こんにちは、
産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
弊社が、働く人の健康管理の事業を開始して、約10年が経過しました。
その中で、身体的・精神的健康を優先するあまり、社会的健康がおろそかになっている事例を多数見ることになりました。
身体的健康を優先するあまり、精神的・社会的に不健康になった社会的新型コロナウイルス禍という事例を、皆様も多く実感されたことでしょう。
WHO憲章にあるように、健康とは、身体的・精神的・社会的に健康であることです。さらに、職域では企業と
労働者の双方を健康にすることが必要です。
『企業利益をわかりやすく向上させる新規サービス』を用意しています。
是非、弊社を利用し、健康の向上を図ってください。
https://www.kenpomerit.com/
さらに、文末のように「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を
資産形成につなげる方法」及び「産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻
産業医ストラテジー(分担執筆者)」を成しています。是非、ご覧ください。
今回は、「【テレビ局関係】男女間の問題は
産業医の通常業務」について作成しました。
企業利益の向上という、精神的・社会的健康を向上させるために、弊社をご活用ください。
========================
【テレビ局関係】男女間の問題は
産業医の通常業務
========================
令和7年3月31日付で、テレビ局に関して第三者
委員会報告書が公表された以降に、掲載したコラムについて、多くの反響をいただきありがとうございました。
いろいろな意見の中で、「
産業医は、男女問題に関係ないだろう」との意見もいただきました。
産業医について、どういったイメージをお持ちか分かりませんが、男女間の問題については、通常業務の一環です。
今回は、【Q&A】男女間の問題は
産業医の通常業務について、例示を加えてまとめました。
●男女間であろうが、同性間であろうが、健康に関するなら
産業医業務
産業医業務は、
労働安全衛生規則第14条第1項で、次の様に定義されています。
一
健康診断の実施及びその結果に基づく
労働者の健康を保持するための措置に関すること。
二 法第六十六条の八第一項、第六十六条の八の二第一項及び第六十六条の八の四第一項に規定する面接指導並びに法第六十六条の九に規定する必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく
労働者の健康を保持するための措置に関すること。
三 法第六十六条の十第一項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに同条第三項に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく
労働者の健康を保持するための措置に関すること。
四 作業環境の維持管理に関すること。
五 作業の管理に関すること。
六 前各号に掲げるもののほか、
労働者の健康管理に関すること。
七 健康教育、健康相談その他
労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
八 衛生教育に関すること。
九
労働者の健康障害の原因の調査及び
再発防止のための措置に関すること。
男女間や同性間での問題は、第2号、第3号、第6号、第9号で、健康障害(特に精神的)の原因となることがあります。
また、第4号の作業環境に関係する場合もあります。
●
産業医対応
産業医業務では、健康障害の原因として、男女間の問題が出てくることがあります。その際は、まず、健康障害を訴えている
従業員の話を丁寧に傾聴します。
傾聴については、通常の場合よりも時間がかかることが多いです。その中で、信頼関係を作り、原因となる点を整理していきます。
特に配慮するべき点は、以下になります。
1. 中立性と客観性の維持:
産業医は、常に中立的かつ客観的な立場を維持し、
従業員の話を先入観なく聴く必要があります。男女双方の立場を理解しようとする姿勢が重要です。
2. 安全な環境の確保::
従業員が安心して話せるよう、プライバシーが保護された静かな場所で、十分な時間を確保します。また、共感的な態度で接します。
3. 慎重な情報収集:
従業員の話に注意深く耳を傾け、事実関係を丁寧に確認します。必要に応じて、客観的な情報を得るために、家族や関係機関からの情報収集も検討します。
4. 専門性の維持:男女間の問題は、法律や社会的な問題が絡み合う複雑な領域です。必要に応じて、弁護士やカウンセラーなどの専門家と連携し、多角的な視点から
従業員を支援します。
5.
