しいかもしれないが、"盲目的に従順な人"には高い価値を置かな
 い。」というのが、グローバルな認識ではないでしょうか。

ビジネスの分野でも、経験則を主流とする思考法や、MBAプログ
ラムの限界が指摘される昨今では、仮説形成と検証、システム思考、
問題設定能力、概念化、メタ認知を活用した内省などが注目を集め
ており、それらの基盤の1つとなっているのが「"建設的な"批判精
神」[→クリティカル・シンキング(批判的思考法)]であると私は
考え、夜の勉強会や朝の研究会で重視しています。


■一般公開セミナー/研修でのこだわり

「質問力」「コンフリクト・マネジメント入門」などでは、(中略)
「クリティカル・シンキング能力」と「コミュニケーション能力」
の向上を図りつつ、「認識のズレ」や「対立」を問題解決・イノベ
ーションに活かす演習を取り入れています。


■「土壌を豊かにするコーチング」というこだわり

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次世代のリーダーを生み出す土壌を豊かにすることは、競争優位、
事業規模、利益のすべての面で企業自体の成長を促すことに繋がる

→ 企業を経営するとは、次の経営者を育てることでもある

→ 「リーダーシップ開発コーチング」を実施することは、
  経営の健全化につながる
------------------------------------------------------------

私は、上記のような考えを持っているため、「すぐに結果を出しま
す」と言っているコーチの話を聞くと、

「クライアント企業内には、問題解決できる人材・人財がいなかっ
たとでも言っているのか?」

「水をやってすぐに芽を出し、すぐ伸びる、”もやし”を育ててい
ると主張したいのか?」

などと思います。

スピードや効率は大切かもしれませんが、それらばかり追いかける
のは、せいぜい十数センチの高さを目指す "もやし" のコーチング
であって、土壌を整えてしっかりと根を張らせ、風雨に耐え抜く、
高さ十数メートルになるような "樹木" を育成するコーチングとは、
アプローチが異なって当然だと考えています。

弊社では、芽が出てから、何日目で何センチに伸びたとか、幹の太
さがどうなったとか、収穫できた果実は何キログラムだとか…そう
いう、比較的計測しやすい事柄ばかりに関心を向けるクライアント
よりも、

まずは、「土壌を豊かにすること」(…目的によって何を計測すれ
ばいいのかが変わるし、定性的な評価と定量的な評価をどのように
ミックスさせればいいのかについて未知の部分が多く、計測や評価
に困難を伴うことも多い)や

「根をしっかり張らせること」(…樹木が大きく育つために、栄養
摂取の面からも、地表に出ている部分を支えるという強度の面から
も重要)に目を向けることを選ぶ、本格派のクライアントさまの満
足度が高いことをお伝えしておこうと思います

…「クリティカル・シンキング能力」「コミュニケーション能力」
 「対話(ダイアローグ)による学習効果」を使い倒すサービスで
 す。

(後略)

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冒頭でご案内差し上げましたように、本記事の『全文』は、下記
よりご覧いただけます。上記抜粋記事をご覧になった上で、詳細
についてお知りになりたい方は、是非ご活用くださいませ。

●ニューズレター第97号
 幸福なうつ状態とグローバル人財育成競争;土壌を豊かにする!
 → http://5w1h.hatenablog.jp/entry/097(ブログ版)
 → http://www.5w1h.co.jp/newsletter/no97.pdf(PDF版)
============================================================
出典を明記していただき、『著作権法』で認められる『引用』の
範囲を超えなければ、許可なしで部分引用可能です。
また、内容を改変せず、元のままの形(あるいは上記リンク先)
であれば、お知り合いなどに転送していただいて構いません。
============================================================


以上、何か少しでも、『総務の森』コラムをご覧のみなさまの
お役に立てることがあれば幸いです。

お忙しいところ、目を通していただき、ありがとうございました!

               高野潤一郎@合同会社5W1H

P.S.1
● 【 早割:7月18日(金)まで 】 9月13日(土)スタート
 合同会社5W1H流『コーチング学習プログラム』
 http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html

 ~「自らを制約から解放し、境界を超えていく能力」
  「自ら適切な課題を設定する能力」を高めるのに有効!~

「参加者の声」は、こちら↓からご確認いただけます。
  http://www.5w1h.co.jp/pl/clp.html#comments


P.S.2
●7月13日(日)ほか: 月に一度、日曜朝の「教養醸成の会」
 http://www.5w1h.co.jp/pl/CGG.html

●7月24日(木)~25日(金)
 「フレームワーク質問力(総論)」セミナー
 http://www.5w1h.co.jp/pl/saimf.html

●8月9日(土)~10日(日)
 2日間「コーチング漬け」体験
 http://www.5w1h.co.jp/pl/two_days_coaching.html


P.S.3
もし『図表』を用いた解説も多い弊社発信情報にご興味をお持ち
いただけたようでしたら、下記もご覧になってみてください。

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 「自律共栄の納得人世」の実現に向け、
 「人財と組織の育成を支援」する 合同会社5W1H

         代表 高野 潤一郎 [ 博士(先端科学技術) ]

合同会社5W1Hウェブサイト 】 http://www.5W1H.co.jp/


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