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株主間のデッドロックと解散判決請求

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弁護士法人クラフトマン 第269号 2024-03-19

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1 今回の事例 株主間のデッドロックと解散判決請求
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大阪高裁令和4年3月24日判決

 中古自動車の輸出入などを行う株式会社Aについて、B氏とC氏が50パーセントずつ株式を持ち合っていました。しかしこれら両名が経営方針などを巡って対立するようになったため、一方の株主が、いわゆるデッドロック状態となったことを理由として、会社法833条1項1号に基づいて会社の解散を裁判所に請求しました。

 裁判所は、A社においては株主総会の開催がなされずデッドロック状態にあるものの、従来選任された3名の取締役によって取締役会も開催され、会社としての意思決定が株主総会の決議事項以外は可能となっており、現時点で業務そのものが著しく停滞しているとは認められないとして、解散請求を退けました。




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2 解説
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(1)株式会社の解散判決請求

 会社法は、株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるときに、10分の1以上の議決権を有する株主が、裁判所に対して会社の解散判決を出すよう請求できる権利を定めています(会社法833条1項1号)。

 そして裁判例上、今回の事例のように、複数の株主同士で意見が分かれ株主総会での意思決定ができない、いわゆるデッドロック状態であることを理由とした解散判決請求が多く見られます。

 もっとも、会社法が「やむを得ない事由」が必要であると述べているとおり、解散が認められる場合とは、デッドロック状態だけではなく、株主間の熾烈な対立等を原因として、業務継続が困難な状態に陥っており、解散が唯一最後の手段である場合などであると一般的には考えられています。


(2)株主契約における手当

 複数の株主で会社を運営する場合、望まないものの、株主間の深刻な対立が生じることは想定できる事態です。この点、2名の株主の持株比率を51%:49%とする等にすればデッドロックが起きる可能性を下げることができ望ましいといえますが、2名の株主が50%:50%の比率で会社を設立・運営することも少なくありません。

 そうすると、万が一デッドロック状態となった場合の措置について、株主契約において定めておくことが重要であるといえます。なぜなら、前述のように解散判決請求は当然に認められるわけではありませんし、事業継続の観点からは、デッドロックに対する解決方法として会社の解散が望ましいとはいいがたいからです。

 この点株主契約に比較的多く規定される例としては、デッドロック事由を定めておき、かつデッドロックとなったとき、両株主間の協議を経ても解決できない場合、一方の株主から他方の株主に対して株式の買取請求(同時に他方株主から一方株主に対する売渡請求)の権利に関する規定と譲渡価格の計算方法を定めておく、というものがあります。

 また、発生したデッドロックの解消のための手続がとられる場合、デッドロック解消のための株主間の協議等、デッドロック解消までに相当な期間を要することもありえます。そのため、デッドロック発生期間中の暫定的な会社運営方法について株主契約に規定しておくケースもあります。

 同じ会社の株主どうしは、すべての点で意見が一致すればよいのですが、現実には意見が分かれ、かつ解決できないほどに対立することも当然にありますから、こうした事態を想定した取り決めを、合弁会社の開始前に事前に定めておくことは重要といえます。




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3 弊所ウェブサイト紹介~M&A・企業間提携
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