2023年分から、インボイス登録した
事業者において
消費税の
確定申告が複雑になります。また従来、免税
事業者であった
事業者がインボイス登録で課税
事業者になった場合、いくつかの重要な特例が適用できます。
従来からの
消費税の課税
事業者においても10月からのインボイス制度により申告や保存資料の要件など変更になっておりますので、申告に備えておさらいしてみましょう。
- 目次 -
いつから課税
事業者になるか?
「2割特例」とは?
消費税納付額の計算方法
「8割特例」とは
保存資料要件
「少額特例」とは
─いつから課税
事業者になるか?─
今まで継続して売上1000万円以下で、継続して
消費税の申告義務がなかった
事業者や、新規開業
事業者で
消費税の申告義務がない
事業者においては、今回の10月からのインボイス制度で、インボイス登録すると
消費税の申告が必須となります。
その場合、もともと課税
事業者であった
事業者の
消費税の申告期間は1月1日から12月31日となりますが、免税
事業者がインボイス登録で課税
事業者になった場合の
消費税の申告期間は10月1日から12月31日となりますので、ご注意下さい。
消費税の申告期限は2024年4月1日となります(
所得税の申告期限は3月15日)。
─「2割特例」とは?─
インボイス制度を機に免税
事業者から課税
事業者になった
事業者については、税額控除の金額を、特別控除税額として、売上等に係る
消費税額の80%に相当する金額とすることができます。この特例を適用することで、実質売上等に係る
消費税額の20%のみを納税することとなります。
(
消費税納付額の計算方法)
売上に係る
消費税額 ─ 支払等に係る
消費税額
消費税納付額の計算方法は、売上に係る
消費税から、支払等に係る
消費税を差し引き、差額を納付するという計算方法になっております。例えば、人件費や
保険料などは
非課税扱いのため、支払等に係る
消費税額は0となります。
特に
経費に係る人件費の割合は業種によってはかなり高いです。売上に係る
消費税額の80%が控除になるというこの制度は、業種によってはかなり節税効果が高いと言えます。
また当該制度は、従来より課税
事業者である場合は適用となりませんので、ご注意下さい。
─「8割特例」とは─
インボイス番号が記載された適格
請求書発行
事業者以外の
事業者への支払等については、
消費税の計算上、原則2023年10月から税額控除できないこととなりますが、一定期間の
経過措置として、2026年9月末までは80%、2029年9月末までは50%まで税額控除することができます。
経過措置の適用の有無で
消費税の納税額が大きく変わることになります。
売上に係る
消費税額 ─ 支払等に係る
消費税額
・・・原則インボイスのない
事業者への支払は対象外
※2026年9月まで80%控除できる
※2029年9月まで50%控除できる
こちらの制度は、従来より課税
事業者であった
事業者も適用できますので、活用していきましょう。
前述の2割特例とパーセンテージも相似していますが、異なる特例のため、ご注意下さい。
─保存資料要件─
2023年10月からのインボイス制度により、
請求書等の保存要件も厳格となっております。
まず、インボイス登録をした
事業者に係る
請求書、
領収書などについては、インボイス登録番号の記載が義務付けられています。
加えて、取引金額につき、8%と10%それぞれの税抜金額と
消費税額の内訳記載が義務付けられております。総額表示では、適格
請求書の要件を満たさないこととなります。
─「少額特例」とは─
インボイス制度により新たに始まった特例の一つに、少額特例(一定規模以下の
事業者に対する事務負担の軽減措置)というものがあります。
少額特例とは、税込1万円未満の支払等について、インボイス等の保存が不要となる制度です。インボイス番号や
領収書、
請求書の保存方法、管理方法は2023年10月から煩雑化され、2024年1月から電子帳簿保存法の改正もあるため、少額特例により事務作業を効率化させることができるメリットがあります。
一方で、税込3万円未満の支払等につき、一定の要件で
請求書等が不要となる制度は入れ違いで廃止となっておりますので、ご留意ください。
前述の通り、2023年分の
確定申告から申告に用いる特例が増えるのと、書類の保存要件なども複雑になっております。また今後8割特例の
経過措置が段階的に変わっていくため、専門家などの協力も受けながら適正な申告を目指しましょう。
2023年分から、インボイス登録した事業者において消費税の確定申告が複雑になります。また従来、免税事業者であった事業者がインボイス登録で課税事業者になった場合、いくつかの重要な特例が適用できます。
従来からの消費税の課税事業者においても10月からのインボイス制度により申告や保存資料の要件など変更になっておりますので、申告に備えておさらいしてみましょう。
- 目次 -
いつから課税事業者になるか?