従業員の主体性を尊重:
従業員自身の意思決定を尊重し、一方的なアドバイスや指示を避けます。
従業員が自らの力で問題を解決できるよう、選択肢や情報を提供し、エンパワメントを促します。
6. 倫理的な配慮:
産業医は、
従業員の安全と安心を最優先に考え、倫理的な判断に基づいて行動する必要があります。
7. 業務と私的内容を区別:企業は仕事をする場合であるので、業務と私的内容を明確に区別する必要があります。その上で、業務と私的内容それぞれに、
従業員が自らの力で解決できるよう、支援を行います。必要な場合は、専門医との連携を行います。
8. 丁寧な経過観察:
従業員の健康障害は、落ち着いた後も、再燃するおそれがあります。そのため、定期的な経過観察を行う必要があります。
このように、
産業医業務における男女間の問題を対応していきます。もちろん、これだけでなく個別の事案ごとに対応するには、医学、法律、心理学等の全てに、しっかりとした知識を持ち、臨機応変な対応ができていることが重要になります。
●部署全体での男女間の問題の事例
産業医をしていると、様々な男女間の問題がありますが、その中でも、部署全体で男女間の問題が発生した事例があります。
その部署に勤務していた
従業員は、問題が起きる前、通常業務は達成されていました。
課題の最初は、部署の女性が強いストレスを感じているとのことで、上司から依頼があり
産業医面談となりました。
産業医として、傾聴したところ背景に男女問題があるとのことでした。しかし、それが複雑であり、男女問題の登場人物が、複数人の関係で問題となっていることが分かりました。
その複数人に、面談を行いましたが、男女の問題なので、それぞれに恋愛観や異性に求める内容が異なります。
産業医としては、それぞれに傾聴を行い、必要があれば当事者で話をしてもらい、上司の協力も得て、こんがらがった糸をほどくように、1人1人対応することになりました。特に、業務を円滑に回すためにどのように調整するかは、上司と十分に協議を行いました。
数カ月の時間を要しましたが、1人も辞めることなくなんとかまとめることができました。従って、まとめた後の経過観察には十分に時間を費やしました。
男女問題をかかえている
従業員もでしたが、上司のメンタルが悪化しないように、サポートすることも必要でした。
●まとめ
テレビ局関係のコラムでも示しましたが、健康のことは、国家資格を持った健康の専門家に任せましょう。
男女問題にかかわらず、事故、ハラスメント、取引上のトラブル、感染症、風評被害、訴訟等によって、
従業員が健康障害を引き起こしたら、直ちに任せる様にしましょう。
もちろん、横領、不正
会計、
情報漏洩等の重大事案についてもそうです。
コンプライアンス遵守は、日本国内法の遵守だけに限られなくなっています。国内法では親告罪なら警察OBの協力や被害者補償で、申告をさせずにおさめることはできます。しかし、海外取引をしている企業又はその会社と取引している会社はそうはいきません。海外が求める
コンプライアンス遵守は、人権侵害をしないために、日本国内法の求める水準を超えた高い危険予知と危険回避が求められます。
もし、人権侵害が認められれば、日本国内法での処罰は無くても、そういった会社であった又はその会社と取引していた会社となれば、海外で事業取引の停止の危険があり、最悪の場合は、返品訴訟が発生するリスクがあります。
健康のことは、国家資格を持った健康の専門家に任せ、結果が悪かった場合は、国家資格者の全責任にできる様に、適切な体制構築を行いましょう。
【第三者
委員会報告書】テレビ局
産業医対応まとめ
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-177542/
【健康は専門家へ】テレビ局は健康経営優良
法人2024
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-177547/
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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を
資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/
産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻
産業医ストラテジー(分担執筆者)
https://www.e-bio.co.jp/publication/book01.html
こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
弊社が、働く人の健康管理の事業を開始して、約10年が経過しました。
その中で、身体的・精神的健康を優先するあまり、社会的健康がおろそかになっている事例を多数見ることになりました。
身体的健康を優先するあまり、精神的・社会的に不健康になった社会的新型コロナウイルス禍という事例を、皆様も多く実感されたことでしょう。
WHO憲章にあるように、健康とは、身体的・精神的・社会的に健康であることです。さらに、職域では企業と労働者の双方を健康にすることが必要です。
『企業利益をわかりやすく向上させる新規サービス』を用意しています。
是非、弊社を利用し、健康の向上を図ってください。
https://www.kenpomerit.com/
さらに、文末のように「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」及び「産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻 産業医ストラテジー(分担執筆者)」を成しています。是非、ご覧ください。
今回は、「【テレビ局関係】男女間の問題は産業医の通常業務」について作成しました。
企業利益の向上という、精神的・社会的健康を向上させるために、弊社をご活用ください。
========================
【テレビ局関係】男女間の問題は産業医の通常業務
========================
令和7年3月31日付で、テレビ局に関して第三者委員会報告書が公表された以降に、掲載したコラムについて、多くの反響をいただきありがとうございました。
いろいろな意見の中で、「産業医は、男女問題に関係ないだろう」との意見もいただきました。
産業医について、どういったイメージをお持ちか分かりませんが、男女間の問題については、通常業務の一環です。
今回は、【Q&A】男女間の問題は産業医の通常業務について、例示を加えてまとめました。
●男女間であろうが、同性間であろうが、健康に関するなら産業医業務
産業医業務は、労働安全衛生規則第14条第1項で、次の様に定義されています。
一 健康診断の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
二 法第六十六条の八第一項、第六十六条の八の二第一項及び第六十六条の八の四第一項に規定する面接指導並びに法第六十六条の九に規定する必要な措置の実施並びにこれらの結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