「2割特例」とは?
消費税納付額の計算方法
「8割特例」とは
保存資料要件
「少額特例」とは
─いつから課税事業者になるか?─
今まで継続して売上1000万円以下で、継続して消費税の申告義務がなかった事業者や、新規開業事業者で消費税の申告義務がない事業者においては、今回の10月からのインボイス制度で、インボイス登録すると消費税の申告が必須となります。
その場合、もともと課税事業者であった事業者の消費税の申告期間は1月1日から12月31日となりますが、免税事業者がインボイス登録で課税事業者になった場合の消費税の申告期間は10月1日から12月31日となりますので、ご注意下さい。
消費税の申告期限は2024年4月1日となります(所得税の申告期限は3月15日)。
─「2割特例」とは?─
インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった事業者については、税額控除の金額を、特別控除税額として、売上等に係る消費税額の80%に相当する金額とすることができます。この特例を適用することで、実質売上等に係る消費税額の20%のみを納税することとなります。
(消費税納付額の計算方法)
売上に係る消費税額 ─ 支払等に係る消費税額
消費税納付額の計算方法は、売上に係る消費税から、支払等に係る消費税を差し引き、差額を納付するという計算方法になっております。例えば、人件費や保険料などは非課税扱いのため、支払等に係る消費税額は0となります。
特に経費に係る人件費の割合は業種によってはかなり高いです。売上に係る消費税額の80%が控除になるというこの制度は、業種によってはかなり節税効果が高いと言えます。
また当該制度は、従来より課税事業者である場合は適用となりませんので、ご注意下さい。
─「8割特例」とは─
インボイス番号が記載された適格請求書発行事業者以外の事業者への支払等については、消費税の計算上、原則2023年10月から税額控除できないこととなりますが、一定期間の経過措置として、2026年9月末までは80%、2029年9月末までは50%まで税額控除することができます。経過措置の適用の有無で消費税の納税額が大きく変わることになります。
売上に係る消費税額 ─ 支払等に係る消費税額
・・・原則インボイスのない事業者への支払は対象外
※2026年9月まで80%控除できる
※2029年9月まで50%控除できる
こちらの制度は、従来より課税事業者であった事業者も適用できますので、活用していきましょう。
前述の2割特例とパーセンテージも相似していますが、異なる特例のため、ご注意下さい。
─保存資料要件─
2023年10月からのインボイス制度により、請求書等の保存要件も厳格となっております。
まず、インボイス登録をした事業者に係る請求書、領収書などについては、インボイス登録番号の記載が義務付けられています。
加えて、取引金額につき、8%と10%それぞれの税抜金額と消費税額の内訳記載が義務付けられております。総額表示では、適格請求書の要件を満たさないこととなります。
─「少額特例」とは─
インボイス制度により新たに始まった特例の一つに、少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置)というものがあります。
少額特例とは、税込1万円未満の支払等について、インボイス等の保存が不要となる制度です。インボイス番号や領収書、請求書の保存方法、管理方法は2023年10月から煩雑化され、2024年1月から電子帳簿保存法の改正もあるため、少額特例により事務作業を効率化させることができるメリットがあります。
一方で、税込3万円未満の支払等につき、一定の要件で請求書等が不要となる制度は入れ違いで廃止となっておりますので、ご留意ください。
前述の通り、2023年分の確定申告から申告に用いる特例が増えるのと、書類の保存要件なども複雑になっております。また今後8割特例の経過措置が段階的に変わっていくため、専門家などの協力も受けながら適正な申告を目指しましょう。