三 法第六十六条の十第一項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに同条第三項に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
四 作業環境の維持管理に関すること。
五 作業の管理に関すること。
六 前各号に掲げるもののほか、労働者の健康管理に関すること。
七 健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
八 衛生教育に関すること。
九 労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。
男女間や同性間での問題は、第2号、第3号、第6号、第9号で、健康障害(特に精神的)の原因となることがあります。
また、第4号の作業環境に関係する場合もあります。
●産業医対応
産業医業務では、健康障害の原因として、男女間の問題が出てくることがあります。その際は、まず、健康障害を訴えている従業員の話を丁寧に傾聴します。
傾聴については、通常の場合よりも時間がかかることが多いです。その中で、信頼関係を作り、原因となる点を整理していきます。
特に配慮するべき点は、以下になります。
1. 中立性と客観性の維持:産業医は、常に中立的かつ客観的な立場を維持し、従業員の話を先入観なく聴く必要があります。男女双方の立場を理解しようとする姿勢が重要です。
2. 安全な環境の確保::従業員が安心して話せるよう、プライバシーが保護された静かな場所で、十分な時間を確保します。また、共感的な態度で接します。
3. 慎重な情報収集:従業員の話に注意深く耳を傾け、事実関係を丁寧に確認します。必要に応じて、客観的な情報を得るために、家族や関係機関からの情報収集も検討します。
4. 専門性の維持:男女間の問題は、法律や社会的な問題が絡み合う複雑な領域です。必要に応じて、弁護士やカウンセラーなどの専門家と連携し、多角的な視点から従業員を支援します。
5. 従業員の主体性を尊重:従業員自身の意思決定を尊重し、一方的なアドバイスや指示を避けます。従業員が自らの力で問題を解決できるよう、選択肢や情報を提供し、エンパワメントを促します。
6. 倫理的な配慮:産業医は、従業員の安全と安心を最優先に考え、倫理的な判断に基づいて行動する必要があります。
7. 業務と私的内容を区別:企業は仕事をする場合であるので、業務と私的内容を明確に区別する必要があります。その上で、業務と私的内容それぞれに、従業員が自らの力で解決できるよう、支援を行います。必要な場合は、専門医との連携を行います。
8. 丁寧な経過観察:従業員の健康障害は、落ち着いた後も、再燃するおそれがあります。そのため、定期的な経過観察を行う必要があります。
このように、産業医業務における男女間の問題を対応していきます。もちろん、これだけでなく個別の事案ごとに対応するには、医学、法律、心理学等の全てに、しっかりとした知識を持ち、臨機応変な対応ができていることが重要になります。
●部署全体での男女間の問題の事例
産業医をしていると、様々な男女間の問題がありますが、その中でも、部署全体で男女間の問題が発生した事例があります。
その部署に勤務していた従業員は、問題が起きる前、通常業務は達成されていました。
課題の最初は、部署の女性が強いストレスを感じているとのことで、上司から依頼があり産業医面談となりました。
産業医として、傾聴したところ背景に男女問題があるとのことでした。しかし、それが複雑であり、男女問題の登場人物が、複数人の関係で問題となっていることが分かりました。
その複数人に、面談を行いましたが、男女の問題なので、それぞれに恋愛観や異性に求める内容が異なります。
産業医としては、それぞれに傾聴を行い、必要があれば当事者で話をしてもらい、上司の協力も得て、こんがらがった糸をほどくように、1人1人対応することになりました。特に、業務を円滑に回すためにどのように調整するかは、上司と十分に協議を行いました。
数カ月の時間を要しましたが、1人も辞めることなくなんとかまとめることができました。従って、まとめた後の経過観察には十分に時間を費やしました。
男女問題をかかえている従業員もでしたが、上司のメンタルが悪化しないように、サポートすることも必要でした。
●まとめ
テレビ局関係のコラムでも示しましたが、健康のことは、国家資格を持った健康の専門家に任せましょう。
男女問題にかかわらず、事故、ハラスメント、取引上のトラブル、感染症、風評被害、訴訟等によって、従業員が健康障害を引き起こしたら、直ちに任せる様にしましょう。
もちろん、横領、不正会計、情報漏洩等の重大事案についてもそうです。
コンプライアンス遵守は、日本国内法の遵守だけに限られなくなっています。国内法では親告罪なら警察OBの協力や被害者補償で、申告をさせずにおさめることはできます。しかし、海外取引をしている企業又はその会社と取引している会社はそうはいきません。海外が求めるコンプライアンス遵守は、人権侵害をしないために、日本国内法の求める水準を超えた高い危険予知と危険回避が求められます。
もし、人権侵害が認められれば、日本国内法での処罰は無くても、そういった会社であった又はその会社と取引していた会社となれば、海外で事業取引の停止の危険があり、最悪の場合は、返品訴訟が発生するリスクがあります。
健康のことは、国家資格を持った健康の専門家に任せ、結果が悪かった場合は、国家資格者の全責任にできる様に、適切な体制構築を行いましょう。
【第三者委員会報告書】テレビ局産業医対応まとめ
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-177542/
【健康は専門家へ】テレビ局は健康経営優良法人2024
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-177547/
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令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法
http://miraipub.jp/books/%E3%80%8C%E4%BB%A4%E5%92%8C%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9-%E9%83%A8%E4%B8%8B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%82%8B%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%AE%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE-%E5%83%8D/
産業保健ストラテジーシリーズ第3版 第1巻 産業医ストラテジー(分担執筆者)
https://www.e-bio.co.jp/publication/book01.html